ヒューマンドキュメント

品質保証/槙坂光太郎

EIZOの品質を担うのは自分自身。
そのプライドに若手もベテランも関係ない

槙坂光太郎  
PROFILE
●槙坂光太郎(まきさか こうたろう)
品質保証部品質保証課。2013年入社。理学研究科宇宙地球科学専攻修了。モットーは「自身が納得できる仕事をする」。

部品メーカーと協業し、「品質=仕様化されない価値」を追求する

入社5年目を迎えた槙坂。これからの歩みの中で、さまざまな岐路に立ち会うことだろう。ただ、彼にとって第一のポイントが入社2年目であることは間違いない。
当時、槙坂は品質保証課の一員として、ある部品メーカーとともに不良率の低減に全力を注いでいた。その部品はEIZOならではの魅力的な製品開発には不可欠であるものの、不良率が高いという看過できない欠点があった。
「確かな品質のもとで生産と販売を続けるためには、品質改善が急務でした」と槙坂は振り返る。
ともすると、生産効率を優先し品質基準を緩める判断もあったのかもしれない。それでもこれまで築いてきたEIZOの品質レベルとユーザーが期待する信頼を守るには決して見過ごすことのできない問題であった。若手かベテランかは関係ない。品質保証を担う一人としてそこに妥協は一切なかった。
槙坂は部品メーカーの担当者と何度も話し合い、問題の原因を追究し、部品メーカー内での検査の正確性向上や部品管理手法の見直しを依頼した。時には上司とともに現地中国にも足を運び、具体的な解決方法をともに模索することもあった。
試行錯誤を繰り返し、部品メーカーともコミュニケーションを深め、信頼関係を築く中で、成果は数値として表れてきた。「最終的には不良率を半分にまで落とすことができ、高い品質のもと、安定的な量産体制を築くことができました」。 こう語る顔には自信があふれている。一つの経験が槙坂を大きく成長させたのだ。

「思うようにやってみろ」。上司の言葉が励みに

槙坂の成長につながった背景には、社内の雰囲気も深くかかわっている。「品質保証課の先輩や上司は品質への意識がとても高く、製品に対して厳しい目を持っています。一方で、話しやすく、若手にも責任ある仕事をどんどん任せてくれます」と槙坂。くだんのエピソードの際も、「思うようにやってみろ」と上司から全面的に信頼してもらったことが励みとなり、さまざまな壁を乗り越える一助となった。
もちろん、槙坂自身の向上心にもかげりはない。「品質保証課の業務は製品評価、品質管理、問題解決など、多岐にわたります。これまでは一つ一つの仕事を丁寧にやることに全力でした。これからはより効率的に最適な答えを見つけ出せるようにするのが課題です」。こう話す槙坂は、入社以来担当してきたクリエイティブ分野だけでなく、異なる分野のモニターの知見も広げていきたいという。入社5年目の今、槙坂は飛躍に向けた新たなターニングポイントを迎えているのかもしれない。

[この内容は 2018年1月にインタビューしたものです]

槙坂光太郎への一問一答

Q. 学生時代に興味のあったことは何ですか。
A. 学生時代は、「大学でないとできないことをしよう」と考えていました。1年次から研究室にもぐり込んだり、課外活動に参加して火山フィールドワークに出かけたりするなど、「大学=研究と学びの場」としてとらえ、さまざまな経験を重ねました。
 
Q. EIZOへの入社動機を教えてください。
A. 高付加価値の映像機器を提供するという企業方針が明確で魅力的だったからです。さらに、企業説明会で先輩社員と話す中で、「明るく風通しのいい社風」を実感し、入社後の環境をイメージしやすかったのも、企業を選ぶ際の決め手となりました。
 
Q. あなたのモットーは何ですか。
A. 「自身が納得できる仕事をする」です。品質保証の仕事は問題が何も起きないのが一番で、外からは仕事の良否が評価しにくい仕事です。だからこそ、自分で納得できる仕事をしていきたいと考えています。