地球

サプライチェーン・マネジメント

当社は、取引先は事業継続のための必要かつ重要なパートナーであると考えており、公平公正な取引を行うことはもちろん、相互の繁栄を基本とした信頼関係の構築に努めています。
また、EIZOグループ行動指針の下、グローバルに健全な事業活動を行うため「EIZOサプライヤー行動規範」を定めており、調達取引先とともに法令遵守、人権尊重、環境負荷低減、安全衛生といったサステナビリティの推進に取組んでいます。さらに、責任ある鉱物調達などの国際的な課題に対しても積極的に取組んでいます。

ともに守る品質(調達方針)

調達についての基本方針

お客様に満足していただける優れた製品を生み出すためには、部品・材料の品質・納期・コスト及び環境配慮が重要事項です。当社はサプライヤーについて技術力、品質、供給力、環境保全活動、法令遵守等様々な面からの選定基準を設け、これを満たすサプライヤーを公平に選定しています。また、ともに製品・サービスの品質を守るパートナーとして、サプライヤーとは経営方針・技術戦略や課題の共有を行うとともに、定期的な情報交換の場を設けています。

調達取引先の選定基準

  1. 経営状態が健全であること。
  2. 当社製品に貢献できる技術力を有していること。
  3. 当社に供給する製品・資材の品質、価格、納期が適正水準にあること。
  4. 安定供給能力と、需要変動への柔軟な対応力があること。
  5. 法令を遵守し、環境への配慮、環境負荷低減のための取組みを積極的に行っていること。

調達取引先との相互理解のための取組み

EIZOグループの生産の8割以上を占める日本においては、1年に1回、「資材調達方針説明会」を開催し、当社調達方針の説明や当社の事業戦略・今後の取組み等について説明を行い、これに対する協力をお願いしています。

資材調達方針説明会

サプライヤーへのリスクアセスメントの実施

EIZO株式会社においては主要サプライヤーから「サプライヤー宣言書」により、当社サプライヤー行動規範の遵守に向けた取組み推進に同意をいただいています。 またサプライヤーの新規選定時及び、既存サプライヤーについては毎年1回のセルフアセスメントを行うことで各社の遵守状況を確認・評価し、リスクの特定につとめています。セルフアセスメントによる評価に基づき、リスクが高いと当社が判断したサプライヤーへは、必要に応じ現地監査を行います。

安定供給を実現する信頼関係

当社は、製品・システム・サービスが高品質であることはもちろん、お客様の需要に対し、安定的に製品を供給することも品質の一つであり、当社の責任の一つであると考えています。そのため、自社開発・自社生産の機動力を活かして柔軟な開発・生産を進めるとともに、部品・材料については安定供給を叶えるため、戦略的に在庫を確保しています。さらに、製品間の部品の共通化や複数サプライヤーあるいは異なる工場拠点からの調達など、BCP対策も行っています。これを支えるのはサプライヤーとの信頼関係、サプライヤーの理解・協力であり、このコロナ禍や世界情勢の影響による調達難においても、自社開発・自社生産の機動力に加え、サプライヤーとの協力による迅速な部品在庫の確保により、安定供給を実現しています。

開発から販売後まで強固なパートナーシップ

革新的な製品の実現には、最先端のデバイス・映像処理技術が不可欠です。キーとなる表示デバイスについては、各デバイスメーカーとともに表示性能にとことんこだわった開発を行っています。また量産後に不具合が発生した時には、サプライヤーと協力しながら不具合解析を行い、原因追求や対策立案、是正のすみやかな実施につなげ、品質維持・向上への継続的な取組みを行っています。

責任ある鉱物調達

責任ある鉱物調達に関する基本方針

IT・エレクトロニクス部品等の原材料として重要な鉱物資源において、コンゴ民主共和国(DRC)やその隣接国を含む紛争地域や高リスク地域での採掘が、強制労働や児童労働を含む人権侵害、環境破壊、資金洗浄などの紛争や不正な行為を引き起こす組織の資金源となり、これらの鉱物使用が組織の行為を助長させ得ることが懸念されています。
EIZOグループは、当該課題の考慮を社会的責任と考え、当社製品に使用する鉱物の調達が紛争・不正に関与しない(コンフリクトフリーである)ことを目指します。この実現のため、サプライチェーン全体に対して、特定の鉱物資源(タンタル、錫、タングステン、金 [米国ドッド=フランク法で「紛争鉱物」と定義される4鉱物]、およびコバルト)が不正に関与しない供給元から調達されることの調査・確認を行います。関与の恐れがある場合には是正に向けた取組みを進めます。

