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クルマのCG制作から編集までを一貫して行う
slantedを支えるEIZOの「ColorEdge」

 大手クルマメーカーの広告映像のCG制作を数多く手がける株式会社家元のCGチーム slanted。品質の高い映像が生まれる源泉はどこにあるのか、また同社のワークフローでEIZOのカラーマネジメントモニター、ColorEdgeが どのような役割を果たしているのかを伺った。
TEXT_ 草皆 健太郎(BOW)

「CGWORLD」2016年10月号 vol.218から転載

 
slanted 様導入事例
左から荒木洋平氏(プロデューサー)、山内 太氏(代表)、齋 裕幸氏(オンラインエディター)

 

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INFORMATION

 家元は2001年にオフラインスタジオとして設立され、その後オンラインスタジオを増設した。家元内にもCGチームはあったが、後に山内氏が率いるCGチームが合流、2013年にCG制作チームslantedとして新たなスタートを切った。

www.slanted.tm

 

代表の山内 太氏を中心にスタッフ全員で作品をつくり上げる制作体制

 近年、クルマの広告映像の大部分がCGでつくられることも珍しくなくなった。実写と見分けがつかないほどフォトリアルなCGがスピーディーに制作可能になったためだ。
 slantedは設立5年目という若いCGチームだが、中核スタッフの多くは10数年にわたり、フォトリアルなCG描写が求められるクルマの映像を中心に制作してきた。近年はクルマの映像にとどまらず、幅広いジャンルの映像を手がけており、TVやWebで目にする多くの映像を制作している。同社の作品には、はっきりとしたコントラストと細部までこだわった色調整による個性的なものが多いが、それは映像作家である山内 太氏の独特な色のセンスゆえだろう。

もともと山内氏はCGデザイナーであったが、現在は撮影からコンポジット、グレーディングまでこなす、幅広い知識をもった映像作家として活躍している。一方、slantedのスタッフもひとりひとりがCG制作全てをこなせるいわゆるゼネラリストだ。そのため、山内氏が企画、プリプロを行なった以降は、各アーティストにカット単位で作業の割り振りがなされている。一人のアーティストがアニマティクスからモデリングからコンポジットまで担当することになるので、結果として非常に各スタッフの個性が作品に現れやすい体制となっている。

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slantedには常にかなりレアなクルマが飾ってあり、スタッフは日常的にそれを目にしながら仕事をしている。写真はフェラーリ・ディーノ。滅多にお目にかかれない希少車だ

 

一貫した色管理を助けるColorEdgeシリーズ

 slantedでは3DCGだけでなく映像制作を全体的に手がけており、基本的には全ての作業を社内で完結することができる。撮影の際にはCGクリエイターも同行し、ポストプロダクションに必要となるであろう素材や撮影時の状況などを記録してくるため、撮影とその後の作業の距離感が近く連携を取りやすい。そのため、スタッフ間のコミュニケーションが密で、スタッフそれぞれの個性がより色濃く作品に表れる。

だが各々の裁量が大きい分、作品内での統一感を保つためには監督である山内氏の編集作業が重要になってくる。「slantedでは撮影からCG制作、編集まで一貫してやることが多いのですが、以前モニター環境がバラバラだった時はどうしてもカットごとに色の差が出てしまい、最後に自分のモニターで調整しなくてはいけないのがストレスでした。そこで皆のモニターをColorEdgeに統一したところ、そうした問題は解消され、かなりストレスが減りました」と山内氏。

編集スタジオである家元も同じくColorEdgeを採用しているため、両スタジオ間でも環境の差異はない。作業者の環境が統一されているのでクライアントからの要望が出た場合は家元でも、slantedでも即座に対応できる。

また、家元ではクライアントによるチェックもしばしば行われていて、その際は民生用のテレビモニターを用いて確認がされるというが、「民生用テレビモニターは作業部屋ごとにちがう製品を採用していて色の調整も異なります。スタッフが共通に見るアイテムとしてColorEdgeは重宝しています」(齋 裕幸氏)。最後に山内氏は「ColorEdge CGシリーズは作業していない時に自動的にキャリブレーションして、時間経過によるモニターの変化を定期的に調整してくれます。それも導入の決め手ですね」とふり返った。

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壁側に作業スペース、中央に打ち合わせ用スペースが設けられたスタジオ。何かあれば気軽に中央に集まりコミュニケーションがとれる。現在はColorEdgeに統一されている制作モニターだが、黎明期はバラバラだったそうで「一番の問題はひとつの案件に複数のアーティストが参加して作業する場合に、モニターがちがうとショット間で色の統一が図れないことでした」(山内氏)。スタッフと山内氏のモニターで色の見え方が変わってしまい、まともにクオリティの評価ができずにいた。「その後、皆で同じものを見ることができるように徐々にモニターを統一したのですが、キャリブレーション機能が欲しかったため、ColorEdgeを選びました」(山内氏)
 

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山内氏のデスクでは編集用に4Kの「FlexScan EV3237」を、色確認用に「ColorEdge CG247」を使っておりEIZOモニターで統一している。また、ColorEdgeとマスターモニターを並べて最終出力と色が一致しているかを確認しながら制作している


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別室の編集スタジオとはネットワークでつながっており、作成した素材はシームレスかつスピーディーに更新できる。ここでの確認用モニターもColorEdgeだ

 

 

導入製品

ColorEdge CG247
 

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本事例の内容は取材当時のものであり、閲覧時点で変更されている可能性があります。ご了承ください。


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