導入製品:
「お客さまの乗降をはっきり確認できて、心強い。」
スクエアモニターに続いてAHD対応のワイドモニターでもEIZOを選択
2019年、東急電鉄の列車乗降監視用モニターに、EIZOの鉄道向けモニター「DuraVision FDF2123W」が採用されました。各ホームにFDF2123Wが縦表示で4台、ハウジングに設置され、ホーム内に設置したカメラ映像を表示しています。乗務員がお客さまの乗降を確認し、安全に車両を閉扉するために使われています。
この度、機器選定ご担当者に加え、実際にFDF2123Wで乗降確認をする運用者に、選定理由や導入後の使用感を伺いました。
■お話を伺ったご担当者
<選定ご担当者> 鉄道事業本部 電気部 設備保全課 ネットワーク駅設備区 石井 友和氏 |
<運用者> 鉄道事業本部 運輸部 運転課 主事 土屋 聖明氏 |
列車乗降監視用モニターとして求められる要件はどのようなものがありますか?
列車乗降監視モニターはお客さまに安全に乗降をしていただくための設備であり、まず「壊れないこと」が大切です。加えて、運用者が見やすいように「高画質であること」「大画面であること」も必要とされます。またホーム上では、条件によってカメラに陽が直接入り込んでしまうこともあります。そのため、「西日などが画面に入り込んでも白飛びしないこと」も併せて要求されます。
これまでは、列車乗降監視用モニターにスクエアモニターを採用されておりましたが、今回採用のFDF2123Wはワイドモニターで、
かつ縦表示で運用されています。運用を移行された経緯や、そのメリットを教えてください。
以前はアナログのカメラを使っていたのですが、カメラをHDに対応させるにあたって従来の4:3のスクエアモニターでは対応できないケースが多かったため、同じタイミングでモニターも16:9のワイド映像を表示できる製品へ入替えしていくことになりました。
また、最近は各駅へのホームドア設置も進んでいるほか、エレベーターの整備によりベビーカーや車椅子ご利用のお客さまが増えていることもあり、安全確認をするうえで見るべきポイントも増え、閉扉操作には高度な技術が求められています。乗務員が安全確認をするために必要なエリアを考えていくと、横置きでは不要な部分が多く映りますが、縦置きであれば、お客さまの乗降部分をクローズアップした表示ができますので、メリットが高いと判断しました。
FDF2123Wが縦表示で4台、ハウジングに設置された様子
・BNC入力対応の15型スクエアモニター「DuraVision FDX1513」の導入事例はこちら
FDF2123Wでの運用を始められたところですが、使用いただいた感想をお聞かせください。
また、モニターを変更したことで効果を実感された事例などありましたら教えてください。
まず一番に驚いたことは、ホーム上に設置されている黄色い点字ブロックの色が実物と同じだったことです。これまでの他社モニターでは、赤みがあったり色が薄かったりなど、黄色の色合いが出づらかったのですが、FDF2123Wはそのままの色が出ています。
乗務員は、移動に制約のあるお客さまがいらっしゃった場合、杖の挟み込みなどがないよう閉扉操作は通常以上に慎重に行わなければなりません。杖は細く、また白杖はホームドア自体の色と近いため、モニター上では色が同化して判断がしづらくなることがあったのですが、今回のFDF2123Wでは、はっきりと白杖を確認することができ視認性が向上したことは、乗務員にとって非常に心強いです。
最後に、今後のEIZOモニターソリューションに求めることを教えてください。
現状はモニターを収納するハウジングのサイズと、ホームの建築限界の兼ね合いで、大きいモニターを置けないことがあるのですが、モニター側で防塵・防水に対応させ、屋外駅でもハウジング無しで設置ができるといいですね。
また、モニター側でカメラの色合いの違いを吸収し、カメラによらず同じ色合いで映像が表示できるようになるとよいと思います。現在2種類のカメラを使っているのですが、カメラによって色合いが違うため、複数設置時はカメラを揃えないといけません。これがモニター側の色味調整で対応できると、種類の混在や予備品の管理も楽になりますので、ぜひ次世代の製品で搭載していただきたいです。
導入事例をPDFでもダウンロードいただけます。
東急電鉄株式会社様FDF2123W導入事例 [PDF]
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