ニュースリリース

無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」において船舶が多数行き交う海域での世界初の無人運航実証実験に成功

2022年3月29日
 

 EIZO株式会社(本社:石川県白山市、代表取締役社長:実盛 祥隆)は、公益財団法人 日本財団が進める無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」において、2020年6月からDFFAS(Designing the Future of Full Autonomous Ship)コンソーシアム※1のメンバーとして、無人運航船の実現に向けて、当社の持つ「撮影・伝送・記録・表示」技術を活用した開発に取り組んできました。

MEGURI DFFAS

 このたび、DFFASコンソーシアムは、2022年2月26日から3月1日にかけて、東京港と津松阪港間 約790kmで無人運航船の実運用を模擬した実証実験を実施しました。船舶で混雑する実海域・航路におけるコンテナ船規模の無人運航船の実証実験ならびにその成功は世界初となります。

 当社は、2022年4月20日から4月22日まで東京ビッグサイトで行われる日本最大の国際海事展「SEA JAPAN 2022」にブースを出展し、本プロジェクトにおいて当社が果たした役割を紹介します。
「SEA JAPAN 2022」EIZOブースの詳細はこちら

1.実証実験の概要

 実証実験は、自律航行機能を搭載したコンテナ船「すざく」と遠隔操船機能や機関の異常予知機能などの陸上から無人運航船の運航を支援する機能を有した「陸上支援センター」を衛星・地上通信回線で結び、将来の無人運航船の実運用を模擬した形で実施し、東京港~津松阪港~東京港の約790kmにおける航海を離岸操船・湾内航行・沿岸航行・着岸操船といった一連の航海を無人運航システム※2で成し遂げました。

2022年2月26日~3月1日実証実験実施

 

無人運航船の未来創造プロジェクト ~多様な専門家で描くグランド・デザイン~

 DFFASコンソーシアムは、国内の多種多様な30社を核に、国内外の協力企業・組織をあわせた約60社で構成されるコンソーシアムで、無人運航船に必要な包括的な無人運航システムをオープンイノベーション体制により開発を進めてきました。コンテナ船「すざく」(全長95.23m、総トン数749トン)を実験船とし、千葉県千葉市に構えた陸上支援センターから運航支援の下、東京港~津松阪港~東京港の往復約790kmの区間を航行しました。
 

2.無人運航船で期待できること

 一日あたりの航行隻数が約500隻※3という世界屈指の海上交通過密海域である東京湾内の無人運航システムによる航行を成し遂げたことは、無人運航技術の高さを証明すると共に、実用化を強力に推進し、内航船業界が抱える労働力不足・海難事故といった社会的課題の解決、さらには無人運航船の実運用における陸上支援センターの有用性の証明は、船員の新たな働き方や労働力の創出が期待されます。 航行中の船舶画像

 

3.実証実験における開発のポイント

DFFASコンソーシアム DFFASコンソーシアムでは、無人運航船の社会実装を想定し、設計段階からリスクアセスメントを積み重ね、包括的な無人運航システムを開発しました。
  具体的には、①自律機能を司る船舶側システム、②遠隔操船機能・機関異常予知機能を含めた陸上から船舶を監視・支援する陸上側システム、③船陸間における安定した情報通信維持を司る通信システムの3つです。
  特に②については、実際に「陸上支援センター」を立ち上げ、通常は船上の船員が担う気象海象情報、交通流情報、船上機器状態などを陸上支援センターで収集・分析し、無人運航船にフィードバックすることで無人運航船の航行を支えました。また非常時には、陸上支援センターから遠隔操船を行うことで、システムの安全性と安定性を担保しました。

 

4.実証実験において当社グループが果たした役割

 当社およびグループ会社のカリーナシステム株式会社は、EIZOグループの製品群で構成する映像の「撮影・伝送・記録・表示」のImaging Chainをシステム事業として展開しています。今回、前項②の、陸上から遠隔操船や機関異常予知を行うシステムにおいて当社のImaging Chainの強みを生かし、遠隔操船時に本船の安全を確保する非常対応システムの開発を行いました。

 陸上から船を遠隔で操作するためには、船外の様子を確実に把握する必要があります。船外撮影においては、夜間や悪天候などの低照度環境でも鮮明に撮影可能な当社の超高感度カメラ「SSZ-9700」を船屋外に設置しました。さらに、映像の視認性を向上させるシステム「EVS1VX」を用い、見やすく映像を補正。また、船外カメラ映像や機関室の船内監視カメラ映像、レーダーなど船舶計器表示内容は、船内に設置したカリーナシステム株式会社のIPエンコーダ「NVT-DVI」とネットワーク映像配信・表示システム「MEDIASYNERGY」を経由させることで、エンコード(圧縮)と記録を実施し、ネットワークで船陸間伝送を行いました。
 陸上支援センターでは、当社のIPデコーディングボックス「DX0211-IP」で映像をデコード(解凍)、MEDIASYNERGYでの記録・配信を行い、複数の当社モニターに表示しました。

 

※1 DFFAS(Designing the Future of Full Autonomous Ship)コンソーシアムとは、日本海洋科学を中心として構成されたコンソーシアム。参画企業は日本海洋科学(代表)、イコーズ、ウェザーニューズ、EIZO、MTI、日本電信電話、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、近海郵船、サンフレム、三和ドック、ジャパンハムワージ、ジャパン マリンユナイテッド、スカパーJSAT、鈴与海運、東京海上日動火災保険、東京計器、ナブテスコ、NX海運、日本郵船、日本シップヤード、日本無線、BEMAC、pluszero、古野電気、本田重工業、三浦工業、三井住友海上火災保険、三菱総合研究所、YDKテクノロジーズ。
※2 DFFASコンソーシアムが開発した無人運航船システムにおいては、自律船フレームワーク「APExS-auto」が採用されております。APExS-autoは、日本海事協会ならびにフランス船級協会 Bureau VeritasにAiP認証承認申請中。
※3 国土交通省関東地方整備局 東京湾口航路事務所

本件に関する(公財)日本財団のプレスリリース

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