また、当社はRMI(責任ある鉱物調達イニシアチブResponsible Minerals Initiative)に参加しており、継続的に紛争地域や高リスク地域からの責任ある調達活動を支援します。

RMIロゴマーク

デューディリジェンスプロセス

当社は「責任ある鉱物調達に関する基本方針」をWEBサイトで開示し、当社製品に使用する部品において、不正に関与する特定鉱物の不使用を目指す取組みをサプライチェーン全体に求めています。
また、RMI(Responsible Minerals Initiative)が発行するCMRT(紛争鉱物調査票 Conflict Minerals Reporting Template)およびEMRT(拡張鉱物調査票 Extended Minerals Reporting Template)を使用して、全サプライチェーンを対象に特定鉱物の原産地調査を毎年実施し、不正に関与する特定鉱物の調達が無いかを確認しています。サプライチェーンからの調査回答にRMAP(Responsible Minerals Assurance Process)に適合していない製錬所が含まれる場合は、さらなる精査や、RMAP監査、RMAP適合製錬所からの調達についての検討を要求します。
調査した製錬所リストについては、当社製品の納入先となるお客様の要請に応じてCMRTとEMRTにて開示しております。

2023年度の調査結果

紛争鉱物調査では92%以上の回答を回収しました。この調査により345か所の製錬所を特定し、内226か所がRMAPに適合した製錬所であることを確認しました。コバルト及びマイカの調査では90%以上の回答を回収しました。この調査により93か所の製錬所を特定し、 内46か所がRMAPに適合した製錬所であることを確認しました。

今後の取組み

2024年度についても、製錬所のさらなる特定とRMAPに適合した製錬所からの鉱物調達率の向上に向けてデューディリジェンス活動を進めます。仕入先様や業界団体とも連携し、コンフリクトフリーを目指して引き続き取組んでいきます。

EIZOサプライヤー行動規範

RBA行動規範や国連グローバルコンパクトの原則、ILO国際労働基準などを参照して策定した「EIZOサプライヤー行動規範」を定め、サプライヤーの理解と協力をお願いしています。
EIZO株式会社においては、主要サプライヤーから「サプライヤー宣言書」により当行動規範の遵守に向けた取組み推進に同意をいただいており、さらに継続的な取引を行う調達取引先については、毎年1回のセルフアセスメントにより遵守状況を確認・報告いただき、定期的な評価を実施するとともに、定期的に、あるいは必要に応じて適時現地監査を行っています。

※EIZO株式会社はResponsible Business Alliance(RBA)の会員です。

人権・労働

  • 強制労働・児童労働を禁止していること。
  • 若年労働者、妊娠中および出産後の女性労働者を健康や安全が危険にさらされる可能性がある業務に従事させないこと。
  • 従業員の健康を守るため、労働時間・休日・休暇を適切に管理し、法定限度を超えた時間外労働および休日労働をさせないこと。
  • 従業員に法定最低賃金を下回らない賃金を支払い、懲戒処分としての賃金からの控除を行なわないこと。
  • 暴力行為や威圧的な言動、その他人格を無視したいかなるハラスメントも行わないこと。
  • 人種・年齢・性別・性的志向・民族・国籍・障害の有無・宗教・信条・社会的身分などによる差別を禁止し、従業員個人の尊厳を尊重していること。
  • 従業員の団結権を尊重し、適切な労使間協議を実現していること。

安全衛生

  • 安全衛生に関する法規制に従い、経営者のリーダーシップと従業員の参加のもとで健康的で安全な労働環境が従業員に提供されていること。
  • 災害等を含む、就業中に発生しうる緊急事態および事故について検証し、必要な安全対策をとっていること。
  • 労働災害および疾病が発生した場合、迅速に社内に周知し、治療の提供、職場復帰の支援、再発防止に努めていること。
  • 職場において、人体に有害な化学物質および騒音や悪臭などの健康障害につながるリスクについて必要な対策をとっていること。
  • 身体的負荷のかかる作業への配慮をしていること。
  • 職場において使用する機械装置の安全対策、保守管理をとること。
  • 従業員の生活のために提供される施設(寮・食堂・トイレなど)の安全衛生を適切に確保していること。
  • 従業員の母国語又は理解できる言語で、安全衛生情報およびトレーニングを提供していること。
  • 従業員の健康維持のために必要な健康管理をしていること。

