映像作家 島 猛氏は、2021年にColorEdge CS2740をデュアル構成で導入されました。実写映像やアニメーション、モーショングラフィックスなどさまざまな映像を制作する島氏に、制作において大切にしていることやCS2740を使用した感想を伺いました。
島氏が制作に携わった『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』予告編映像
映像を制作する際に、大切にしていることを教えてください。
映像内で使用するグラフィックスやデザインを制作する際は、特に配色やコントラスト・場面転換や動きがある中でも全体のバランスが崩れないような色彩設計を大切にしています。
また、映像を勉強していた頃「映像は時間という軸を意のままにできる貴重な表現方法の一つ」と教わったことが強く記憶に残っています。逆再生やスロー、タイムラプスなど、言葉通り時間を操ることができるのは当然ですが、編集によって生み出される時間軸の歪みや演出によって刺激される思考の停止、感情の高まりによる時間経過の早まりなど、感覚的なところもすべて含まれていると感じています。
私は実写映像の編集やアニメーション、モーショングラフィックスなどさまざまなジャンルの映像に携わらせていただくことが多いのですが、その中で共通して大切にしていることは、その教わった言葉に大きく関係していると思っています。時間のもつ特性を理解し駆使しながら、時間を忘れて如何に没頭して見ていられる映像を制作できるか、というのが最も大切にしていることの一つです。
島氏が「旅とカメラ」をテーマに運営しているYouTubeチャンネルFPS24とシグマ様のタイアップ動画
今回ColorEdge CS2740を導入いただいた用途・使用方法について教えてください。
主な使用用途としては、映像制作並びにデザイン・グラフィックス制作です。今回はCS2740を2台導入しました。1台目は正面のメインモニター、2台目はサブモニターとして配置し、非常に贅沢な環境を構築しています。デスク周りはできる限り視界に入る物を少なくしたいので、モニターアームを使用して宙に浮かせシンプルな見栄えになるよう心がけています。
導入後の使用感や効果はいかがでしょうか?
一言で、とにかく非常に満足しています。正しい色で仕事ができる安心感と必要性を、改めて強く実感できています。定期的にキャリブレーション※を行うことで常に安定した色を保つことができる安心感は他には変えられないと思っています。
写真編集やグラフィックスを制作する際に重宝するAdobe RGBモードはもちろんですが、キャリブレーションセンサーとColorNaigator 7を使用することで、BT.709やDCI-P3など、映像業界基準のカラースペース、ガンマを設定できる点には大きく助けられています。さまざまな環境に合わせたモードで色を確認することができるので、仕上げの際に今までより一段と色やコントラストに気を配れるようになりました。
また、プロダクトデザインとしてのモニターデザインも非常に好みです。ノイズレスに設計されたベゼルのおかげもあり、画面に集中して作業を行うことができています。
モニターをキャリブレーションセンサーで測定し、目標値に沿って画面表示されるよう表示調整を行うこと。液晶モニターは使い続けると明るさや色味が経時変化するため、定期的な表示調整が必要になります。
ColorEdge専用のソフトウェアColorNavigator 7 でのキャリブレーションは、パソコンの出力信号を触らずに、直接モニターの表示を調整する「ハードウェア・キャリブレーション」です。データそのものの階調を犠牲にすることなく、より短時間で精度の高い調整ができます。
キャリブレーションが必要な理由はこちら
「ハードウェア・キャリブレーション」と「ソフトウェア・キャリブレーション」の違いはこちら
島 猛氏 略歴
映像作家 |