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クリエイティブ

株式会社マリモレコーズ 様

HDRの表現領域の広さを実感、
CG1は色の表現力を豊かにする

 2025年1月24日に発売されたHDRリファレンスモニター「ColorEdge PROMINENCE CG1」。いち早くCG1を試用してHDRデモコンテンツを制作いただいたマリモレコーズ様に感想を伺いました。

江夏 正晃 氏、江夏 由洋 氏
左:代表取締役 音楽家/DJ/プロデューサー 江夏 正晃 氏
右:専務取締役 デジタルシネマクリエイター 江夏 由洋 氏

株式会社マリモレコーズ
株式会社マリモレコーズ
音楽を専門とする兄と、映像を専門とする弟のアーティストユニットとしてスタート。企画、撮影、編集、CG、音楽、MA、ポスプロまですべてを一貫して制作・プロデュースできる制作会社。最先端の技術を取入れ、少数精鋭のメンバーでハイクオリティな作品を世に送り出している。

 

制作いただいたCG1表示用のHDRデモコンテンツ

・この動画はHDR表示が可能なデバイスでは、HDR画質でお楽しみいただけます。

 

今回のHDRコンテンツに込めた想いを教えてください。

 SDRとHDRでは、輝度の表現力はもちろんですが、色の豊かさも違ってきます。今回の映像作品の題名「Picturesque」はまるで絵画のような世界観を表す言葉です。現実とCGの間を行く美しい色の世界を表現したいと考えました。

 実際にCG1で撮影映像を確認した際に、色の中に存在するグラデーションやRGBの彩度の奥行き、色が混じった時の立体感など、CG1の卓越した表現力を感じました。カラーグレーディング用のHDRモニターとして輝度が出ることは当たり前で、その先の色の表現力を豊かにする、それがCG1の使命なのではないかと思って、制作を進めました。

制作現場

 

どのように撮影・編集されたのでしょうか。苦労した点も教えてください。  

 実写映像とCG映像を組み合わせて制作しています。実写はREDのV-RAPTOR 8K VVというハイエンドシネマカメラとRED GEMINIの2台を使って、RAWで撮影しました。

 実写撮影で一番苦労したのは、色ですね。本作品は、水に垂らした絵具の動きを実際に撮影していますが、多種類の絵具を試しています。思い描いた色の濃さや色の組み合わせを作るだけで3時間以上かかりました。濃度を見ながら、量や混ざり具合をまずは小さい水槽で実験して排水して…を繰り返して(笑)。本番はさらに大きい水槽を入れ替えながら、思わず見入ってしまう映像になるように撮影しました。

 次に苦労したのはCG工程です。CGはHoudiniで2週間ほどかけて物理演算を行って制作しました。当初CGパートは、SDRモニターで作業を進めましたが、いざつなげてHDRのCG1で見ると、CG1は輝度の表現幅が広いため、一部の粗が目立ってしまい、手戻りが発生しました。モニターの必要性を感じた瞬間でした。HDRに関してはSDRモニターで作業していたらなにも指針がないですからね。HDRはSDRと全く別物です。

 

CG1の印象を教えてください。

 今回、カラーグレーディングは協力会社で行いました。そこのカラリストは、「とても仕事がしやすい」と言っていました。理由を聞いたところ、とにかく色が素直で、自分が作業した結果の違い、Before/Afterが細やかに見やすく感じたとのことでした。

 また、設置の際に重量が軽いのがよかったです。

CG1は前機種CG3146に比べ、9kg軽量化。CG1の質量は、リファレンスモニターながら約17.5kgです。

 

カラーグレーディングの様子
江夏 由洋 氏立ち合いのもと行われたカラーグレーディングの様子

 

HDRコンテンツを制作する際に必要な機材をお教えください。

 自分たちの作品をHDR化する機会はありますが、今回改めてコンセプトも含め初めからHDRの世界観を作り上げる作品を経験して、改めてSDRとは別物であるHDRの表現領域の広さを実感しました。今までは輝度表現を強く意識していましたが、やはり色の発色やグラデーションには、HDRでしか見ることのできない美しさがあります。ぜひ我々が制作した作品もHDR環境で色の美しさを体感してもらえると嬉しいですね。音楽もオリジナルで作曲しました!

 HDRの編集には、信頼のおけるHDRモニターが必須ですし、そのモニターの精度がちゃんとしてないと、正しいアウトプットができません。特に今回はHDR(PQ方式)でしたので、如実にそれを感じました。この作品は、コンポジットの現場でも、CG1を使ってリファレンスをしながら制作を進めました。コンポジットの作業は、主に水中のゴミなどを消す作業です。グレーディング編集はもちろんですが、コンポジット工程でのモニター精度もかなり重要です。CGの仕上げや実写のバレ消しにおいても、HDRで正確に表示できるモニターがないと作業がまったくできないということがよくわかりました。

自社でコンポジットを行った際の構成
自社でコンポジットを行った際の構成(左:CG1、右:EIZOの4Kモニター)

 実際にはAdobe After Effectsを使ってHDRモニターで見えてしまったゴミを消しましたが、疑似LUTを作成し、PQからSDRに変換してもゴミを見えるようにして、ゴミにマッピングをかけて地道に作業を進めました。

 

御社ではEIZOモニターを長年ご愛用いただいていますが、その理由を教えてください。 

 EIZOさんをずっと愛用している理由は、それしかないからです。私たちだけではなく、制作現場行っても、正確に、そして確実に見たい人は必ずEIZOを使っていて、その安心感は大きいです。しっかりと見たいところでEIZOを揃える。モニターは撮影機材と同様に、作品のクオリティを支えるとても大切なデバイスです。だからもっともっと映像業界にEIZOモニターが普及するといいなとも思っています。

 

本事例をPDFでもダウンロードいただけます。
株式会社マリモレコーズ様導入事例[PDF]

 

■ご協力
株式会社マリモレコーズ
ホームページ:https://marimorecords.com/

 

■試用モニター
ColorEdge PROMINENCE CG1

本事例の内容は取材当時のものであり、閲覧時点で変更されている可能性があります。ご了承ください。


導入事例
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