環境保全

  • 適用される環境関連法規制および国際条約を遵守していること。
  • 事業活動において、省資源、リサイクルの推進、有害物質および廃棄物の削減により、環境汚染の予防および環境負荷の低減に努めること。
  • 法規制および国際条約で禁止されている化学物質※は使用していないこと。また、法規制および規格が対象とする化学物質※の管理体制を整備し、情報開示していること。
  • 大気に排出される揮発性の有機化合物・微粒子・オゾン層破壊物質を適正に管理すること。また、これらの情報を公開していること。
  • 水源、排水を適正に管理し、環境汚染の予防および環境負荷の低減に努めること。また、これらの情報を適正に公開していること。
  • エネルギー効率の改善、再生エネルギーの利用により、エネルギー消費および温室効果ガス排出量の低減に努めること。また、エネルギー、温室効果ガス排出量(スコープ1と2)を情報公開していること。
  • 省資源・省エネルギー・リサイクル設計に配慮をしていること。

※詳細は当社Webサイトのグリーン調達基準をご参照ください。

倫理

  • あらゆる種類の贈収賄、腐敗行為、恐喝、および横領を一切禁止していること。
  • 不適切な利益を目的とした賄賂・過大な接待贈答などの利益の授受を禁止していること。
  • 健全かつ公明正大な事業経営を推進するとともに、経営方針、経営状況(財務状況を含む)の適正な情報開示をしていること。
  • 顧客およびサプライヤーを含む第三者の知的財産を尊重し、それを侵害しないこと。
  • 公正なビジネス、広告および競争の法律などに違反しないこと。
  • サプライヤーおよび従業員が所属組織の不正や法令違反などを、報復、脅迫あるいはその他不利益な取り扱いを受けることなく、内部または外部の適切な機関に対して匿名で通報することができる、適切かつ効果的なプロセスを確立していること。
  • 紛争地域および高リスク地域から採掘される鉱物資源の調達が、人権侵害や環境破壊等に加担しないことを保証するために、サプライチェーンにおけるリスクを特定および評価し、リスクに対処すること。また、顧客の要望に応じて情報を開示すること。
  • 自社、顧客およびサプライヤーの個人情報や機密情報を厳重に管理し保護していること。
  • 情報セキュリティにかかる必要な対策を講じ、自社および取引先に被害を与えないよう管理していること。
  • 反社会的勢力と関係を持つことを禁止していること。

品質

  • 安全な商品とサービスを提供するため、定められた品質基準などの要求を満たしていること。
  • 商品・サービスに関わる必要な情報について、迅速かつ正確に開示していること。
  • 品質・納期・技術において高い水準を維持すること。また価格は適正であること。
  • 安定供給能力を有し、需要変動に柔軟に対応していること。
  • 自然災害等の緊急事態を想定した事業継続計画(BCP)を策定すること。

マネジメントシステム

適用される法規制および顧客要求事項を遵守するため、労働、安全衛生、環境、倫理および品質に関してマネジメントシステムを確立し実施していること。マネジメントシステムには以下を含むこと。

  • 経営層によって認められた方針、規範の明示
  • マネジメントシステムを実行するための組織体制、責任と権限の整備と、サプライヤーを含めた計画の管理および定期的なレビュー
  • 適用される法規制および顧客要求事項の特定および監視と、遵守状況の定期的なレビュー
  • リスクの特定、管理および対処のための行動計画と目標設定
  • 改善目標と実行計画の策定と実施、定期的な達成度評価
  • 全従業員に対し、方針、手続きおよび目標についての適切な教育・訓練の実施と、必要な力量と認識の維持
  • 方針、活動内容および業績に関して、従業員、サプライヤー、顧客、地域社会への明確で正確な伝達
  • 本行動規範の実施事項や条件について、従業員からのフィードバックや苦情の提供による継続的改善
  • 適用される法規制および顧客要求事項の遵守および本行動規範の内容を確認するための定期的な自己評価
  • 社内外で特定されたインシデント、不適合を是正し改善するプロセス
  • 法規制、顧客要求、会社の要求事項への適合および個人情報保護の適切な管理を示す文書および記録の作成と維持
  • サプライヤーに対して、本行動規範に規定された原則と要求を伝達し、遵守を監視するプロセス

参照

本行動規範の策定にあたっては以下の基準を参照しています。

PDFファイル

幅広い社外のステークホルダー向け通報窓口

EIZOグループは、2024年4月に一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)に正会員として加盟し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」において企業に求められる苦情処理メカニズムの整備を進めています。

EIZOグループは同指導原則に準拠したJaCERの「対話救済プラットフォーム」を通じて、グローバルサプライチェーンを含む社外の幅広いステークホルダーからの人権や責任ある企業行動全般に関する苦情・通報を受付けています。

苦情処理メカニズム(救済) (人権の尊重)

パートナーシップ構築宣言

当社は「パートナーシップ構築宣言」を公表し、サプライチェーン全体で付加価値向上に取り組むとともに、取引先や価値創造を図る事業者の皆様との連携・共存共栄を目指しています。