global icon

クリエイティブワーク

CS2400Sで広がる、鉄道写真の世界

写真・文:煙道 伸麻呂

image01
 

鉄道写真家の煙道伸麻呂です。EIZO公認 ColorEdge Ambassadorとして長年活動しています。今回はプロの現場でも十分に通用するモニター『ColorEdge CS2400S』を紹介します。私は普段の撮影ロケではノートパソコンを持ち歩き、気に入った写真は簡易現像して、ある程度イメージを固めます。そして、帰宅後に改めて画像処理を行います。その際に自宅の安定した環境下でColorEdgeを使います。このとき初めて写真と向き合い、写真を「作品」として仕上げることができるのです。ColorEdge CS2400Sの特長に沿って、私の作品の仕上げ方をご紹介します。

  • ColorEdge Ambassadorとは、デジタルフォトにおけるカラーマネージメントの啓蒙、普及と、ColorEdgeの機種選定から導入をサポートするEIZO認定のアドバイザー。
     

image02

ColorEdge CS2400SはEIZOの最新カラーマネージメント液晶モニターです。このモニターは、プロフェッショナルなグラフィックデザインや写真編集にふさわしく、優れた色再現性を実現しています。私のメインは鉄道写真です。被写体は車両、風景、人物とあらゆるものを写します。たとえば新幹線の輝く白色、蒸気機関車の鈍く魅せる黒色、など多様な表現が必要です。また最近は写真の用途が大きく変化しました。以前のように印刷物のオーダーは少なく、デジタルサイレージやモニター表示に使われる機会が急増しました。このような変化の中で、近年は特に画像処理に使用するモニター性能が重要となっているのです。その点においてもEIZOのColorEdgeは十分に信頼できる性能を持っているので、長年信頼しています。

image03
「初夏のひととき」ーSL

image04
「夕刻シルエット」ー富士山

さて、このモニターの最大の特長は、10ビット表示による高精細で豊かな色再現です。16ビットのLUT(ルックアップテーブル)を搭載し、信号処理をしています。LUTは、モニターの色を制御するためのデータベースであり、16ビットのLUTを持つことで、豊富な色彩表現が可能になります。これにより、写真やデザイン作品の細かなカラーデータを正確に再現できます。撮影データの細部を確認しながら、クライアントに納得していただける作品を仕上げていきます。豊富な色彩表現のおかげで、ハイライトやシャドーの難しい階調も短時間で正確に操ることが可能です。私が作品を仕上げるときに大切にしているのは、直感的に感じる雲や鉄などの質感です。被写体に適切な階調を与えると、写真特有の立体感が生まれ、世界が広がります。これは撮っただけでは再現できない、レタッチを駆使したプロの技です。思わず触ってみたくなるような質感を目標に、ColorEdgeを使って作品を仕上げます。作品の中に柔らかそうな雲や、硬そうな鉄を表現できれば最高です。

image05
「宇宙へつづく小駅」ー秋風景

image06また、24.1型というサイズはピントの正確さやセンサーゴミの影が瞬間的に判断できます。そのおかげで画像処理がより直感的に行えます。編集ソフトを開きながら、A4サイズの見開き相当を原寸表示することも可能です。まさに実用的な性能が活きる瞬間です。

さらに、ColorEdge CS2400Sは、ColorEdgeの上位機種と同じく広色域で、Adobe RGBを99%カバーしています。これは職業写真家のみならず、アマチュア写真家の活動においても非常に優れた点です。特にフォトコンテストへの応募や写真展での掲示など、クリエイティブな活動を行いたい人には導入に適した一台でしょう。

