関西ろうさい病院では、年間約4,200件のIVR(Interventional Radiology)検査を実施しています。その業務効率化の一助とすべく、IVR-CT室の装置更新にあわせてEIZOの手術室向け映像ソリューションCuratORを導入しました。これによりどのような課題が解決できたのか、西尾和宏主任にお話しをうかがいました。
導入背景
フル稼働状態のIVR検査
当院のIVR検査の特徴として、終日フル稼働状態である点があげられます。月~金曜日の午前午後の枠を、循環器内科、脳神経外科、放射線科で振り分け、隙間のない予約表にさらに緊急対応を含めてカテーテル検査室を運用しています。1室で日に11~12件検査することも多くあります。
もう1つの大きな特徴は、循環器内科の検査が全体の8割を占める点です。冠血管系、末梢血管系(EVT)、不整脈系でそれぞれの枠を設けて検査を行っていますが、中でもEVTの検査は年間1,000件に達し、IVR-CT室の運用効率の向上は喫緊の課題でした。
操作室の効率的な機器配置が課題に
IVR-CT室は、カテーテル検査室3室の中で一番狭く、操作室側のスペースも限られています。装置については、アンギオ装置にCTが装備されて専用のワークステーションが置かれているほか、他部署からのデータを再構成するワークステーション(WS)もあり、加えてHIS、RIS、予約管理PC、被ばく管理モニターなどの機器が重なり合って並んでいました。地面ではケーブルや配線が絡み合い、収納も機能的ではありませんでした。
そのため更新に際しては、装置はもちろん、部屋のレイアウト、収納、壁紙、コンセント、カメラの位置に至るまで検討しました。検査室の改造に関しては順調に進みましたが、問題は操作室の機器配置でした。そこで上司から提案を受けたのがEIZOでした。
CuratOR導入の決め手
懸念を払しょくするきめ細かな対応
私はもともと、最新のIVR-CT装置に更新すると聞いただけでアレルギー反応を起こしていました。ただでさえ検査数が多い中、複雑な操作が増えることは避けたいという気持ちがありましたし、アンギオチーム以外の技師が使いこなせるかという点でも、現状維持での更新を望んでいました。 私が特に危惧していたのは、操作室のモニターを従来の19インチモニター2台から30インチのモニター1台に置き換える点でした。私はアンギオチームの技師に「検査室の術者からの指示待ちでは遅い。より速く必要な情報を得て適切な操作をするために、術者の手元を見るように」と指導していますが、30インチのモニターでは、その視野が遮られる可能性があります。しかし、この問題は、EIZO担当者と装置メーカーとで机、椅子の高さ、モニターの位置と角度を詳細に検討することで解決できました。 |
きめ細かな対応で、新システム移行への不安も解消 |
必要な情報を術者の手元と同一視野で確認 |
医療情報を総合表示、一元管理が可能に
懸念が払しょくされると同時に、CuratORの機能面に大きなメリットを感じるようになりました。先述の30インチモニターRX440と信号配信マネージャーLMM0801により、アンギオのLIVEやREF、 HIS、RIS、WS、予約管理PCを、すべて操作室の技師の手元で操作できます。
さらに、術者側の検査室の大画面モニターLS580Wに表示する内視鏡や血管内超音波画像診断装置(IVUS)、光干渉断層画像診断装置(OCT)などの映像も、操作室側のタッチパネルPC CID1201Pで直感的に切替えられ、業務の効率アップが見込めます。
直感的なタッチ操作で、検査室の大画面表示を切替え |
導入後の効果
想像以上の使いやすさと運用効率向上
実検査で使用すると、導入前のデモ時の想像以上に、業務の効率化を実感しました。操作が分かりやすく、アンギオチーム以外の当直対応の技師も問題なく操作できます。スタッフごとにモニター画面のレイアウトをカスタマイズできる点も便利です。さらに増加傾向にある検査環境において非常に有用なシステムとなりました。
EIZO担当者と相当話し合いを重ね、要望への素早い対応、細かい気配りを行っていただけたので、使いやすいシステムとして導入でき、大変満足しています。私自身EIZOを信頼しています。今後も変わらない対応でお願いします。
独立行政法人
労働者健康安全機構
関西ろうさい病院
〒660-8511 尼崎市稲葉荘3丁目1番69号
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導入製品
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