ヒューマンドキュメント

商品設計・開発[ソフトウェア]/西村渚佐

海を越えて"色"をつなぐ
アプリケーション開発に挑む

西村渚佐  
PROFILE
●西村渚佐(にしむら なぎさ)
映像技術開発部アプリケーション開発課。2014年入社。情報学研究科修了。モットーは「興味のあることは調べる、話を聞く、話す」。

プログラムの担当が自信に

デザインや写真、CGアニメ、映像などにかかわるクリエイターから圧倒的な支持を受けるモニターがある。カラーマネージメントモニター「ColorEdge」。EIZOが誇るクリエイティブワーク向け製品であり、最大の特徴は、極めて正確に"色"を再現できる点だ。
西村は、ColorEdgeの生命線である"色"を、より簡単に設定できるアプリケーションの開発に取り組んでいる。西村の携わる技術を用いれば、モニター管理者が設定すると地球の反対側にいる相手にも全く同じ色で表示した画面で確認してもらうことが可能だ。実際、アメリカ・ハリウッドで制作した映像をアジアで編集するなど、遠隔地を結んでColorEdgeが活躍している。
イメージしたままの色を再現する――。クリエイターの強い要望を実現するべく日々奮闘するEIZOの技術者の意識の高さは、学生時代に画像処理に関する研究に携わってきた西村にとっても大きな驚きだったという。「これまでは、色の違いに対する意識はあまりありませんでした」。こう振り返る西村だが、色に注目し、わずかな違いまで見比べるそんな開発に携わる中で、見方はどんどん変わっていった。「一眼やコンパクトなど、カメラの種類でも色の再現度は全然違います。気になるようになりましたね」と笑う。
もちろん、意識の高まりと並行し、エンジニアとしてのスキルも磨かれている。入社2年目の秋には、初めて仕様検討から関わったアプリが完成。グループ会社向けの色調整のためのアプリでカスタマイズには苦労したが、エンジニアとして大きな自信に繋がった。

より広い視点で考えられるエンジニアへ

もちろん、順風満帆な成長ストーリーだけではない。2015年2月、西村は横浜で開かれたカメラや写真系の展示会に参加し、ColorEdgeの色合わせのデモンストレーションを行った。来場者の反応は上々。携わるEIZOブランドに自信を深めるきっかけとなった。同時に、悔しさも感じる展示会となった。 「想定した質問への答えはしっかりと用意していましたが、皆さんの関心が高い製品であり、当日はさまざまな質問が出ました。でも、マニュアルから少しでも外れるとうまく対応できなくて」。
こう反省の言葉を口にする西村は、さらなる技術の習得に貪欲だ。しかも、その意識はモニターに関することだけではない。「私自身はまだまだ余裕がなく、一つのことに集中し過ぎてしまいます。その点、先輩たちは社会全体や新技術について広く関心を持っていて、ぜひ私も見習いたい」と西村。さらに、課内には同じエンジニアとして活躍する女性の先輩もおり、これからのキャリアを描くうえでの指針となっている。
まだまだエンジニアとしての道は始まったばかり。悩み、もがきながらも、より高いステージを見据え、西村は着実に歩を進めている。

[この内容は 2016年2月にインタビューしたものです]

西村渚佐への一問一答

Q. 学生時代に興味のあったことは何ですか。
A. 高校生のころからCGや映像作品などに興味があり、大学・大学院を通して画像処理・認識技術の研究に取り組みました。防犯カメラの映像解析がメインテーマでした。
 
Q. EIZOへの入社動機を聞かせてください。
A. 画像処理について学んでいたので、カメラや印刷などの画像や映像に関する仕事に就きたいと考えていました。その中で、EIZOにひかれた理由としては、高い技術力やものづくりへのこだわりが感じられたからです。それに、説明会で先輩社員と話す機会があり、その際にとてもフランクに話していただき、そんな社風にも魅力を感じました。
 
Q. 社内にライバルはいますか。
A. やはり同期入社のメンバーは気になる存在です。たとえ部署が違っていても、仕事の話をしていると、「自身の携わる仕事について、その内容や全体の流れの中での位置づけを理解できているだろうか」と考えることがあります。