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ヘルスケア

慶應義塾大学病院 様

 慶應義塾大学病院は、1920年開院のおよそ100年の歴史を持つ大学病院です。29の診療科による先進医療と高度医療を実践するだけでなく、2012年8月に予防医療センターを開設、人間ドックの実践を通じての予防医療も推進する総合病院です。

 2015年3月にEIZOのマルチモダリティモニターRadiForce RX850-ARを4台、外来の診察室に導入しました。6月からはフィルムの出力を止め、フィルムレス運用に移行しています。慶應義塾大学病院 一般消化器外科・乳腺外科 林田 哲先生、高橋 麻衣子先生に、フィルムレス化による効果と約4か月間使用した感想を伺いました。
林田 哲 先生
林田 哲 先生
一般消化器外科・
乳腺外科
高橋 麻衣子 先生
高橋 麻衣子 先生
一般消化器外科・
乳腺外科

導入理由

石灰化の画像で満足できる表示を確認

 慶應義塾大学病院では、腫瘤や石灰化の確認に対し診断能を懸念する先生方の意見もあり、マンモグラフィ画像のフィルムレス運用への移行が遅れていたため、毎月約1,500枚のフィルムを使用していました。

 しかし2014年度にようやく、フィルムの持ち出し費用削減のため、さらにデジタルマンモグラフィ撮影装置とモニターの性能向上により、高解像度と高輝度を実現した8メガピクセルカラーモニターの利用検討を開始しました。EIZOからデモ機を借りて評価をしたところ、スピキュラや石灰化の画像で満足できる表示を確認できたため、RadiForce RX850-ARを4台導入することにしました。(林田先生)

 

導入効果

300万円のコスト削減

 フィルムレス運用になったことで、年間18,000枚のフィルムおよそ300万円のコスト削減になりました。また、フィルムレス運用になる前は、翌日診察を受けられる患者さんのフィルムを前日に取り寄せるため、放射線科に連絡してフィルム保管庫や病棟から看護師がフィルムを取ってくる持ち運びの時間や確認の時間が削減できました。(高橋先生)  

 

患者さんの被ばくリスクの低減

 フィルム運用では患者さんの状態を詳細に確認するため、スポット拡大撮影を行っていました。質の高い医療の提供に必要なことなのですが、患者さんにとっては通常の撮影に加えた撮影となり被ばくのリスクがありました。デジタル画像をビューアーで表示することにより拡大操作で確認できるようになったため、患者さんの健康被害を抑えることにもモニターは貢献しています。(林田先生)  

 

患者さんに説明が伝わりやすい

 当院では曜日により診療科が異なり、外来診察室では診察の際にさまざまなモダリティ画像の表示を行います。乳腺外科ではマンモグラフィ画像とブレストMRI画像、マンモグラフィ画像とブレストエラストグラフィ画像を同時に表示することがあり、MLO方向で撮影されたマンモグラフィ画像とアキシャルMRI画像を大画面で同時に確認するといったシーンがあります。大画面のRadiForce RX850-ARは、患者さんに画像を正面からご覧いただきながら説明を行うことができるため、疾患や治療について深く理解をいただけるようになりました。

 ワイド画面は導入した直後は少し大きいかなと思いましたが、使用するうちにすぐ慣れました。患者さんの診察を行うときには、患者さんに自分の画像を正面に見てもらえるようにモニターの向きを変えています。患者さんやご家族の方には画像を集中して見てもらい、コンソールモニターで操作しながら説明しています。RadiForce RX850-ARは、少し角度を変えても視野角も優れているので、一緒に画像を見ながら病状についての説明ができます。(高橋先生)
 

患者さんに説明が伝わりやすい

 

患者さんをお待たせしないスムーズな診察

 PET画面は大きく1画面を使って確認する、MRI画像はアキシャルとコロナルの同時表示から計測を行う、マンモグラフィ画像は今回検査と前回検査を並べて表示する、といったモダリティに合わせて異なる最適なレイアウトをベゼルレスワイド画面でストレスなく行い、患者さんをお待たせしないスムーズな診察につながっています。医用画像を表示するという観点だけでなく、ワークフローも考慮したモニターの選定が外来診察室でも重要と考えています。

 また、当院では連携する他院からの紹介で来院される患者さんも多くいらっしゃいます。持ち込まれたフィルムと当院の検査画像では撮影条件が異なり見づらいケースがありましたが、PACSを利用することで異なる撮影条件をビューアーの操作により吸収できる点も、モニター利用ならではの特徴と思います。

 ARコーティングによる映り込みは殆ど気になりません。フィルムに近い画面の質感と高輝度・高コントラストの表示で画像を見ることができるようになったことで、マンモグラフィ画像の石灰化の視認においてはフィルムを超えていると感じるほどです。(林田先生)
 

患者さんをお待たせしないスムーズな診察

 

診察以外でも貢献するマルチモダリティモニター

 また、毎週行っている外科のカンファレンスでもRadiForce RX850-ARを利用しています。画像の確認が容易になったため、情報共有の点でも非常に役立っています。(林田先生)  

診察以外でも貢献するマルチモダリティモニター

 


 
慶應義塾大学病院
〒160-0016 東京都新宿区信濃町35

http://www.hosp.keio.ac.jp/

 

導入製品

本事例の内容は取材当時のものであり、閲覧時点で変更されている可能性があります。ご了承ください。


導入事例
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