社外取締役のメッセージ
3名の社外取締役に、当社の社外取締役としての取組みや、意見・提言、今後の抱負などを聞きました。
※統合報告書2025より
豊かな国際力を活かしたビジネスモデルをより強靭に
当社のビジネスについては、コア事業が進化して今の形が出来上がり、事業間のシナジーも一定の効果が出ており、全体のビジネスモデルとしては安定してきていると思います。既存事業の安定成長に加え、今後何をやっていくのか、何をやめていくのかをより活発に議論する、これからはそういう時期かと考えています。EVSのような当社技術の良いところを上手くつなぎ合わせたシステムの総合力を十分に発揮できる案件を、特にヘルスケアビジネスで増やすことができれば、付加価値の拡大につながり、面白い会社になるのではないかなと期待しています。
世界各国に張り巡らされた販売網は当社の大きな強みですが、各拠点が単独で動くだけではなく、拠点同士でシナジーをとりながらうまく進めている案件はどれだけあるのだろうかとも思っています。多くの会社では、例えば営業本部や地域別の統括拠点本部があり、そこでシナジーの確認ができますが、当社の組織構造ではその確認が難しいと感じていますので、今後、組織改革あるいは組織横断プロジェクトなどを通じてプラスアルファの成果を出せればいいなと考えています。ただ、当社の非常に豊かな国際力は、昨年のEIZO Unitedに参加して実感しました。各国のスタッフとの直接的な付き合いを活かしていけばますます大きな強みになりますし、彼らのEIZOブランドへのロイヤリティの高さは当社にとって大きな力になっていると思います。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については、この1年行ってきたROEに関する議論の中でも部分的に検討してきました。株価を意識した経営というのは、特に製造業では今まで議論できていなかったことだと思われ、製造業の目標や方針の中に株価という言葉をどのように入れていくかというのは当社に限らず他社においても大きな課題だと思われます。各社の事例を研究しながら、当社も今後議論を重ねていく必要があると思っています。
今後も当社事業の経営計画をさらに理解した上で、私自身の経験や知識をベースとして、特に事業ポートフォリオや投資回収等の観点でのアドバイスや、各国市場や個別ユーザーの特性に関するアドバイスを行う形で当社に貢献していきたいと考えています。
世界各国に張り巡らされた販売網は当社の大きな強みですが、各拠点が単独で動くだけではなく、拠点同士でシナジーをとりながらうまく進めている案件はどれだけあるのだろうかとも思っています。多くの会社では、例えば営業本部や地域別の統括拠点本部があり、そこでシナジーの確認ができますが、当社の組織構造ではその確認が難しいと感じていますので、今後、組織改革あるいは組織横断プロジェクトなどを通じてプラスアルファの成果を出せればいいなと考えています。ただ、当社の非常に豊かな国際力は、昨年のEIZO Unitedに参加して実感しました。各国のスタッフとの直接的な付き合いを活かしていけばますます大きな強みになりますし、彼らのEIZOブランドへのロイヤリティの高さは当社にとって大きな力になっていると思います。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については、この1年行ってきたROEに関する議論の中でも部分的に検討してきました。株価を意識した経営というのは、特に製造業では今まで議論できていなかったことだと思われ、製造業の目標や方針の中に株価という言葉をどのように入れていくかというのは当社に限らず他社においても大きな課題だと思われます。各社の事例を研究しながら、当社も今後議論を重ねていく必要があると思っています。
今後も当社事業の経営計画をさらに理解した上で、私自身の経験や知識をベースとして、特に事業ポートフォリオや投資回収等の観点でのアドバイスや、各国市場や個別ユーザーの特性に関するアドバイスを行う形で当社に貢献していきたいと考えています。
井上 亨
筆頭独立社外取締役
事業法人の経営者として長年にわたり事業運営、企画、経理の業務に携わり、豊富な経験と実績を有している。また、エレクトロニクス業界で長年培った幅広い見識を活かし、当社の企業価値向上に貢献している。
