人材育成
人材育成方針
「モノづくりの高度化・複雑化が進む中で、次のビジネスモデルを『創る』『支える』ことができる多様な人材の獲得と育成」を最優先課題として捉えており、EIZOマインドとともに、VUCAの時代に対応する柔軟な思考力・実践力を持った人材を確保・育成することを目指します。
EIZOマインドとは、「自由闊達で創造的に活躍できる企業文化」のもと、高い倫理観とグローバルマインドを持ちつつ、映像関連機器のトップランナーとして「世界で一番いいものをつくり、世界中のお客様にお届けする」という自信・プライドを表しています。脈々と受け継がれるこの「EIZOマインド」のさらなる醸成と共有を推し進め、今後、当社ビジネスをさらに大きく発展させることのできる人材の育成を進めます。
EIZOグループの組織力向上プロセス
EIZOグループ行動指針に掲げられているとおり、「自由闊達で創造的に活躍できる企業文化」は、従業員と会社がともに成長するための最も重要な要素であると考えています。役職や入社年次に関係なく、一人ひとりが生き生きと能力を発揮し、活発なコミュニケーションが交わされる風通しの良い職場環境の中で創造的に業務を遂行しています。また、人的資本に関するマテリアリティ(重要課題)とKPIを設定し、各種施策の実行とその効果の検証・分析を継続することで、求める人材の育成や職場環境の整備・改善、魅力ある組織づくりを推進しています。
第8次中期経営計画では、人事戦略を当社のビジネスモデルを支え、さらに深化させるための重要課題と位置づけ、経営戦略との連動を明確にしています。今後も、経営戦略と人事戦略を一体的に進めることで企業価値の向上を図り、映像を通じた豊かな未来社会の実現に向けて、映像技術のトップランナーとして人的資本への投資と取組みを加速していきます。
人事戦略概念図
次世代人材の獲得に向けて
社会が加速度的に変化する中で、これまで以上に多様な経験・背景を持つ人材を従業員として迎えています。EIZOの事業推進を担う次世代の人材を確保するために、多様なコンタクト方法を取り入れ、採用希望者とのコミュニケーションを行い、エンゲージメントの高い採用につなげています。
インターンシップの実施
EIZOグループ各社において幅広い職種で短期~長期のインターンシップを実施し、学生が就業体験を通じて業務内容や社風を深く理解できる機会を提供しています。これによりエンゲージメントの高い採用につなげるとともに、入社後のミスマッチを防止しています。なお、2024 年度は国内グループ会社で約15 回のインターンシップを実施し、約90 名の学生を受け入れました。
ジョブマッチング選考
内定時に初期配属職種を確約するジョブマッチング選考を行っています。面接の段階で応募者の希望職種に基づく選考を行うとともに、当社からも応募者の適性に応じた職種を提案することで、応募者と当社の双方にとって納得感のある採用・選考を実現しています。
多様な人材の採用
性別・国籍・障害の有無を問わず、また新卒から高度な専門スキルや豊富な経験を持つ人材まで幅広い人材の採用に積極的に取組んでおり、ジョブフェアへの参加やWeb会社説明会の自社開催などを通じて人材確保に努めています。
また、従業員が知人・友人を紹介できるリファラル採用制度や、様々な事情で自主退職した元従業員を再び迎え入れるアルムナイ採用など、募集経路の多様化を図ることで、当社との親和性が高く、多様なバックグラウンドを持つ人材の確保につなげています。
人材育成に資する教育機会の拡充
EIZOグループの次世代を担う人材を育成するため、社員教育に力を入れています。正社員・契約社員・派遣社員を問わずすべての従業員に対して、当社理解を促す全体研修に始まり、専門知識習得を目的とした部門内教育やOJT の実施やスキルアップにつながる社外研修の受講、社内セミナーの開催、資格取得援助などを行っています。
2025 年度は、社内研修を含む1 人当たりの教育投資額目標を50,000 円(2024 年度比137%)、教育時間目標を40 時間(同143%)と昨年度より引き上げ、ビジネスモデルをより強固にするための教育を活性化していきます。
教育体系図
次期管理職育成研修
