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産業用途

株式会社 FullDepth 様

FullDepth様ロゴ
 

水中ドローンで撮影した映像をEIZOの視認性向上システムで鮮鋭化
問題箇所の早期発見、早期対応を可能に

 2014年創業の株式会社FullDepthは、産業用水中ドローン「DiveUnit300」を軸に、日常使いできる水中アクセス手段の提供をコンセプトに、水中での調査や点検を行える水中ドローンを開発・製造するメーカーです。同社の水中ドローンはダム、港湾、洋上風力発電所のインフラ点検や、漁礁など幅広い分野で活用されており、水中探査において大きな課題であった大掛かりな設備や人員を必要とせず、低コストでの運用が可能です。この度、当社の視認性向上システム「DuraVision EVS1VX」を同社に導入いただきました。そこで、営業部マネージャーの船津氏に、EVS1VXが水中ドローンの映像システムにどのように活用されているか、お話を伺いました。

水中ドローンが活用されるさまざまな分野
 

御社の水中ドローンについて詳しく教えてください。

 当社の産業用水中ドローン『DiveUnit300』は、自社開発のホバリング機能やフルHDカメラを搭載し、最大潜航深度300mを実現した国産初の水中ドローンです。重さは約28kgと大人2名で運用できるサイズで、最大の特長は、映像信号を伝送するケーブルの3.7mmという細さです。光ファイバーを守る被覆ケーブルの強度も136kgまで加重できる強さを誇ります。また、PCとLTEユニットが専用のキャリーケースに収納されており、インターネット経由でリアルタイムに映像配信ができるため、遠隔地で映像の確認が可能です。

  • 機体の姿勢や速度などを自動で安定させるための装置 (オプション)


ドローン画像
 

視認性向上システム「EVS1VX」の活用方法について教えてください。

 水中ドローンのカメラで撮影した映像をHDMI信号に変換しEVS1VXに入力、視認性を向上させ、HDMIで高輝度モニターに出力し、映像を確認しています。視界の悪い水中映像を鮮鋭化しリアルタイムに確認ができるので、水中ドローンを細かく操縦して、点検を行えます。水中の濁りを取り除き、適正なコントラストで映像を確認できるので、管路トンネルやダムの躯体面といったインフラ設備修繕のための問題箇所を発見しやすくなります。 EVS1VXと産業用水中ドローン「DiveUnit300」
EVS1VXと産業用水中ドローン「DiveUnit300」

 

視認性向上システム「EVS1VX」の選定理由、メリットについて教えてください。

 「EVS1VX」が他社製品と比べて、小型軽量でありながら、ハードとしても作りが良く信頼度が高かったことが第一の理由です。また、配線もシンプルなので、メンテナンスも楽で助かっています。また、「EVS Image Optimization Utility」という調整ユーティリティソフトがEIZO社から提供されており、目的に応じて、もや補整、暗部補整、色味補整、高感度ノイズの低減、クラックの強調といった、細かな映像調整ができます。水質によって異なる視界の悪さに応じてパラメーターを細かく調整でき、リアルタイムに見たい箇所の映像を鮮鋭化して見ることができるので、お客様へのデモでも大変好評です。

■調整ユーティリティソフト「EVS Image Optimization Utility」を使って水中ドローンの撮影映像を細かく調整する様子
(~0:26:取水塔の点検 0:27~:管路の点検)
・赤枠で囲われた部分がEVS1VXでの視認性向上後の映像。視認性向上の処理をかける範囲の選択も可能。

 川や海のインフラ設備などでは通常、ダイバーが潜って撮影をしたり、場合によっては抜水して対応するため、作業日数やコストがかかります。一方、水中ドローンでは手軽にかつ安全に点検することができます。撮影する環境によっても濁度がそれぞれ異なります。水質はさまざまで、白っぽいものから茶色っぽいものまであります。EVS1VXを使って、映像の視認性を良くすることで点検箇所がはっきりするので、問題箇所の早期発見、早期対応が可能になります。

  • 水の濁りの程度。水に混合するカオリン材の分量に応じて規定されており、チャートやスケール等で対象物を識別できるか測定し、判断される指標。濁りが大きいほど度数が高くなる。

EIZOに対する要望

 日本の河川の濁度はとても高く、水中ドローンを使った撮影でも点検が非常に困難なケースが多いです。濁度が非常に高い環境においては、対象物に対して1~2cmでの接写であれば、可視光のカメラでも撮影映像の確認ができますが、広角で撮影した映像の確認は困難です。このような環境においても、赤外線カメラを使わずとも撮影映像の鮮鋭化で対応できるよう、今後もEIZO様の視認性向上の技術面での進化に期待しています。
 

今後の展望について

 深海の最深部を意味するFullDepth(フルデプス)。この社名には地球最後の秘境と言われる深海のすべてをこの目で確かめたい、そんな創業者の想いが込められています。夢とビジネスのマッチングはさらなる可能性を秘めています。国産初となる水中ドローンメーカーとして、川用、海用などアプリケーションに応じて色々とカスタマイズできることが当社の独自性であり、強みです。洋上風力発電から、ダムや下水道、河川の橋梁などのインフラ維持管理にいたるまで、さまざまなユーザー様の期待に応えるべく、今後も独自の技術・開発力で対応、進化していきたいと思います。 社内に設置された検証等で使用する水槽
社内に設置された検証等で使用する水槽

 

■ご協力
株式会社 FullDepth
ホームページ:https://fulldepth.co.jp/


 

 

導入製品

DuraVision EVS1VX

本事例の内容は取材当時のものであり、閲覧時点で変更されている可能性があります。ご了承ください。


導入事例
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