株価を意識した経営の実現に向けた議論は外に見える形で
株主提案が増えている最近の株主総会を踏まえると、上場会社が置かれた立場は近年相当変わってきていると感じます。現状の事業に問題がある場合は、早急にその打開策を講じて行動に移す準備を怠らないことが必要です。
経営の業務執行を監督する立場として、ビジネスモデルは会社や市場を深く理解する業務執行側が主体的に考え、構築していくべきものであると認識していますが、年度の業務運営計画や中期経営計画などでは、まだ柔らかい状態の段階から議論に加えてもらえれば、私の経験則を活かし、提言を行うことで、より良い方向性を導くことができるのではないかと思っています。
経営のコンプライアンス体制に対する意識は非常に高く、取組み姿勢には敬意すら感じていますが、人材の多様性やグローバル化が拡大する今日の状況においては、予測不能な事件が起こることを前提として、より高い未然防止意識を持つ必要があります。不祥事に対する体制整備強化、特に海外グループへの一層の目配りや牽制機能は最重要課題と考えています。
サステナビリティについては、しっかりとした対応組織を備え、マテリアリティの特定や個別目標の設定を行い、公表もしており、その内容も含めて上場会社としてふさわしいと思っています。目標が高すぎるのではと感じる項目もありますが、実績を見ると達成も不可能ではないのだろうと思います。女性の管理職、リーダー、経営層への登用もようやく具体的な道筋が見えてきたと思っていますが、いつまでにこうする目標で進めていますというロードマップは対外的に示すべきです。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関しては、各社が累進配当を導入する中で、当社は前年度に下限配当を導入し、市場に大きなインパクトを与えたと思います。今年度も引き続きROEやPBR向上に向けての具体策や目標設定、時間軸の議論を力強く提案していきたいと思っています。具体策であれ目標であれ、株主に見える形で進めることが大事だと考えています。
株主、特に機関投資家との対話の中では、金融・財務の観点での議論は非常に重要です。その意味でも、金融サイドに身を置いた私の知識や経験をこれからも生かし、当社の企業価値向上に貢献していければと思います。
経営の業務執行を監督する立場として、ビジネスモデルは会社や市場を深く理解する業務執行側が主体的に考え、構築していくべきものであると認識していますが、年度の業務運営計画や中期経営計画などでは、まだ柔らかい状態の段階から議論に加えてもらえれば、私の経験則を活かし、提言を行うことで、より良い方向性を導くことができるのではないかと思っています。
経営のコンプライアンス体制に対する意識は非常に高く、取組み姿勢には敬意すら感じていますが、人材の多様性やグローバル化が拡大する今日の状況においては、予測不能な事件が起こることを前提として、より高い未然防止意識を持つ必要があります。不祥事に対する体制整備強化、特に海外グループへの一層の目配りや牽制機能は最重要課題と考えています。
サステナビリティについては、しっかりとした対応組織を備え、マテリアリティの特定や個別目標の設定を行い、公表もしており、その内容も含めて上場会社としてふさわしいと思っています。目標が高すぎるのではと感じる項目もありますが、実績を見ると達成も不可能ではないのだろうと思います。女性の管理職、リーダー、経営層への登用もようやく具体的な道筋が見えてきたと思っていますが、いつまでにこうする目標で進めていますというロードマップは対外的に示すべきです。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関しては、各社が累進配当を導入する中で、当社は前年度に下限配当を導入し、市場に大きなインパクトを与えたと思います。今年度も引き続きROEやPBR向上に向けての具体策や目標設定、時間軸の議論を力強く提案していきたいと思っています。具体策であれ目標であれ、株主に見える形で進めることが大事だと考えています。
株主、特に機関投資家との対話の中では、金融・財務の観点での議論は非常に重要です。その意味でも、金融サイドに身を置いた私の知識や経験をこれからも生かし、当社の企業価値向上に貢献していければと思います。
滝野 弘二
独立社外取締役