将来管理職としての活躍が期待される従業員を対象に、「視座を高め、視点を多く持ち、視野を広げる」をコンセプトとした選抜型研修を実施しています。本研修は約1年間にわたり、経営陣とのコミュニケーションや社内外の講師による講義、実践的な課題を通じて部門及び会社全体の“ありたい姿”を多角的に考察することを目的としています。本研修を通じて、次世代のリーダーがより高い視座と広い視野を持ち、組織全体を牽引する力を育むことを目指しています。
昇格者向けスキルアップ研修
昇格した一般職社員を対象に、昇格後の等級に応じて求められる知識・技能・行動様式を習得することを目的とした集合研修を実施しています。例えば、入社3~4年目相当の等級では業務の質・効率を高めるための「タイムマネジメント」、入社7~8年目相当の等級ではリーダーシップ力の強化を目的とした「コーチング」や「後輩指導」などをテーマとしています。これらの研修で、各等級において必要とされるマインドセットやスキルを体系的に学ぶことができ、従業員の成長と組織力の向上を支援します。
デジタル教育
これまで開発部門を筆頭に一部の部門で業務のDX化を進めてきましたが、2024年度からは全社的なDX推進を強化しています。その一環として、全従業員が自身の業務効率を高められるよう、基礎から実践までを網羅したDXスキル習得のための教育プログラムに現在取り組んでいます。
外部教育機関と連携した教育・研修プログラムの開発・実施
石川県IT総合人材育成センターが主催し、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の教員が指導する「いしかわ技術経営(MOT)スクール」に参画し、次世代の中核人材育成に取組んでいます。毎年1~2名の従業員を派遣し、本研修を通じて、技術経営による改革を実践的に推進できる人材の育成を図るとともに、他企業の参加者との交流を通じて、社内に新たなイノベーションを創出することを期待しています。
自己啓発支援
EIZOグループでは積極的な自己啓発を推奨しており、業務上必要な資格はもちろんのこと、業務のスキルアップにつながる資格試験については受験費用を全額援助しています。また、特に業務への関連性の高い資格を取得した際には奨励金を別途支給することで、全社員が自律的にスキルアップする環境を整備しています。
人事評価制度
EIZOグループでは、社員個人の能力育成とキャリアアップおよび組織全体での成果の向上を図るため、目標管理制度を導入しています。社員は半年ごとの評価サイクルで期初に自身の目標を設定し、日々の業務を通じてその目標の達成を目指します。期末には自身の成果を振り返り、その目標達成度に応じて業績評価を受けます。この評価プロセスでは上司は部下に対して仕事に対するフィードバックやアドバイスを行い、社員のより一層の成長と高い成果の発揮を促しています。
グローバルマインドの醸成
グループ会社を世界各国に構える強みを活かし、以下の取組みによりEIZOマインドの根幹をなす「グローバルマインド」を醸成しています。
グループ内出向・海外拠点インターンシップ
グループ企業間で相互に、数年間にわたる技術者の派遣や、若手人材の短期研修などを通じた人的交流を積極的に行っています。これらの取組みにより、各国市場のニーズ把握や設計・開発ノウハウの共有を推進しています。また、異文化に触れ、相互理解を深めることで、グループ全体の一体感を醸成するとともに、グローバルな視点でビジネスマネジメントができる人材の育成を目指しています。2024年度には、日本からは5名の従業員がドイツ、スウェーデン、イギリスのグループ会社に派遣され、技術交流や現地顧客の訪問を実施しました。また、ドイツからは2名の従業員が日本でインターンシップを行い、技術交流やソフトウェア開発を行いました。
グローバルミーティングの開催
グループ全社及び販売代理店が日本に会する「EIZO United」を毎年実施し、社内技術展示会や大小の会議を通じて、当社事業の方向性や技術・製品への理解を深め、想いを共有し、一体感を高めています。また、初参加となる海外メンバーを中心に、生産工程の見学を行い、EIZO流のものづくりにおける精神・技術・自社一貫体制の強みについて共有することでグループ全体のEIZOマインドの底上げを図っています。さらに、若手からベテランまで各部門の従業員が自社技術・製品、生産活動、自部門の取組み等について対面で説明・意見交換を行う場を設けることで、グローバルなEIZOグループの一員としての意識醸成及び人材育成の機会としても活用しています。