詳細な調整 / 設定
この章では、設定メニューを使ってモニターを詳細に調整 / 設定する方法を説明します。モニター前面のボタンで設定できる基本的な機能については、基本の調整 / 設定を参照してください。
設定メニューの基本操作方法
- いずれかのスイッチに触れます(を除く)。
- 操作ガイドが表示されます。
- を選択します。
- 設定メニューが表示されます。
- で、調整 / 設定したいメニューを選択し、を選択します。
- サブメニューが表示されます。
- で、調整 / 設定したいメニューを選択し、を選択します。
- 調整 / 設定メニューが表示されます。
- またはで、調整 / 設定し、を選択して確定します。
- サブメニューが表示されます。
調整 / 設定中にを選択すると、調整 / 設定を中止して変更前の状態に戻ります。 - を数回選択すると、設定メニューが終了します。
設定メニューの各機能
信号設定
カラーフォーマットや入力レンジなど、入力信号の詳細を設定します。
入力信号情報
入力信号の情報を確認できます。
カラーフォーマット
設定値:「自動」/「YUV 4:2:2※1」/「YUV 4:4:4※1」/「YUV※2」/「RGB」
- HDMI入力の場合のみ有効
- DisplayPortまたはUSB-C入力の場合のみ有効
入力信号のカラースペースを指定できます。
正しい色が表示できない場合に、設定を変更してみてください。通常は、「自動」を選択してください。
YUVカラーマトリクス
設定値:「自動」/「BT.601」/「BT.709」/「BT.2020」
入力信号のYUV形式を選択します。入力信号の問題で階調潰れなど正しく画像が表示できない場合に使用します。
入力レンジ
設定値:「自動」/「フル」/「リミテッド (109% 白)」/「リミテッド」
外部機器によっては、モニターに出力する信号のビデオレベルの黒および白が制限されていることがあります。制限されたままモニターに信号を表示すると、黒が淡く、白がくすんで表示され、コントラストが低下します。このような信号を、モニター本来のコントラスト比になるように、モニター側で表示するビデオレンジを切り替えることができます。
- 「自動」
- 入力信号のレンジを自動的に判別し、適切に表示します。
- 入力信号がフルレンジの場合、「フル」として表示します。
- 入力信号がリミテッドレンジの場合、「リミテッド」として表示します。
- 「フル」
- 入力信号の輝度レンジを0~255(10ビット:0~1023)として表示します。
- 「リミテッド (109% 白)」
- 「ガンマ (EOTF)」が「1.6」~「2.7」の場合、入力信号の輝度レンジを16~254(10ビット:64~1019)として表示します。それ以外の場合、16~235(10ビット:64~940)として表示します。
- 「リミテッド」
- 入力信号の輝度レンジを16~235(10ビット:64~940)として表示します。
カラー調整
選択しているカラーモードによって設定内容が異なります。
カラーモードがStandard Mode(User / Adobe®RGB / sRGB)の場合
各カラーモードのカラー設定を、お好みにあわせて調整できます。
注意点
- モニターにはそれぞれ個体差があるため、複数台を並べると同じ画像でも異なる色に見える場合があります。複数台の色を合わせるときは、視覚的に判断しながら微調整してください。
参考
- 「輝度」「色温度」は調整の目安としてご利用ください。
カラーモード
設定値:「User」/「Adobe®RGB」/「sRGB」/「CAL1」/「CAL2」/「CAL3」/「CAL4」/「CAL5」/「CAL6」/「CAL7」
モニターの用途に応じた表示モードに切り替えます。
参考
- 各モードの切り替え方法は、表示モード(カラーモード)を切り替えるを参照してください。
- 「CAL1 / CAL2 / CAL3 / CAL4 / CAL5 / CAL6 / CAL7」については、カラーモードがAdvanced Mode(CAL1 / CAL2 / CAL3 / CAL4 / CAL5 / CAL6 / CAL7)の場合を参照してください。
輝度
設定値:「40 cd/㎡」~「450 cd/㎡」
バックライト(液晶パネル背面の光源)の明るさを変化させて、画面の明るさを調整します。
参考
- 設定できない値が選択されている場合は、値がマゼンタで表示されます。値を変更してください。
色温度
設定値:「Native」/「4000 K」~「10000 K」/「D50」/「D65」/「User」
色温度を調整します。
「白」の色度を表現するときに用いられるもので、K:Kelvin(ケルビン)という単位で表します。
炎の温度と同様に、画面は色温度が低いと赤っぽく表示され、高いと青っぽく表示されます。
100 K単位で色温度値を設定するか、規格名を選択します。
参考
- 「Native」を選択すると、液晶パネル本来の色で表示されます。
- 「ゲイン」でさらに詳細な調整が可能です。ゲインの値を変更すると、色温度は「User」になります。
- 色温度の設定値ごとにゲインのプリセット値が設定されています。
ガンマ (EOTF)
設定値:「1.6」~「2.7」/「sRGB」
ガンマ値を調整します。
モニターは入力される信号によって明るさが変化しますが、この変化率は入力信号と単純な比例関係にありません。そのため入力信号と明るさの関係が一定の関係になるよう制御をおこなうことをガンマ補正といいます。
ガンマ値を設定するか、規格名を選択します。
色域
設定値:「Native」/「Adobe®RGB」/「sRGB」
