「CATCHER」
今回、当社イラストコンテストのメインビジュアルを作画いただきました。
テーマは「非日常」でしたが、どんなお気持ち、もしくはお心がけで作画されましたか?
「非日常」をつくるために、まずフォーカスする「日常」を決めました。今回は「重力」をテーマとして、それを効果的に裏切るシチュエーションを考え、「ゲームセンター」をロケーションとしました。
気合が入りすぎていつものお仕事のイラストより倍近い時間をかけてしまったのですが、その分いろいろな挑戦ができて、苦しくも楽しい制作になりました。
イラストを描くうえでこだわっていることはありますか?
テーマに即したシチュエーションと画面に映るあらゆる対象のデザインを通して、現実とは少しだけずれた座標にいることを感じさせるイラストを目指しています。
「無題」
今回制作したメインビジュアルはかなり情報量の多い画面になったので、明度や色の使い方、細かいオブジェクトの配置を試行錯誤して、できる限り伝えるべき情報を整理することに努めました。
普段イラスト制作に使用しているツールを教えてください。
主にCLIP STUDIO PAINTで制作して、Photoshopで仕上げをします。3D関連にはBlenderを使っています。
今回作画にあたり試用いただきましたColorEdge CS2740の使い心地はどうでしたか?
sRGB~Adobe RGBの色域を十全に表示してくれることは、イラスト作業にとってはありがたいというよりも無くては困るもので、CS2740はそれをしっかりと実現する頼れる仕事道具だと思いました。また、27型の大画面かつ4K高解像度を持つので大量の資料を表示しておくのに役立ちますし、周辺機器の接続などに使うUSB端子が多いのも嬉しいです。
れおえん氏の仕事場(上:CS2740、下:ワコム液晶ペンタブレット)
今回、ColorEdgeの専用ソフト(ColorNavigator 7)を使用してキャリブレーションに挑戦いただきましたが、その感想を教えてください。
普段使っている他社製のキャリブレーションセンサーに比べて、キャリブレーションの手順がとてもシンプルに設計されている点が良かったです。
目標の色域や媒体に応じてプロファイルをいくつも作っておいて、気軽に切替えられるのも非常に便利だと思いました。
趣味の制作や多くの場合のお仕事の範疇において、モニターの色を信頼して作業ができることは非常に大切で、同じブランドでサポートされたモニターとキャリブレーションセンサーで揃えることはそれに最も近づけるプランだと思います。こういった選択肢が用意されているということにとても高い価値を感じました。
キャリブレーションとは
モニターをキャリブレーションセンサーで測定し、目標値に沿って画面表示されるよう表示調整を行うこと。液晶モニターは使い続けると明るさや色味が経時変化するため、定期的な表示調整が必要になります。
ColorEdge専用のソフトウェアColorNavigator 7 でのキャリブレーションは、パソコンの出力信号を触らずに、直接モニターの表示を調整する「ハードウェア・キャリブレーション」です。データそのものの階調を犠牲にすることなく、より短時間で精度の高い調整ができます。
キャリブレーションが必要な理由はこちら
「ハードウェア・キャリブレーション」と「ソフトウェア・キャリブレーション」の違いはこちら
イラストを描いている中で一番楽しい瞬間はいつですか?
完成度80%~90%の間です。そこまでの作業が実りつつあることが実感でき、最後に行う自分で自分にOKを出すための先の見えない微調整に差し掛かる前の、苦しみに対する楽しさの比率が最も高まる時間です。
「Σκουριά」
イラストレーターを目指す人に向けてのメッセージ
お絵かきの上達には、あらゆる瞬間「考えることをサボらない」ことが何よりも大切だと思っています。置く色、線、描きたいシチュエーションやデザインでも何でも、常に「これがいいからこれにしている」状態を目指してお絵かきを続けると表現力を磨けるはずです。そしてその判断の根拠を用意するために、世に出ているたくさんの作品や自分自身の経験を通して、インプットを積み重ねていくことが必要になります。
そのうえで、たくさんの人が共感できる題材や流行に目を向けて、それを吸収・表現できる人がイラストレーターになれます。自分のことも他人のことも大切にして、お互いお絵描き頑張りましょう。
「形見」
れおえん氏 略歴
1996年生まれのイラストレーター。 |