大分赤十字病院の放射線科では、3名の常勤医が在籍し、画像診断、IVR(Interventional Radiology)、放射線治療の業務に携わっています。その画像診断を行っている読影室で、EIZOの読影室向け間接照明RadiLightの試作品を、2015年の4月から約1年間試用してもらい、改良点を提案いただきました。
今回、EIZO株式会社フューチャテクノロジ課の斉藤とモジュラ開発課の今井が、RadiLightの使用効果について、放射線科 髙木部長、島田副部長、徳山先生にお話を伺いました。
斉藤:読影室向け間接照明RadiLightは、暗い読影環境で高輝度モニターを見続けた際の疲れ目を軽減するため開発をスタートしました。開発初期の試作品を使われてみてどうでしたか? 髙木部長:一週間ぐらい使用しましたが、最初は明るすぎる印象がありました。 斉藤:先生方のアンケートに「明るすぎて使えない」という回答があったので、次の試作品は調光機能を付加しました。使用してみてどうでしたか? 髙木部長:初期状態は、まだ明るすぎて部屋を暗くした理由がないというぐらい光が目に入ってきましたが、調光機能で暗めに調整することで違和感はなくなりました。 |
何度も改良を重ねた試作品 |
斉藤:次に、「手元も明るくしたい」と要望があり、手元照明を取り入れましたが、どうでしたか? 島田副部長:手元照明のアームの長さが、キーボードを照らすぐらいしかなく、書類やメモの文字を読むには短いと感じました。 今井:そこで、アームを約10cm長くし、長期使用でアームが垂れてこないように強度も改良しました。アーム部の外装には光沢のない素材を採用することで、モニター画面の光がアームに反射して読影の妨げにならないように配慮しました。さらに、手元照明部分に取付けた操作ボタンの配置や形状も、暗い室内においても手探りで操作できるように、工夫を凝らしました。 |
髙木部長:完成品の操作ボタンは非常に使いやすくなりましたね。手元照明の向きが調整できる点も良いです。 今井:一番の改良点は、背面の間接照明の色合いです。試作品は、読影するモニター画面の色温度に近い色のLEDを搭載していましたが、白い壁に反射することで赤っぽい光となり違和感が目立ったため、完成品では自然な色合いのLEDに変更しました。 |
髙木部長:試作品から完成品に取り換えた瞬間に、非常にいいなあと思いました。照明の色味、気に入っています。
斉藤:他科の方は、どのような感想でしたか?
髙木部長:初めて目にして驚いていました。「かっこいいですね」という言葉ももらいました。間接照明があった方が、読影室の雰囲気は良いですね。
RadiLightを点灯した読影室の様子
疲れ目への意識の変化
斉藤:RadiLightをしばらく使用してみて、眼の疲労感は以前と比べてどうでしょうか?
徳山先生:疲労感は比較できませんが、背面照明を消して読影しようとはもう思わないですね。背面照明を消すと、モニター画面が非常にまぶしく感じます。
髙木部長:疲労感を測ることは難しいですが、落ち着く感じがしますね。
徳山先生:背面照明があった方が目は疲れないと思います。
今井:疲労感の軽減に加え、環境光を確保しつつ、モニター画面への天井灯の映り込みを抑えることも、間接照明RadiLightを開発する目的の一つでした。
髙木部長:映り込みは確かに気にならないですね。状況に応じて、背面照明の明るさを各自で調光できますしね。
今井:今後、背面照明を消して読影しようと思いますか?
髙木部長、島田副部長、徳山先生:それは思わないですね!
斉藤:より使いやすい製品へと今後も改良に取り組んでいきますので、ご意見などありましたらいつでもお聞かせください。本日はありがとうございました。
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導入製品
液晶モニターRadiForceの背面に |