知的財産への取組み
当社従業員が創出する独自の技術や発想 –知的財産– は、新たな価値の創造と提案の原動力です。これら知的財産の積極的な権利化・ノウハウとしての保護・管理により、当社製品を真にユニークなものとし、付加価値を高めています。また、当社製品とサービスの品質が各国共通の商標で認知されることで、ブランド価値の更なる向上を目指します。
EIZOグループの保有特許数推移と商標権保有国
当社製品の主要販売国である日本、欧州、アメリカだけでなく、中国、インドなどの今後の製品販売拡大を見込む国々での特許・意匠権取得にも注力しており、グローバルな特許・意匠網の構築を目指しています。また、当社製品とサービスの品質がグローバルで一貫していることの証とするため、各国・地域で同一の社名・製品名を展開し、ブランド認知と価値の向上に努めています。模倣品の排除はもとより、グローバル展開されているお客様が、どの地においても安心して選ぶことのできるブランドとして、当社の持続的・安定的な成長にこれら知的財産権のカバレッジ拡大が寄与します。
グループ保有特許数推移(各年度3月31日現在)
※対象製品の市場規模、知財リスク、各地域での特許保有状況などから見直しを実施し、更新・継続要否を判断しています。
EIZO商標権保有国(2025年3月31日現在)
新たな価値の創造と提案のために
当社製品・ソリューションの差別化と新たな価値創造を支えるのは、部品性能を最大限に引き出し使いこなすノウハウや、企画・開発・製造の自社一貫体制が叶える独自の機能提案力、そしてそれを実現する技術力・デザイン力です。当社独自の機能や性能、それを支える技術・ノウハウ・デザインは、重要な知的財産として積極的に権利化・秘匿管理を行うことで模倣を抑止し、無用な競争を避けつつ、当社製品の独自性を保持し企業価値の向上に貢献しています。例えばRadiForceとColorEdgeにおいて表示輝度・階調特性・カラーバランスの高精度な安定化を実現する内蔵キャリブレーションセンサーは、狭いベゼルにセンサーを格納する構造、画面端部の測定から画面中央の特性を高精度に推定し補正する技術、視覚的ノイズを排除した筐体設計など、複数の独自技術により支えられています。
開発・設計から製造・サービスまでを自社で一貫して実施できる当社の強みは、知的財産創出の基盤でもあります。近年ではAI関連技術の開発・実装も進めており、2017年以降は関連特許の出願も強化しています。こうした知的財産の創出を促進し、権利化や秘匿管理のために、様々な施策を講じています。
特許・意匠創出の奨励
当社従業員の発明・創出を奨励・推進するために、職務発明などに関する報奨制度や、特に事業に貢献した知的財産の創出者に対する社内表彰制度を設け、運用しています。
特許・意匠創出と権利化・秘匿化
製品開発過程で創出された新たなコア技術やその周辺技術、新規デザインを漏れなく把握するために、特許・意匠調査及び出願審査を開発プロセスの中に組込んでいます。出願する技術・デザインを強力で事業に有益な特許・意匠権として成立させ、活用するために、出願対象の分野や特徴に応じて適切な出願国を選択し、最適な特許・意匠網の形成を行っています。特許出願等による公開が必ずしも当社の優位性に寄与しない、製品の品質・信頼性や生産合理性を高めるための品質管理手法・生産技術等についてはノウハウとして認定し、従業員の研鑽努力を評価しつつ、秘匿管理を徹底しています。
第三者の知的財産権の尊重
製品開発の初期段階で、新規採用予定の技術・ デザインを洗い出し、関連する第三者の特許権・ 意匠権の有無を確認しています。第三者の権利が確認された場合には、当該技術・デザインの採用見送りや使用許諾の取得など、第三者の権利の侵害を防ぐ最大限の注意を払っています。また標準規格・技術への対応において避けがたいオープンソースの採用に際しては、それらのポリシーに則った適正な利用・情報開示の手順を開発プロセスに組込み、関連コミュニティへの配慮を徹底しています。
自社知的財産権の保護
第三者が当社の知的財産権を侵害していることが判明した場合には、相手方に適切な対処を求め、自社知的財産権の保護を図ります。