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振動に耐え、衝撃に負けない製品を。
海や空の安全を"映像"で支えたい
PROFILE ●緒方宗馬(おがた そうま) モジュール&ものづくり統括部造形設計課。2020年入社。理工学部卒業。モットーは「人の役に立つ」 |
厳しい耐久試験をくぐり抜け、無事に帰ってこい
私が機構(外装や内部構成など)設計を手がけるのは、海や空の安全を守る上で欠かせないモニターです。船舶に搭載し電子海図を表示したり、空を行き交う航空機に対して地上から指示や情報を送る航空管制に用いられたりしています。使われる場所が変われば、モニターに求められる耐環境性能も異なります。例えば、船舶用モニターの場合、防水や塩水への対策に加え、揺れ動く船上に対応した振動や衝撃への強さが欠かせません。これらの要求を実現するために、一般的なモニターでは樹脂を使う箇所を船舶用モニターでは金属に変え、液晶面には保護ガラスを貼って強化するなど、設計段階からさまざまなアイデアを盛り込んでいます。
要求仕様を満たしているかどうか――。机上でシミュレーションしながら構造設計を進め、試作品ができたら実際に振動や衝撃、防水機能などの耐久試験を行います。この時ばかりは否が応でも緊張感が高まります。特に、入社2年目、設計を手がけた試作品を手に、初めて外部の検査施設に足を運んだ時のことは今でも忘れられません。目の前で次々と進められる試験は音も、衝撃もなかなかの迫力。こちらが身じろぐほどの試験をくぐり抜け、試作品が無事に帰ってきた時は、心の中で「よく頑張った」とほめてあげました(笑)。同時に、要求される規格をクリアできたことに喜びもわき上がってきました。
「どうしたらできるか」を追求する職場
外部で初めて受けた試験を突破し、機構設計を担う魅力を感じたのと同じころ、この仕事の難しさも身をもって体験しました。シミュレーションではうまくいっていたものの、試作品を社内で実際に振動試験すると、モニターの表示に不具合が出てしまったのです。原因を究明しようと試みたのですが、なかなか有効な手が思いつきません。上司や先輩など、チームを挙げて問題解決に取り組みました。最終的には一つの策では解決できず、いくつかの改善策を組み合わせて難題を乗り越えることができました。「技術も経験もまだまだ足りない」。この出来事を通して痛感しました。
もしかしたら、一人では解決できなかったかもしれません。開発・設計を進める中では、トラブルはいつも付きまといます。時に光の見えない状況にも陥りますが、上司や先輩は決して「できない」とは口にしません。「どうすればできるか」と常に前向きに挑戦し続けています。
そんな社内の雰囲気にはいつも、強く背中を押されています。私は船員として大海を回った経験もなければ、パイロットに指示を出したこともありません。ですが、調査したり、社内で協議したりして、使われている市場について理解を深め、イメージすることはできます。経験を重ね、技術を磨きながら、船舶や航空管制で働くプロの方々にとって役に立つモニターを開発していきたい。この目標に向かって一歩ずつ成長を続けていきたいと思います。
[この内容は 2023年2月にインタビューしたものです]
緒方宗馬への一問一答
Q. | 学生時代に打ち込んでいたことは何ですか。 |
A. | 大学では吹奏楽部に入りました。楽器経験はありませんでしたが、フレンチホルンを担当し、4年次にはパートリーダーも務めました。そこでの経験や仲間たちは私の宝物です。今でもフリューゲルホルンやトランペットを練習中です。 |
Q. | 社内にライバルはいますか。 |
A. | しいて挙げるならば、同期や同世代の社員ですね。部署は違っても活躍が耳に入ると、「負けていられない」と意欲がわいてきます。もちろん、敵対しているわけではありません。技術面で分からないことがあれば、お互いにサポートし合っています。切磋琢磨しながらともにステップアップしていく関係です。 |
Q. | あなたのモットーは何ですか。 |
A. | モットーは「人の役に立つ」です。私たちは決して一人ではなく、いろいろな人に支えられ、暮らしています。そんな社会の一員として、EIZOでの開発・設計を通して世界の人たちの生活を豊かにしていきたいと考えています。 |