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産業用途

東日本電信電話株式会社 様

東日本電信電話株式会社

自社画像診断システムにEIZOの画像鮮明化ソフトウェアを導入、
不鮮明画像の約5割が視認可能となり、技術者の現地点検を抑制

 

東日本電信電話株式会社

 NTT東日本では、自社で有する電柱やマンホールなどの膨大な通信インフラ設備を、最先端技術を用いて、より効率的に点検・保守する「スマートメンテナンス」を推進しています。スマートメンテナンスにおいて同社が活用している「画像診断システム」に、当社の『画像鮮明化ソフトウェア』および『27型4Kモニター』が採用されています。

NTT東日本のスマートメンテナンスの詳細はこちら(東日本電信電話株式会社Webサイトへ)

 

 NTT東日本のシステム導入ご担当者に画像診断システムの詳細や運用上の課題、そして当社の画像鮮明化ソフトウェアの導入効果を伺いました。

アクセス運営部門 黒羽 隆司 氏
株式会社NTT東日本-南関東
アクセスオペレーションセンタ アクセス運営部門 黒羽 隆司 氏

貴社が推進するスマートメンテナンス、またその中で用いられる画像診断システムについて教えてください。

 高解像度カメラ搭載車両当社には東日本全域に面的に張り巡らせた膨大な通信インフラ設備を維持し地域の安全・安心を守っていく責務があります。これまで技術者が現地点検により行っていた安全性確認について、高解像度カメラ搭載車両(右写真)で撮影した画像をもとに当オペレーションセンタで一元的な遠隔診断を行うためのオペレーションシステムが画像診断システムです。
 当社ではAI診断を導入し、AIと人による診断を組み合わせたオペレーションを確立し、集中診断業務に取組んでいます。

 オペレータが現地状況を正確に診断するためにも、高解像度かつ正確に色の識別を行えるEIZOの4Kモニターを選びました。そして診断業務時には、複数のウィンドウを開いた状態で画像診断を行うため、診断効率向上を目的にマルチモニターで導入しています。

 

オペレーションセンタ オペレーションセンタ
EIZOの27型4Kモニター FlexScan EV2785をアームで4面並べて使用している同社オペレーションセンタ

当社の画像鮮明化ソフトウェアを導入するきっかけとなった、画像診断システム導入時の課題について詳しくお聞かせください。

 遠隔診断を行うための画像は屋外で撮影するため、太陽光の影響を多く受けます。逆光や夕暮れ・曇天時の光量不足により、遠隔診断が困難となる不鮮明画像が一定数発生していました。不鮮明画像により診断ができない場合には、技術者による現地点検を行う必要があるため、この不鮮明画像を解消することが大きな課題でした。

不鮮明画像例
不鮮明画像例
鮮明化処理後の画像
鮮明化処理後の画像


 EIZOの画像鮮明化ソフトウェアの導入により、不鮮明画像の約5割が視認可能となり、技術者の現地点検の抑制に繋がりました。
 

画像鮮明化ソフトウェア導入の決め手や導入効果を教えてください。

1.技術の正確性が確認できた

画像鮮明化技術により処理された画像が現地の設備状態と相違ないかを、相当数の電柱で確認した結果、ほぼすべての電柱について画像と設備状態が一致し、技術の正確性が確認できました。併せて、正確な色表示ができるEIZOモニターを導入していたことも効果的に働きました。

2.対象設備(被写体)と不鮮明状況に応じたカスタマイズができる

EIZOの画像鮮明化技術は画像の周波数成分ごとに異なる画像処理フィルターを適用できる仕組みになっています。診断する設備の種類や撮影環境に応じた代表的な不鮮明画像を設定し、専用のプロファイルを複数準備いただきました。これにより多くの不鮮明画像を鮮明化することができました。

3.既存のシステムとスムーズに連携できる

当社の画像診断システムとEIZOの画像鮮明化ソフトウェアの接続は、EIZOがカスタマイズ提供したブリッジソフトウェアにより、スムーズに連携できました。

4.高速で画像処理が可能

画像鮮明化ソフトウェアは、GPUを搭載した高性能ワークステーション1台ずつにインストールしています。不鮮明画像が見つかった際、ローカルPCにダウンロードしてGPUを用いた高速画像処理が可能で、オペレータの作業を止めることがありません。

 

EIZOの画像鮮明化ソフトウェア

 当社の画像鮮明化ソフトウェアは、見えにくい・判別しにくい動画や静止画ファイルから補正すべき情報を割り出し、EIZO独自の処理を行い、見えやすく・判別しやすく鮮明化するWindowsベースのソフトウェアです。
JPGをはじめさまざまなフォーマットに対応し、お客様の環境でGPUを用いた高速画像処理が可能です。正確な色表示ができるEIZOモニターと組み合わせることで、より正確な画像診断環境を構築できます。
画像鮮明化ソフトウェア 

 

画像鮮明化技術の採用検討から、納品後の現状に至るまでの当社対応・品質について教えてください。

 EIZOとは、不鮮明画像の課題解決に際して、解決するまで3年間にわたって共に取組みました。当初、EIZOのハードウェア版の画像鮮明化システム(DuraVision EVS1VX)を評価し、その画像処理効果で不鮮明画像の課題を解決できることを確認しましたが、モニター上でしか鮮明化できないこと、高解像度の画像そのものに対して画像処理を適用することができないことが課題でした。EIZOはこの課題を自社製品であるファイルコンバートソフトウェアにEVS1VXの画像鮮明化技術を搭載することで解決し、現状の診断手順を変えることなく利用できるように対応いただけました。

 2022年9月の画像鮮明化ソフトウェア導入から約1年経ちましたが、システム不具合等もなく使用できており、業務の効率化やオペレータの負担軽減が実現できています。

今後、当社の映像技術に期待することを教えてください。

 当センタの業務では、画像のみで診断を行っていますので、映像技術の知見から正確に現地状況を把握できるように画像処理による視認性の更なる向上等、診断不可となる不鮮明画像の解消についても引き続きサポートを期待しています。また、長時間の画像診断業務においては、集中して診断するために目や首が疲れやすいといった声があります。オペレータがより疲れにくく、かつ生産性向上を支援していただける高精細モニターの提供に今後も期待しています。

 

■ご協力
東日本電信電話株式会社
ホームページ:https://www.ntt-east.co.jp/


 

導入製品

本事例の内容は取材当時のものであり、閲覧時点で変更されている可能性があります。ご了承ください。


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