ヒューマンドキュメント

商品設計・開発[回路]/江曽時輝

仮説をもとに"理論値"を読み解き、改善策を提案
多種多様なシステム開発を支えていく

江曽 時輝  
PROFILE
●江曽時輝(えそ ときみつ)
モジュール&ものづくり統括部表示システム開発課。2016年入社。電子機械工学専攻修了。モットーは「Everything changes but change itself」。

シミュレーションで開発のコスト削減、スピードアップを図る

江曽のもとには、電気回路を設計する社内のエンジニアから数々の依頼が届く。
USB・HDMIを含む外部インターフェースや、液晶パネルとLSI間などのシステム部分の回路が期待どおりに作動するかどうか――。江曽は電気回路のシミュレーションを行い、さまざまな機種のシステム開発をサポートしている。
「かつては、試作し実際に波形観測をしながら修正を加えていく、状況によっては再度試作を実施するという方法を取っていましたが、この方法だと時間とコストがかかってしまいます。事前にシミュレーション上で実機と同様の検証を行うことで、電気回路設計の評価に関わる工数を減らし、開発にかかるコスト削減とスピードアップが期待できます」と、江曽は語る。
ただ、依頼のあった電気回路を単にシミュレーションしているだけではない。あくまでも、シミュレーションで弾き出されるのは理論値。合否判定を担うのはコンピュータではなく、ヒトの仕事だ。検証目的を正確に理解したうえで仮説を立て、シミュレーションの手段を提案し、導き出された理論値と仮説とを比較して合否の判断をする。加えて、もし不具合があったならば、導き出された値から原因を探り、改善策を提案する。
「時に、実機では原因が見つかりにくい問題が、シミュレーションを活用することで分かることがあります。入社3年目の頃ですね。ある機種の開発で、シミュレーションを活用し原因を突き止め、改善策を提案できました。さまざまなシステム開発に携わる中で、少しずつ成長できているのかなと感じています」。江曽はこう話し、穏やかな笑顔を浮かべる。

技術に触れ、人と出会う中で"変化"していく

もしかしたら、ここまでの江曽の仕事ぶりを紹介すると、コンピュータと向き合い、数値とにらめっこをする毎日を想像するかもしれない。しかし、それはほんの一部分。確かなシステム開発につなげていくためには、さまざまな課にまたがるエンジニアとの綿密な打ち合わせは欠かせない。
さらに言えば、周囲の人たちとのつながりが江曽の成長を支えているとも言える。「ともにキャリアパスを描いてくれる上司がいます。業務上、かかわる他の課の先輩もよく気にかけてくれて、いろいろと教えていただいています。課に関係なく、若手を育む社風が、EIZOの魅力の一つです」と江曽は言う。加えて、部署は違っても、多彩な経験を重ねながらスキルを磨いていく同期の存在も、大きな刺激となっているようだ。
日々、技術が進歩し、EIZOの製品に求められる品質が高まっていく中、教科書通りにいくシステム開発など一つもない。「Everything changes but change itself」。全てのものは変化する。「変化するということ」自体を除いては――。第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディが残したこの言葉をモットーに、江曽は、今日も新たな技術に触れ、積極的に人と出会う中で、さらなる高品質を実現するための"変化"を続けている。

[この内容は 2019年12月にインタビューしたものです]

江曽時輝への一問一答

Q. 学生時代に興味のあったことは何ですか。
A. バレーボールに打ち込んでいました。中学卒業後は、5年制の高専に進み、1年時から北陸の大学リーグに出場していました。自分自身の性格は「超負けず嫌い」。入学した頃は3部リーグだったのですが、練習内容を見直して練習を重ね、最終的には1部リーグにまで引っ張ることができました。
 
Q. EIZOへの入社動機を教えてください。
A. EIZOで経験した長期間のインターンシップが、大きなきっかけになりました。アプリケーション開発を経験させていただき、社員みんなが技術を高めようと真摯に向き合う姿勢に衝撃を受けました。さらに、開発職は勤務体系がフレックス制になっていて、自分なりにワークライフバランスを考えて働ける点も魅力でした。
 
Q. 仕事をしてきた中で一番の失敗談を聞かせてください。
A. 少し仕事にも慣れてきた入社2年目の時でした。電気回路の検証を実施したのですが、目的や手段など電気設計担当者の意図を正しく理解できておらず、担当者に改めて確認したうえで同じような業務を再度やり直すこと(手戻り)になってしまいました。受け身で仕事をするのではなく、主体的になって積極的にコミュニケーションを取って仕事をする大切さを学びました。