表示モードもAdobe RGB、sRGB、Calibration、Userなどを任意で選択できます。仕上げる作品がWeb向け、プリント向け、など用途に応じた正確な表示で作業を進められます。キャリブレーションを行い、表示モードに任意の表示設定を登録できることはこだわりの出力紙にプリントする場合に特に便利です。出力する紙の白さに合った表示モードを作成しておけば、Adobe Photoshop等の画像処理ソフトで用紙のプロファイルを指定するだけで、モニター上で出力のシミュレーションが可能です。このように色域の広さがあるからこそ、生き生きとした鮮やかな色彩を実現し、作品の表現力を高めます。

鉄道車両には再現が難しい色があります。その一つが、かつてお召し列車を牽引していたEF5861号機が纏う「ため色」です。塗料を何層も塗り重ねた末に生まれた、漆器に似た深みのある色です。今回は鉄道ファンならば誰もが知る、この由緒ある色をColorEdge CS2400Sを使用して再現してみました。この色は光の反射によって受ける印象が異なります。そのため実物の色を再現することが難しい被写体です。ColorEdge CS2400Sは広範な色域をカバーしているおかげで、画像処理も楽々進みました。シャドー部の階調に重みを残すことで、濃厚で美しい色へと仕上がりました。作業後は再びモニターに表示して鑑賞会です。完成したものは、まるで実車を見ているような、美しく艶のある佇まいです。とても満足のゆく作品を仕上げられました。このようにColorEdgeは、作業用だけでなく鑑賞用としても大活躍します。完成した作品を眺めているときは、まさに至福のひとときです。

image07
「鮮やかな緋(あか)」ーEF5861

image08さらに便利な機能は、USB Type-Cを搭載していることです。PCとケーブル1本で接続するだけで、映像の表示、USB信号の伝送を実現します。本体がUSBポートとして機能するため、モニターを中心にカメラやメモリなどを接続し、快適なパソコン生活が過ごせます。さらに、作業をしながらのモニターからPCへの給電も可能です。これは一度体験すると、とても便利さを感じる機能です。

ColorEdge CS2400Sは、プロフェッショナルなグラフィックデザインや写真編集においても、優れた色再現性と高いパフォーマンスを提供するモニターです。こちらの製品はCSシリーズなので、外付けのセンサーを使用して、定期的にハードウェア・キャリブレーションを行う必要があります。難しそうに聞こえるかもしれませんが、操作はとても簡単です。手順通りに専用のソフト(ColorNavigator 7)を開き、決められたポイントにセンサーを吊るしてキャリブレーションを実行、数分待てば完了。初心者でも確実にキャリブレーションできます。しっかりと色管理をすれば、十分に応えてくれます。

これまでColorEdge Ambassadorとして、プロの写真家からもEIZOモニターについての相談を受け、製品を導入していただく機会が数多くありました。今回改めてColorEdge CS2400Sを体験して、プロユースでも十分に応えてくれる性能があると確信しました。もちろんプロだけでなく初心者でも安心して扱える、お手軽な高性能モニターです。写真活動をするすべてのひとへ、おすすめできるスタンダードな一台です。
 

今回お使いいただいた製品

ColorEdge CS2400S

 

筆者

nobemaroendo煙道伸麻呂(えんどうのべまろ)

EIZO公認 ColorEdge Ambassador
日本写真学会 正会員
フォトマスターEX 日芸卒
国内旅行業務取扱管理者

2012年からフリーランスの写真家として活動する。
現在は大手鉄道会社の公式撮影を担う。鉄道会社や機材メーカー主催のコンテスト審査を歴任。WEB3.0時代の写真活動へいち早く取り組む。テレビ番組制作の勤務経験をもとに、テレビやラジオなどメディア出演や鉄道特集のアドバイザーを務める。近年は写真を通した国際交流に注力する。蒸気機関車の美姿を追い求めた作品「煙道」は根強いファンが多い。

展覧会:「Overrun」「SEVEN」「ENDO」「煙道」
ColorEdge CG2700Sユーザー

 

  • facebookアイコン
  • Xアイコン
  • youtubeアイコン
  • Instagramアイコン
  • rssアイコン