USB Type-C互換性情報

第11世代Intel Coreプロセッサー搭載PCと外付けモニターのUSB Type-C互換性

1. 制約事項

第11世代Intel Coreモバイル・プロセッサーを搭載した一部のノートPCと外付けモニターとのUSB Type-C接続で、リフレッシュレートが30Hzに落ちる、色深度(階調数)が8bitから6bitに落ちる、といった制約が生じる場合があります。
 

対象PC 第11世代Intel Coreモバイル・プロセッサー搭載の一部ノートPC
※Core i5-1135G7など、開発コード名Tiger Lake世代のプロセッサー
対象モニター USB Type-C接続の高解像度モニター(当社以外の製品も含む)
EIZOモニターではFlexScan EV3895, EV3285, EV2785, ColorEdge CS2740, CS2740-X

 

2. 原因

対象PCで使われているUSB PDコントローラの動作ポリシーが変わり、USB Type-C信号伝送において映像信号よりUSB信号の伝送を優先するようになったため、映像信号の伝送帯域が不足し問題が生じます。

■ USB Type-Cの信号伝送の概略
4本の高速通信レーンがあり、これをUSB 3.1の信号やDisplayPort信号の伝送に用います。

img_001.jpg

 

■ FlexScan EV2785の場合の例
Administrator SettingsメニューのUSB-C設定により、モニターは信号伝送の割り当てを切替えています。

(1) 4K UHD 60Hz / USB2.0設定
高速通信×4レーンをDisplayPort信号伝送に割り当て、4K/60Hz表示を実現します。

img_002.jpg

(2) 4K UHD 30Hz / USB3.1設定
高速通信×4レーンのうち2レーンをUSB 3.1信号の伝送に割り当てます。
DisplayPort信号に使うレーン数が半分になるため、リフレッシュレートも半分の30Hzになります。

img_003.jpg

対象PCとの接続では、モニターを(1)の設定にしていてもPCは(2)の割り当てで信号を伝送し、映像信号の帯域不足が生じます。

3. 対策

3.1 モニターのファームウェア更新

上記の当社対象モニターに対して、対象PCがDisplayPort信号の伝送を優先するようにする、ファームウェアを提供します。
備考)問題が起きていない環境では、ファームウェアを更新する必要はありません。
備考)ファームウェア更新による(2) 4K UHD 30Hz / USB3.1設定への影響はありません。

 

製品名 対策後のファームウェアバージョン アップデートツール
Windows Mac
FlexScan EV3895 1000x-10101-1000x
中央5桁が "10101"
ダウンロード -
EV3285 1000x-10100-1000x
中央5桁が "10100"
ダウンロード ダウンロード
EV2785 ダウンロード ダウンロード
ColorEdge CS2740, CS2740-X 1000x-10111-1000x
中央5桁が "10111"
ダウンロード ダウンロード

 

3.2 回避策

PCやモニターのファームウェアで修正できない場合は、モニターをUSB Type-Cで接続せずに、USB Type-C~DisplayPort変換などで接続してください。
当社ではUSB Type-C~DisplayPort変換ケーブル「CP200」をご用意していますので、必要に応じてお買い求めください。
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