金融機関でのマネジメントを経て、事業法人の経営に携わる。ステークホルダーの目線で幅広い観点から当社経営に有益な助言を行っている。
従業員に能力の限界を超えるようなチャレンジの機会を
色々な事業の説明を伺うと、まず初めにあるのは環境配慮や省エネで、これは当社が誇るべきアピールポイントであると思います。また、コーポレートガバナンスについても多方面で関係者と連携してしっかりと行っており、今後もこの努力を続けてほしいと思っています。
事業展開の一つに中東、インドへの進出があります。進んでも進んでも多くの困難にぶつかるチャレンジングな市場ですが、全員が同じ目標に向かっているということは素晴らしいことであり、私もジェトロで得たネットワークや知見で貢献したいと思っています。ただ、これまで一人の経営者に頼っていたということもあり、責任体制が不明確な部分もありますので、抜けのない責任体制を作っていくことも今後のグローバル展開においては不可欠かと思います。
当社は能力の高い従業員が多く、高みを目指して何事にもチャレンジする姿勢が磨かれており、そうした志の高い従業員によってこの会社は成り立っていると感じます。今は競争の激しい世の中ですから、会社のさらなる成長のためにも、当社は従業員に、能力の限界を超えるようなチャレンジの機会をもっと提供できるのではと思います。どのようなチャレンジの機会を与えるかという点については、私自身が当社で経験したように、全く異なる組織で全く分からない状態から一からやってみる、という経験は非常に大事だと思っており、人材育成戦略については、そのような観点でも今後議論していければと思います。
製造業という業界特性から、理系人材に女性の割合が少ないという側面はありますが、自分で決めて仕事をすることがいかに面白いかという管理職の醍醐味を一人でも多くの女性が味わうようになれば、当社における女性活躍は加速化するのではと考えています。女性活躍や障がい者雇用については数字の面では国の目標にまだ達していませんので、従業員一人ひとりのチャレンジによる今後の進化を期待しています。
日頃、大学で学生と接していると、ここ数年で若者の人生観、仕事観が非常に変わってきていることを実感しています。今後も若者・女性支援の視点からも取締役会で適宜お話しさせていただければと思っています。
事業展開の一つに中東、インドへの進出があります。進んでも進んでも多くの困難にぶつかるチャレンジングな市場ですが、全員が同じ目標に向かっているということは素晴らしいことであり、私もジェトロで得たネットワークや知見で貢献したいと思っています。ただ、これまで一人の経営者に頼っていたということもあり、責任体制が不明確な部分もありますので、抜けのない責任体制を作っていくことも今後のグローバル展開においては不可欠かと思います。
当社は能力の高い従業員が多く、高みを目指して何事にもチャレンジする姿勢が磨かれており、そうした志の高い従業員によってこの会社は成り立っていると感じます。今は競争の激しい世の中ですから、会社のさらなる成長のためにも、当社は従業員に、能力の限界を超えるようなチャレンジの機会をもっと提供できるのではと思います。どのようなチャレンジの機会を与えるかという点については、私自身が当社で経験したように、全く異なる組織で全く分からない状態から一からやってみる、という経験は非常に大事だと思っており、人材育成戦略については、そのような観点でも今後議論していければと思います。
製造業という業界特性から、理系人材に女性の割合が少ないという側面はありますが、自分で決めて仕事をすることがいかに面白いかという管理職の醍醐味を一人でも多くの女性が味わうようになれば、当社における女性活躍は加速化するのではと考えています。女性活躍や障がい者雇用については数字の面では国の目標にまだ達していませんので、従業員一人ひとりのチャレンジによる今後の進化を期待しています。
日頃、大学で学生と接していると、ここ数年で若者の人生観、仕事観が非常に変わってきていることを実感しています。今後も若者・女性支援の視点からも取締役会で適宜お話しさせていただければと思っています。
大砂 雅子
独立社外取締役
日本貿易振興機構(ジェトロ)に長年勤務し、現在は金沢工業大学の産学連携室の教授として幅広く活躍している。これらの豊富な経験と国際経済を中心とした高度な専門性を有していることから、取締役会の意思決定の適正性を確保するために、適切な助言・監督をしている。