世界と比較しても、日本は都市部を中心に多くの人が移動手段として鉄道を使う国です。多くの乗客を乗せる鉄道を安全稼働させ、また多くの人が利用する駅の安全・安心を常に保つことは、鉄道会社にとっての最優先事項です。
また世界には、広い国土を持ち、貨物輸送に鉄道を利用する国もあります。現在、COVID-19による移動制限や免疫、検疫措置により、乗客や貨物輸送が減り、鉄道会社に大きな影響を与えていますが、中長期的目線では国内輸送が増大することで、輸送手段として航空機から鉄道へのシフトも考えられます。また、都市での車の渋滞緩和や、環境意識の高まりから、持続可能なモビリティソリューションへの需要は高く、鉄道は成長が見込まれている市場です。
乗客数や貨物輸送量の多い路線では、確実に安全を確保でき、日常業務を効率化する高度な統合セキュリティソリューションが必要です。多く鉄道が行き交う路線を効率的に監視し、利用者や物資を安全に輸送するためには、駅員や警備員が適切な情報を適時に入手できることが必要です。EIZOは、鉄道市場において、人々の安全・安心を守りながら、業務効率化につながるソリューションを提案できます。以下に、EIZOのイベント通知機能を使った鉄道市場での実例を紹介していきます。
EIZOのIPソリューションが、乗客やスタッフの安心と安全、設備の安全をサポート
Case 1
駅構内の混雑をいち早く検知
駅員や警備員・警察は、駅改札、プラットホーム、乗客の乗降などにおいて、人の流れや動作を監視する役割を担っています。利用客や電車の往来の多い大型の駅では、運転指令所で一度に複数のエリアを監視し、大量の情報を追跡しています。駅構内の混雑状況を管理したり、危険な状況を防止したり、事故調査を円滑に行うために、リアルタイムでの通知が必要になります。
EIZOのIPモニター/IPデコーディングボックスは、イベント通知機能により、さまざまなネットワーク機器から送信されたアラートに応じて、あらかじめ設定したアクションを行うよう設定できます。
例えば、検知機能を搭載したIPカメラシステムを駅構内に設置している場合、過度な混雑状態を検知し、ネットワーク経由でEIZOのIPモニター/IPデコーディングボックスにアラートが送信されます。IPモニター/IPデコーディングボックスは、アラートを受信すると自動で、該当カメラの表示レイアウトを拡大したり、警告メッセージを表示したりして、監視者に通知するように設定することができます。
その他の例としては、駅構内でのたむろなどの迷惑行為や置き去りにされたバッグなどの不審物の検知などにも利用でき、人員配置が必要な場面を素早く的確に知らせることで、日々の業務を円滑に進めることをサポートします。イベント通知機能を利用することで、監視者は事件・事故が発生する前にいち早く重要な情報を確認でき、駅利用者やスタッフの安全確保につながります。
Case 2
線路内での立ち往生を検知して事故を防ぐ
地下鉄、電車、路面電車、貨物列車は、何万メートルにもわたる複雑な線路システムの上を走っています。線路や踏切では、車両や人、動物などが列車の進路を妨げることがあり、乗客を危険にさらすだけでなく、鉄道の運行を妨げることもあります。
危険を知らせるリアルタイム通知が前もって作動することで、運転者は乗客、地域社会、周辺の野生動物の安全を確認しながら安心して運転を行うことができます。
現在、世界には50万個以上の踏切があり、自動車侵入などの事故を避けるためには細心の注意を払わなければなりません。EIZOのIPモニター/IPデコーディングボックスは、スイッチポイントや踏切、トンネルなどのリスクの高い場所に設置されたIPカメラが、列車の進路上に車両や人、動物などの物体があることを検知した際に、それを運転指令所に通知するために使用できます。
物体を検知すると、IPカメラからEIZOのIPモニター/IPデコーディングボックスにアラートを送信し、モニター上に瞬時に警告メッセージなどの視覚的な表示を行います。これにより、運転者は、線路上の物体を調査・除去する間、列車を減速・停止・迂回させるなど迅速に対応することができます。また、列車の進路上に倒木や岩などの物体がある場合も同様です。担当者が調査に出向く前に、リモートで内容を視覚的に確認することができれば、迅速に適切な対応ができ、スタッフの貴重な時間とリソースを節約することができます。
Case 3
鉄道設備の安全を24時間体制で守る
鉄道設備は、運転指令所、駅の改札やホーム、保守施設、倉庫、車両基地などの大規模な設備で構成されています。これらの重要な設備の安全を維持するためには、常に監視し、不審者の侵入や火災などの事故を防ぐことが非常に重要です。しかし、限られた人員では難しいのが現実です。鉄道事業者は、これらの場所が24時間365日安全であることを保証するために、統合的なセキュリティシステムを利用しています。
EIZOのIPソリューションは、入退室管理システムと連携することで、より確実に鉄道設備を守ることができます。保守施設や車両基地などの立ち入り制限区域に不審者が侵入した場合には、モニター上に警告メッセージを表示することができます。
監視用IPカメラの人検知機能を利用してIPモニター/IPデコーディングボックスにアラートを送信すると、自動的に監視カメラ映像の表示レイアウトを変更したり、画面に警告メッセージを表示したりして、監視担当者に直ちに通知することができます。これにより、立ち入り制限区域の安全性が確保されます。
まとめ
EIZOが提供する「イベント通知機能」
EIZO の IPソリューションは、鉄道施設で導入されるセキュリティシステムなどのネットワーク機器と連携してさまざまな通知が可能です。入退室管理システムやIPカメラ、VMS(ビデオマネジメントシステム)、火災報知器などの検知システムからアラートが送信されると、EIZOのIPモニターまたはIPデコーディングボックスは、利用者のニーズに応じてあらかじめ設定したアクション(画面の表示レイアウト変更、画面での警告表示、カメラのパン・チルト・ズーム調整、他のネットワーク機器での警告表示など)を行います。IPソリューションによるイベント通知機能の導入は、人や物資を輸送するという、人々の生活になくてはならない業務を担うスタッフの業務負荷を軽減し、利用者やスタッフに安心で安全な環境を提供します。
対応製品
IPデコーディングボックス |
27型IPモニター |
23型IPモニター |
EIZOのイベント通知機能<鉄道編>