社員インタビュー生産技術/Y.M.

試作から量産まで。生産プロセスを構築
創意工夫でよりよいものづくりを探究
PROFILE
2008年 入社。製造部生産技術課に勤務
2018年 アプリケーション開発課に異動
2020年 生産技術課に異動。現在に至る
日本・ドイツ・中国を結ぶプロジェクトを推進
「EIZO製品の試作から量産までの準備をすること」。大きくまとめると、これが私の仕事です。試作段階で作りにくく、不良率が高まることが見込まれれば開発部門にフィードバックして製品の再設計を行いますし、どのような生産工程を構築し、量産していくかも検討します。また、新規設備の設計、導入はもちろん、製造時に用いる治具を製作したり、製品に貼るラベルや封入する印刷物をつくるソフトウェアを自ら作ったりすることもあります。部品の納入から製品の梱包・出荷まで、生産技術部門は、とにかく製造にかかわることならば幅広くカバーしています。
海外での生産支援も担当しています。最近でいえば、ドイツで開発した製品を中国で量産するプロジェクトに携わりました。背景には、中国でのビジネスが拡大していく中で、ヘルスケアや航空管制市場向けを中心に現地での生産需要も年々高まっていることがあります。8カ月ほどかけて取り組んだのですが、正直、一筋縄ではいきませんでした。日本・ドイツから部品を輸出することも、多国間取引をまとめることも、これまで経験したことのない業務でしたから。それでも周囲の方にサポートしていただきながら、何とか課題を解決していくことができました。一方で、培ってきた生産現場の領域に関しては自信を持って臨むことができ、高品質・高効率な生産工程と国をまたいだトレーサビリティを構築することができました。
振り返ると、本当に中身の濃いプロジェクトでした。海外での生産もうまくスタートできたと思います。もちろん、それは自分一人の力ではありません。部門も国も越えた多くの人たちと力を合わせることで、自分のアイデアをかたちにすることができました。だからこそ、達成感も大きく、今までで一番、忘れられない仕事になりました。
AIなど先進技術の活用で一層の効率化を
胸を張れることばかりではありません。入社2年目、モニターを検査するソフトを作っていたのですが、製品の仕様をよく確認せずに進めてしまったのです。それによって、本来は触ってはならないデータまで書き換えてしまい、生産を一時、止めてしまったことがあります。ラインが動かせない分だけ、売上面での損失が出てしまいます。プログラムを修復するために、多くの人に迷惑もかけてしまいました。なぜ、よく確認しなかったのか――。当時は悔やみましたし、悩みもしました。
しかし、大切なことは、肩を落とすことではなく、前を向いて失敗を教訓に成長することです。以降は思い込みで判断せず、製品仕様を必ず確認するようにしています。そして、本番に近い環境でテストするなど、入念な準備も心がけています。ただ、生産の現場では、どれだけ準備をしても、実際に生産に移行することで新たな課題が見つかることも珍しくありません。そんなトラブルに備え、別の方法に即座に切り替えられるよう、シミュレーションしておくことも重要です。重ねてきた失敗一つひとつが、自分自身の糧になっていると実感しています。
これからも壁にぶつかることは何度もあると思います。むしろ増えるかも。なぜなら、新たな生産システムの構築に向けた挑戦を考えているからです。EIZOでは、DXという言葉がなかったころから自動化やデジタル化に取り組んできました。ですが、10数年と時間が経過する中で技術は格段に進化し、“今”に合わせた仕組みを新たに築いていく必要があります。AIなど先進技術の積極的な活用を進め、さらなる効率化に全力を傾けていきます。