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新領域への挑戦が自らとEIZOの次の一歩に
PROFILE ●大島航太郎(おおしま こうたろう) 映像技術開発部ファームウェア開発課。2017年入社。電気情報工学専攻修了。モットーは「学ぶこと、考えること、実践することをバランスよく」。 |
術野カメラのファームウェア開発に奮闘
EIZOといえば、「モニター」というイメージを持っている方も多いかもしれません。確かに、モニターは当社を代表する主力製品ですが、近年は映像の「表示」だけでなく、「撮影」から「記録・配信」を含めたソリューションを提供する「Visual Technology Company」へと進化を遂げています。
そんなEIZOにとって新たな領域となる分野に私も携わっています。現在、取り組んでいるのは術野カメラ。手術室の照明器具などに取り付け、開腹手術を真上から撮影するカメラです。私は、このカメラに多彩な機能を付加するためのファームウェア(組み込みソフトウェア)の開発を手がけています。
もちろん、術野カメラはただ単に映像を撮影できればいいというものではありません。カメラが捉えるのは、内臓や血液など赤みの強いものばかり。その上、強い照明が当たり、常に動き続けるメスが光を反射します。そんな特殊な状況下でも、被写体本来の色合いと明るさになるように映像を調整し、見たいところにぴたりとフォーカスを当て、医者の手技をいかに分かりやすく映し出すか――。EIZOブランドとしてより高みを目指し、知恵を絞っています。新たな領域だけに“挑戦”は常にキーワードです。これまでにない発想や知識が求められ、試行錯誤の毎日ですが、その分、やりがいも大きいですね。
行きつ戻りつを繰り返し、一歩ずつ
入社2年目の頃、忘れられない出来事がありました。当時、担当したのは、監視市場向けに新規開発していたDX0211-IPという製品です。コンパクトな機器の内部にはEIZOの最先端技術が結集され、多数の監視用カメラの映像をネットワーク経由で同時に映し出すことができます。そのファームウェアの開発を任されたのです。「自分で考え、口にしたアイデアがどんどん仕様に反映されていく」。製品開発に携わっていることを強く実感でき、大きな自信になりました。
一方で、新たなテーマと向き合う毎日は、うまくいくことばかりではありません。DX0211-IPの開発で、エンジニアとして自信をつけてから数カ月たった頃でした。「これくらいならば大丈夫だろう」と請け負った仕事が、ふたを開けてみると、到底自分一人で抱え切れるものではなかったのです。その時は先輩に助けてもらい、事なきを得ましたが、苦い教訓として胸に刻まれています。
行きつ戻りつを繰り返す毎日です。それでも、懸命に前を向き、もっともっとファームウェアに関するスキルを高めていきたい。そして、メーカーに入ったのだから、身につけた技術を生かし、一つでも多くの製品開発に携わるのが私の目標です。
[この内容は 2019年12月にインタビューしたものです]
大島航太郎への一問一答
Q. | 学生時代に打ち込んでいたことは何ですか。 |
A. | 研究です。知的障害のある子供たちが、コミュニケーション能力を高める訓練をする際に使う、訓練教材について研究していました。ARを活用して、楽しく遊びながらトレーニングできる方法を探っていました。 |
Q. | 社内にライバルはいますか。 |
A. | 同期ですね。みんないろいろな部署にいて、携わっている仕事は一人ひとり全く違います。ただ、大きな仕事を任されていたり、成果を上げていたりすると、「負けていられない」と意欲が湧いてきます。また、心の中ではこっそりと先輩社員もライバルだと思っています。「どこか一つでも勝ちたい」と考えているのですが・・・。なかなか難しいですね(笑)。 |
Q. | あなたのモットーは何ですか。 |
A. | 「学ぶこと、考えること、実践することをバランスよく」を、いつも心に留めています。まずは勉強し、覚えたことをかみ砕いて自分自身の仕事に置き換え、それを実践していく。このサイクルを大切にしています。 |