雑誌掲載記事

イラストレーター ざいんが試す「印刷の色を想定できるディスプレイ環境」

月刊「MdN」2015年11月号から転載

イラストレーター ざいんが試す「印刷の色を想定できるディスプレイ環境」ColorEdge CS240-CNX3

ざいんさんColorEdge CS240-CNX3を使い、ディスプレイで印刷結果のシミュレーションを体験

ざいんさんは装画やCDジャケットなどで活躍する、今注目のイラストレーター。彼女の作品の特徴は鮮やかな紫や緑の色味だが、印刷物になった作品の色は、作業時にディスプレイで見ていたものと印象が異なることも多いという。そこで今回はEIZOの「ColorEdge CS240-CNX3」を使い、ディスプレイで印刷結果のシミュレーションを体験していただいた。

 現在、ざいんさんが使用しているのは、24インチのディスプレイ一体型PCと13インチの液晶ペンタブレット。この制作環境で、装画やCDジャケットイラストなどの仕事に加え、同人誌への参加や作品集の刊行、Webサイトでの発表など、多岐にわたる活動を行っている。
 そんな彼女が印刷の際に気にかかっていたのが「ディスプレイで見ていたときの色」と「実際に刷り上がったときの色」の落差だ。
「悩むというより、もう、しょうがないなとあきらめている状態ですね」
 ざいんさんに限らず、これは多くのイラストレーターが感じていることだろう。だが、こうしたギャップをある程度解消する方法がある。カラーマネジメント対応の高機能ディスプレイでキャリブレーションという表示調整を行い、画面上で印刷をシミュレートしてみるのだ。

高機能なエントリーモデルを使う

 キャリブレーションを高い精度で行うには、専用のディスプレイと測色器が必要不可欠。そこで今回、ざいんさんにはEIZOの「ColorEdge CS240-CNX3」を試用してもらった。これは、この夏に発売されたばかりのエントリーモデルで、カラーマネジメント液晶ディスプレイにキャリブレーション用のソフトと測色センサーがセットになったもの。

ColorNavigator 6を立ち上げ、測色センサー「EX3」を画面に当てているところ   ●ColorNavigator 6を立ち上げ、測色センサー「EX3」を画面に当てているところ。ざいんさんはキャリブレーションを行うのは初めてとのことだが、専用ソフトとセンサーが付属しているため「心理的なハードルはかなり下がります」と言う


 ディスプレイはAdobe RGBカバー率99%と広色域。また、IPSパネル(ノングレア)を採用しており、ななめの方向から見ても白飛びや色変化がなく、表面がぎらつかない仕様だ。
 気になる価格は11万円強。性能の高さとは裏腹に、エントリーモデルらしくひかえめな価格設定がうれしい。ざいんさんもこの価格は意外だったそうで「けっこう手頃な価格なんですね。20万円前後かなと予想していましたが、その価格帯なら手が届きそうです」と語る。
 まずは、ざいんさんにご自身で制作したイラストを表示してもらった。
「ああ、これはいいですね! 色味がとてもあざやかで。広色域ディスプレイがこんなにすごいものとは知りませんでした。なめらかな階調もきちんと出ているし、そんなにまぶしくないところも魅力的です。長時間、画面に向き合っていると、どうしても目が疲れてしまうので」

ディスプレイで仕上がりをイメージ

 続いて、ざいんさんには実際にカラーキャリブレーションを体験してもらった。ちなみにざいんさん、キャリブレーションにはどんなイメージを持っていただろうか。
「興味はあるけれど、設定がややこしそうだなという印象をもっていて、結局、手つかずの状態です……」
 これもまた、ざいんさんだけの感想ではないだろう。しかし今回のColorEdge CS240-CNX3の場合、前述したようにソフトとセンサーが同梱されているうえ、操作も拍子抜けするほど簡単だ。専用ソフトのColorNavigator 6に従えば数分で終了。PhotoshopでRGBの原画データを表示し、表示メニュー→ “校正設定” → “作業用CMYK” でJapan Color 2001 CoatedのCMYKプロファイルを当て、実際に印刷したものと見比べてみると……。
「すごい! 色味がほとんど一緒です!」
 見事にディスプレイ上の作品と実際の印刷物の色が近い印象となった。
「印刷したときの印象がこんな風に再現できるなんて。なんとなく気にはなってはいたものの、驚きました」
 

印刷物と比べているところ   ●キャリブレーション後のディスプレイで作品集『ストレンジャーズ・ピンク』のRGBの原画イラストをPhotoshopで表示し、表示メニュー→ “校正設定” → “作業用CMYK” でJapan Color 2001 CoatedのCMYKプロファイルを当てて適用。それを印刷物と比べているところ。結果、非常に近い印象になった

 

 なお、ディスプレイは経時変化で気づかないうちに色が変わってしまうため、1ヶ月に1度はカラーキャリブレーションを行うのが理想的。ここまで操作が簡単ならば、毎月行うのも苦にはならないだろう。
 今やデジタルペインティングはあたりまえの時代。ColorEdge CS240-CNX3のような高機能ディスプレイは、描画ソフトと同様、この先、イラストレーター必須の“画材” として、活躍するだろう。

ざいん

イラストレーター。書籍の装画を中心に、CDジャケットや広告、グッズイラストなどで活躍。最近の仕事に、「真・女神転生 明ケナイ夜カラノ脱出」CDジャケット、リコーWebサイト「西暦2036年を想像してみた FORWARD THINKING IMAGINATION」など。
url. 777nnn.jugem.jp/

「戦国スナイパー 信長との遭遇篇/柳内たくみ」装画/I:ざいん/2013/講談社   「西暦2036年を想像してみたFORWARD THINKING IMAGINATION」Webサイトイラスト/I:ざいん/2014/リコー
   
  (左)「戦国スナイパー 信長との遭遇篇/柳内たくみ」装画/I:ざいん/2013/講談社、(右)「西暦2036年を想像してみたFORWARD THINKING IMAGINATION」Webサイトイラスト/I:ざいん/2014/リコー

 

ColorEdge CS240-CNX3

ColorEdge CS240-CNX3  

高機能ディスプレイの新定番
24.1型カラーマネージメント液晶ディスプレイに専用ソフトのColorNavigator 6と測色センサーが付属したモデル。ディスプレイのAdobe RGBカバー率は99%。ハードウェアキャリブレーションに対応し、用途に合わせた画面表示が可能。

SPEC
サイズ:24.1型/推奨解像度:1,920×1,200/表示領域:518.4×324mm/入力端子:DisplayPort×1、DVI-I 29ピン×1、HDMI×1/


同じ24.1型の後継機種CS2420-Zページはこちら
専用ソフトは最新バージョン「ColorNavigator 7」をご用意しています。
 








 

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