加古川中央市民病院様は、加古川西市民病院と加古川東市民病院との統合移転により、2016年7月1日に開設されました。30の診療科による総合診療体制と、5つの診療センターによる高度専門医療体制を併せ持つ、兵庫県東播磨医療圏における基幹病院として、地域医療に日々貢献されています。
開設して間もない2016年10月から12月にかけて、EIZOのIPネットワーク対応モニター DuraVision FDF2304W-IPを23台導入し、IPカメラ監視システムを構築しました。
導入により、どのような課題が解決できたのか、放射線室 千古技師長にお話しを伺いました。
放射線室 技師長 千古 孝 氏
導入前の課題
患者様の安全確保と業務フローの効率化
旧加古川西市民病院も監視カメラはありましたが、大型モダリティの検査室に限られていました。また、旧加古川東市民病院には監視カメラがありませんでした。そのため、待合室や廊下で患者様が転倒してもすぐに知ることができず、対処が遅くなることがありました。また、今回の統合移転では、放射線科のモダリティ装置の数も増え、1階・2階の2フロアにわたって各検査室が配置されることになりました。
そのため、何よりもまず患者様の安全をしっかりと確保しつつ、各スタッフが2病院の統合に伴う検査数・業務量の増大に対応できる環境を整える必要がありました。
DuraVision FDF2304W-IPを選んだ理由
設置場所にあわせた柔軟な表示
各スタッフが現場ごとに必要なカメラ映像を適切に表示できることが必要ですが、DuraVision FDF2304W-IPは1台につき最大16台のカメラを単画面から16分割表示まで、モニターごとに柔軟に設定できます。当院では、各モダリティ装置操作室では待合室・待機室用に4分割・9分割表示、技師室など全体把握が必要な場所では16分割表示で運用しています。16分割表示時でも明瞭にカメラ映像が確認でき、画質にも満足しています。
設置場所に応じて4分割・9分割・16分割で表示
IPネットワーク直結・PCレスの利便性
モニター表示用のPC端末無しでIPネットワークに直結できる点も、DuraVision FDF2304W-IPを選んだ理由の一つです。放射線の操作室は様々なモニターが並びスペースが限られていますが、LANと電源のみの接続で良いため、台置き・壁掛け・天吊りと場所に応じた設置が容易に行えます。PCの設置も不要なためコスト削減ができ、システム全体の故障リスクも低減されていると思います。
![]() 多くのモニターが並ぶRI操作室では天吊りで設置 |
![]() 壁掛けもLANと電源のみの配線 |
導入後の効果
患者様の安全
各スタッフが待合室や廊下・検査室内の患者様の状況を確実に把握できるようFDF2304W-IPやIPカメラを配備したことで、患者様の転倒や容体悪化などにも素早く対応できる環境が構築でき、統合移転前より高い安全性を実現できたと思います。
スタッフの業務効率向上
各検査を待つ患者様の数が容易に把握できるため、最適な人員配置を素早く行えますし、当直時も1~2名で放射線科全体の状況を把握できるので、業務効率が向上しました。
また、PET-CT室では患者様とスタッフが接触せずFDF2304W-IPを見ながらリモートで会話できるようになったので、スタッフの被ばく低減にも役立っています。
スタッフがいつでも患者様を確認できるモニター配置(左からCT・X線TV・一般撮影)
EIZOに期待すること
レイアウトの操作性向上
FDF2304W-IPについては事前設定だけでなく、より柔軟かつ簡便にユーザー側の操作でレイアウト・表示カメラ・配置変更などが行えるようになると、より良いと思います。
患者様の安全に役立つ製品づくり
患者様の安全性にしっかりと目を向けた製品をつくっていって欲しいと思います。患者様の動きを検知して異常時にアラート表示をしたり、プライバシー保護も考えていくと良いかもしれません。
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