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クリエイティブ

Claudia Rocchini 氏 - ペットと飼い主の物語を表現する写真家

イタリアの人気ジャーナリストであり写真家であるClaudia Rocchini氏は、そのキャリアの途中でペットと飼い主を撮影すること、それから彼らの物語を組み合わせた作品作りにその身を捧げることに決めました。

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彼女の経歴をお伺いしました。

私はEIZOアカデミーやNikonのフォトスクールで講師を務めています。また、10年以上にわたって、野生動物写真に関する講演やワークショップをサファリパークで開催してきました。このサファリパークは、絶滅の危機に瀕している動物の保護を目的としており、動物写真に興味がある人にとっては、とても刺激的な場所だと思います。

2014年には、数名のアマチュアフォトグラファーの協力を得て、野生動物写真をテーマに制作した本「I segreti dell'Oasi - La natura meravigliosa di Sant'Alessio(オアシスの秘密-サンタオレッシオの素晴らしい自然)」を出版しました。200点を超える生きた動物たちの写真は、本の名前にあるSant'Alessioという名のサファリパークで撮影しました。

そして2019年からは、「Reflex Cats」という独自の撮影スタイルで猫を撮影するプロジェクトを開始しました。この作品は、猫、そして猫と人間の感動的なポートレートを集めた作品で、彼らの普段通りの環境で撮影することにこだわりました。世界的に有名な義足の猫、ヴィッツォの物語を題材にした作品は、多くの関心を集め、BBC、The New York Post、The Daily Mailなど、国内外の主要な新聞に掲載されました。

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またSchesirというキャットフードを販売するAgras Pet Food社の全国写真大会で優勝するという栄誉もいただきました。その際には、優勝特典としてお気に入りの猫と一緒にカメラの前に立つというちょっと変わった機会も与えられました。

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私はボランティア活動も行っています。COVID-19が流行する中で、猫を保護する人たちを援助するためにFacebookで「Aiutiamole ad Aiutarli(イタリア語で「助けよう」)」というWebページを立ち上げました。それ以前からキャットシェルターで野良猫の世話をしていた人たちの中には、COVID-19の影響で仕事を失い、キャットフードを手に入れられない人もいました。この取組みはシンプルなものでしたが、とても効果的でした。というのも、資金調達はせずに、猫の保護者たちに直接キャットフードを提供するよう呼びかけるだけのものだったからです。わずか1ヶ月で、5つのキャットシェルターの食糧を確保することができ、大成功を収めました。

Reflex Catsは、あなた自身がそのユニークな撮影スタイルに名付けた名前ですよね?
もう少し詳しく教えてください。

私は猫の毛並みのシルエットや質感が強調されるように、黒い背景を使用して撮影を行っています。黒背景にすることで、何もない部屋の中で動物が浮かんでいるように見えるのです。しかし、この手法は多くの写真家が採用してします。自分だけのスタイルを作り上げたいと思っていた私は、光沢のある黒背景を採用し、雰囲気のある鏡面効果が出るようにしました。私は求めている雰囲気によってこの鏡面効果の強弱を調整しています。この「Reflex Cats」という名前の由来は、反射の「reflection」と一眼レフ(レフレックス)カメラの「reflex」という言葉をかけた造語です。

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どうしてEIZOのモニターを選んだのでしょうか?

EIZOのモニターは長年欲しいと思っていました。しかし仕事を始めた当初は高額な投資をする余裕がなく、必要な撮影機材を購入することで精一杯でした。キャリアを続ける中で、アートプリントの仕事の依頼が増え、その印刷の過程でかなりの時間がかかるようになり、より高性能なモニターの必要性を感じました。それまでは思った通りの色を出すためにプリンタの前に張り付いて作業していました。そのような状況であったにもかかわらず、長年モニターの購入は必要なことではなくただの贅沢であると思っていたため、購入を決意するには至りませんでした。

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しかし、きっかけとなるある出来事が起きました。数年前、私は歴史の写真を取扱う雑誌の仕事に携わっており、定期的に写真を雑誌社に送っていました。その誌面に掲載された写真の色が、私が思い描いていた色とは異なることが多々ありました。その頃の私は自分のカラーマネージメントのワークフローは正しいと思い込んでいたので、問題は相手側にあると思い、プリンタのカラープロファイルを尋ねました。するとグラフィックデザイナーでもあるフォトエディターからこう言われたのです。「プリンタに問題はありません。あなたの制作環境に問題があるのだと思います。写真の色が正しく見えていないのでしょう。色が正しく見えていない、つまりその色が存在することに気付いていないということです。そのような状態では、色を適切に扱える訳がないですよ。唯一提案するとしたら、広色域表示が可能なEIZOモニターを導入することです。」

彼の言葉から教訓を得ました、もっと簡単に言えば、自分が何を間違えていたのかをこのとき理解しました。EIZOのColorEdgeモニターを導入後、旧モニターで作業を行ったファイルをColorEdgeで開いたとき、その違いに愕然としました。

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ColorEdgeを導入後、色、とくに黒の表現に関して写真の後処理はどのように変わりましたか?

黒背景と鏡面効果(反射)は、後処理次第でデザインに大きな可能性をもたらしますが、一方で、ニュアンスやディテール、コントラストを表現する上で多くのことが問題になりました。後処理は、私にとって非常に重要な作業です。というのも特定の種類の猫の写真においてとても重要な役割を果たしているのです。猫の毛は一本一本異なる陰影を持つので、それを強調させる必要があります。毛並みを完璧に表現するのは想像以上に難しいことです。CG2420の広色域LEDのIPSパネルは、明るさや色を均一に保つよう補正されているだけでなく、Adobe RGBを99%カバーしているため、とても正確な色再現が可能です。それだけでなく、赤と青については、Adobe RGBよりもさらに広い範囲の色表示ができます。

さて、黒色について話をしましょう。猫の長毛種のシルエットをきれいに表現するために、毛と毛の間のほぼすべてのピクセルを編集することが多々必要になります。毛と毛の間にある隙間を背景と同一の黒色に見えるように手を加える必要があるからです。猫の白いひげ周りのピクセルももちろんです。かなりはっきりとした写真であっても、大判プリントにすると肉眼で見たときにすぐにその違いが分かってしまいます。ひげの輪郭部分はダークグレーでなく、本当の黒色に編集しなければなりません。中くらいのスペックの液晶モニターだと、黒を正確に表現できずダークグレーに見えてしまうことがよくあるのです。黒色は絶対に真の黒でなければなりません。

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さてここまで黒の話をしてきましたが、モニターのコントラスト比、つまりモニターに表示される「最も暗い黒」と「最も明るい白」の比率の問題も無視できません。多くの他社製モニターのスペック表には、モニターのコントラスト比は高い値が記載されています。しかし、これらの数字を分析したところで、モニターの実際の黒さは分かりませんし、黒レベルへの影響を考慮せずに輝度を上げて初めて高いコントラスト比が得られる場合も少なくありません。

CG2420を初めとするEIZOのColorEdgeモニターは、非常に精巧な真の黒を表現する技術を持ち、コントラスト比を自動的に最適化することで、深くてきれいな黒を実現しています。

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ホームページ:https://www.lafotografadeigatti.it/

 

導入製品

  • ColorEdge CG2420

同じ24.1型の後継機種CG2420-Zの製品ページはこちら
(CG2420とCG2420-Zの違いは付属ケーブルの種類のみです。)

本事例の内容は取材当時のものであり、閲覧時点で変更されている可能性があります。ご了承ください。


導入事例
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