地球

社員インタビュー商品設計・開発[表示デバイス]/H.T.

H.T.

視認性と耐久性を高め、信頼を築く
オプティカルボンディングを追求する。

PROFILE

2017年 大学院理工学研究科物理学専攻を修了しEIZOに入社。表示デバイス開発課に配属

映像の根幹に携わる責任感をやりがいに

皆さんは「オプティカルボンディング」をご存知ですか。オプティカルボンディングとは、液晶パネルに樹脂素材でクリアパネルやタッチパネルを貼り合わせる技術です。パネル間のすき間を埋めることで、光の反射を最小限に抑え、映り込みをやわらげて視認性を高めたり、異物の侵入を防ぎ、物理的な耐久性を向上させたりすることができます。EIZOでは、この技術を生かしてパネルをカスタマイズし、医療や船舶、航空管制など特定市場の高度なニーズに応えています。
ただ、単にパネル同士を貼り付ければいいというわけではありません。樹脂を貼り付ける際の速度や圧力、粘着させる樹脂の種類など、ちょっとした違いで機能面は大きく変わります。このオプティカルボンディングの追求が私の仕事です。EIZO品質を実現するためにどうすればいいのか――。多岐にわたる条件を設定し、評価を繰り返しながら最適解を探っています。
オプティカルボンディングは専門メーカーに依頼することの多い技術ですが、EIZOでは高い水準を実現するために内製化しています。技術的な要求は高く、壁にぶつかることも少なくありません。何度も試作を重ね、ようやくたどり着いた最終評価試験で大きな問題が発生したこともありました。それでも、EIZOが誇るモニターの肝となるパネルに関わる重責を担えることは大きなやりがいです。製品化され、市場にリリースされた時の達成感が、挑戦を続ける毎日のエネルギーとなっています。

百戦錬磨の仲間とともに、より高い領域へ

もちろん、私一人だけで直面した課題を乗り越えてきたわけではありません。支えてくれる上司や先輩は百戦錬磨の方ばかりです。「ここについてはきちんと考えている?」。入社から7年目、さまざまな経験を重ねてきた今でも、相談した際には鋭い指摘を受けることが少なくなく、まだまだ知識を深めていかなければと感じています。毎日の積み重ねを通して、エキスパートとしての勘を研ぎ澄ましていきたいですね。
加えて、表示デバイスはいま、大きな転換期にあります。液晶だけでなく、有機ELディスプレイもどんどん登場していますし、圧倒的な表示性能が期待されているマイクロLEDディスプレイの技術開発も進んでいます。学会に足を運び、論文に目を通すなど、最先端の情報に触れながら、EIZOとして新しい技術領域にも挑戦していきたいと考えています。
就職活動中の学生の皆さんはこれから、社会に巣立ち、仕事に臨む中でいくつもの壁にぶつかると思います。そんな時、自分自身が興味ひかれる分野ならば、一歩前に進む気持ちがわき出してくるのではないでしょうか。私自身、学生時代からカメラや写真撮影が好きで、イメージング技術に関わるEIZOへの就職を決めました。「面白そう」。この素直な感覚も大切に、歩んでいく道を選んでほしいと思います。