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ヘルスケア

公益財団法人結核予防会 複十字病院 様

EIZOの高精細カラーモニターと品質管理ソフトウェアが最適な画像診断環境をつくる

 2022年10月、複十字病院に読影用として、EIZOのモニターRadiForce RX1270が3台、RX660が6台、GX560が4台、RX370が82台、RX360-ARが12台、さらにネットワーク型モニター品質管理ソフトウェア RadiNET Proが導入されました。導入までの経緯と、モニターの使用感について、放射線診療部の黒﨑 敦子部長と、診療放射線技師の宇津木 康之技師長、坂田 和也主任技師に伺いました。

複十字病院

  放射線技術科主任技師
坂田 和也
  放射線診療部長 
黒﨑 敦子
  放射線技術科技師長 
宇津木 康之
 

 

外来や入院病棟でも同じ環境で画像診断ができるよう
3メガピクセル以上のモニターで統一

 当院は呼吸器疾患の専門病院で、かつ肺がん・大腸がん・乳がんの東京都診療連携協力病院でもあります。病床は約330床、常勤医は約50名で、呼吸器科医は内科(結核)、外科合わせて30名弱、画像診断専門医は3名が在籍しています。「がん」を始めとする結節性病変、炎症性疾患、びまん性肺疾患など微細な病変の評価が必要な呼吸器領域の診断・治療には、画像が非常に重要です。読影室、外来、病棟、カンファレンスルームで参照するモニターの画質は最高レベルが求められています。院内全体に最適な画像診断環境を提供するために、関連ガイドラインを参考にして、すべての画像診断モニターを表示解像度3メガピクセル(以下MP)以上にすることとしました。

 また、当院は結核予防会を母体として発足しており、結核予防会の系列施設(新山手病院(東村山市)、総合健診推進センター(千代田区))で使用されているモニターと「品質管理における標準化」を図る意味でも、画像診断を行うモニターはすべて3MP以上への統一を進めています。

複十字病院

※ 関連ガイドライン

  • 基安労発0926第1号通達(「じん肺標準エックス線写真集」(平成23年3月)フィルム版及び電子媒体版の取扱いについて)の別添「じん肺標準エックス線写真集」電子媒体版について)
  • 胸部エックス線健診判定マニュアル(日本人間ドック協会)

 

画像診断に必須となった高精細「カラー」モニター

 画像診断にモノクロモニターを使用していた時は、色の情報を表現できないためリストやサムネイル上に画像属性を「〇△□」などで分類していましたが、カラーモニターでは「色」で分類できるため、関心情報を素早く選択できるなど、読影における画像の視認性・効率が向上しました。

 また当院では、胸部単純写真やCTでAI読影支援ツール、CTで3Dワークステーションを導入しています。AI読影支援ツールで、CTでは臓器セグメンテーション(臓器構造を自動抽出)した結果や、病変部ROIや距離・体積などの計測結果がカラーで表示されたり、単純写真では結節、浸潤影、気胸などの病変部がカラーでマーキング表示されます。3Dワークステーションでもカラー表示が基本となるため、当院の画像診断において高精細「カラー」モニターは必須になっています。

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臓器セグメンテーションのカラー表示

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病変部のカラーマーキング

 

鮮鋭度が向上し、ストレスなく読影

 これまで2MP高精細カラーモニター2面で画像診断を行っていた読影室には、今回のシステム更新で6MP高精細カラーモニター1面を導入しました。モニター1面運用により、モニター中央にフレームがなくなり、読影中のストレスがありません。さらに、解像度が高くなったこと、画素ピッチが細かくなったことで、以前より画像の鮮鋭度と精細感が飛躍的に向上しています。

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100台以上のモニターを「楽しく」品質管理

 私たち放射線技師は、以前フィルム運用していた時と同様に、モニターに表示される画像で、医師が正確な診断をできるよう撮影技術を向上させること以外にもさまざまな取組みをしています。

 例えば画像診断にフィルムを使用していた頃は、フィルムを見る際に用いる「シャウカステン」の明るさを照度計で測定し、必要に応じて光源の蛍光管を交換する作業を実施していました。現在は、モニターで画像診断をしますので、画像がモニター上で最適な状態で表示されるように、日本画像医療システム工業会が制定した「JESRA X-0093*B-2017(医用画像表示用モニタの品質管理に関するガイドライン)」にもとづき、モニターの品質管理を実施しています。

 当院には100台以上の高精細モニターがあり、半年に1度のペースで、院内すべてのモニターを点検するのが大変でした。そこで今回のモニター更新では、モニター点検を簡便にできるソリューションを探していました。EIZO社以外にもモニターを集中管理できるソリューションはありましたが、EIZOのネットワーク品質管理ソフトウェア RadiNET Proの使い勝手が良かったこと、モニターの使用時間を低減するBacklight Saver機能など経年変化への工夫がされていること、モニター内蔵のIFSキャリブレーションセンサー(Integrated Front Sensorの略)で、簡単にモニターの品質管理ができることなどを考慮し、EIZOを選択しました。

複十字病院

全モニターの状態や使用時間を一覧で出力して今後の運用を検討

 今回導入したEIZOの医用画像表示モニターRadiForce RX1270、RX660、GX560、RX370、RX360はすべてIFSキャリブレーションセンサーを内蔵しています。それらRadiForceモニターとRadiNET Proのおかげで、100台以上のモニターの輝度、階調測定などのモニター品質管理を、正確に効率よく実施できるため、毎月「楽しく」品質管理を行っています。

 

当社への要望があれば、お聞かせください。

 以前よりモニターは薄くなっていますが、デスクスペース有効利用の観点から更にモニターの薄型化に取組んでいただけたらと思います。モニターが薄くなることで、モニター手前に、作業スペースを確保することができます。

 

公益財団法人結核予防会 複十字病院
〒204-8522
東京都清瀬市松山3-1-24
https://www.fukujuji.org/

複十字病院

 

導入製品

本事例の内容は取材当時のものであり、閲覧時点で変更されている可能性があります。ご了承ください。


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