モニターの色再現域(色域)を設定します。
表現できる色の範囲を「色域」といい、複数の規格が定義されています。
参考
- 「Native」を選択すると、液晶パネル本来の色域で表示されます。
- 定義された色域のうち、モニターが表示できない範囲の色の表示方法を設定することができます。詳細は、詳細設定 - 色域クリッピングを参照してください。
詳細設定 - 色相
設定値:「-100」~「100」
色相を調整します。
参考
- この機能を使用することによって、すべての色階調を表示できないことがあります。
詳細設定 - 彩度
設定値:「-100」~「100」
彩度を調整します。
参考
- この機能を使用することによって、すべての色階調を表示できないことがあります。
- 最小値(-100)で白黒の画面となります。
詳細設定 - 色域クリッピング
設定値:「オン」/「オフ」
色域で設定した色域のうち、モニターが表示できない範囲の色の表示方法を設定できます。
- 「オン」
- モニターが表示できる範囲の色は、規格に合わせて正確に表示します。表示できない範囲の色は飽和します。
- 「オフ」
- 色の正確性よりも、階調性を重視して表示します。規格で定義された色域の頂点を、モニターが表示できる範囲に移動します。これにより、モニターが表示できる最も近い色で表示します。
参考
- 上図は概念図であり、製品の実際の色域を示すものではありません。
- この設定は色域で「Native」を選択すると無効になります。
詳細設定 - ゲイン
設定値:「0」~「2000」
色を構成する赤、緑、青のそれぞれの明るさをゲインと呼びます。これを調整することで、「白」の色度を変更することができます。
参考
- この機能を使用することによって、すべての色階調を表示できないことがあります。
- 色温度の値に応じてゲインの値が変わります。
- ゲインの値を変更すると、色温度は「User」になります。
詳細設定 - 6色
設定値:「-100」~「100」
Magenta、Red、Yellow、Green、Cyan、Blueの色相、彩度、および明度(明るさ)を個別に調整します。
リセット
現在選択しているカラーモードのカラー調整値を初期設定に戻します。
カラーモードがAdvanced Mode(CAL1 / CAL2 / CAL3 / CAL4 / CAL5 / CAL6 / CAL7)の場合
カラーマネージメントソフトウェア「ColorNavigator 7」による色の調整状態を表示します。
カラーモード
設定値:「User」/「Adobe®RGB」/「sRGB」/「CAL1」/「CAL2」/「CAL3」/「CAL4」/「CAL5」/「CAL6」/「CAL7」
モニターの用途に応じた表示モードに切り替えます。
参考
- 各モードの切り替え方法は、表示モード(カラーモード)を切り替えるを参照してください。
- 「User / Adobe®RGB / sRGB」については、カラーモードがStandard Mode(User / Adobe®RGB / sRGB)の場合を参照してください。
リセット
現在選択しているカラーモードに設定されている調整目標を初期設定に戻します。
スクリーン
画面の表示サイズやカラーフォーマットなど、入力信号の詳細を設定します。
画面拡大
設定値:「自動※1」/「フルスクリーン」/「アスペクト比固定」/「等倍」
- HDMI入力の場合のみ有効
モニター画面に表示するサイズを切り替えることができます。
- 「自動」
- 入力信号の解像度情報とアスペクト比情報に応じて、自動的に表示サイズを切り替えます。
- 「フルスクリーン」
- 画面全体に画像を表示します。ただし、拡大比率は縦、横一定ではないため、表示画像に歪みが見られる場合があります。
- 「アスペクト比固定」
- 画面全体に画像を表示します。ただし、拡大比率を縦、横一定にするため、水平、垂直のどちらかの方向に画像が表示されない部分が残る場合があります。
- 「等倍」
- 設定した解像度のまま、または入力信号のままの大きさで画像が表示されます。
参考
- 設定例
本体設定
使用環境やお好みに合わせて、モニター本体の設定をおこないます。
メニュー回転
設定値:「0°」 / 「90°」
モニターを縦表示にした場合は、設定メニューの向きも変更することができます。
参考
- ケーブル類が正しく接続されているかご確認ください。
- モニターを縦表示するためには、外部機器の設定が必要です。詳細は当社のWebサイトを参照してください(www.eizo.co.jp/i/rotation )。
パワーセーブ
設定値:「オン」/「オフ」
外部機器の状態と連動して、モニターを省電力モードにすることができます。
信号が入力されなくなったことを検出してから、約15秒後に省電力モードに移行します。省電力モードに移行すると、画面が非表示になります。
- 省電力モードからの復帰方法
- モニターに信号が入力される。
参考
- 省電力モードの移行の5秒前になると、移行をお知らせするメッセージが表示されます。
- モニターを使用しないときは、主電源を切るか、電源プラグを抜くことで電力が消費されなくなります。
- モニターが省電力モードに移行しても、USBダウンストリームポートに接続している機器は動作します。また、USB-Cコネクタに接続している機器に電源が供給されます。そのためモニターの消費電力は、省電力モードであっても接続される機器によって変化します。
ランプ輝度
設定値:「オフ」/「1」~「7」
画面表示時の電源ボタンおよび操作ボタンの明るさを設定することができます。(初期設定:4)
ビープ音
設定値:「オン」/「オフ」
スイッチを操作したときの操作音を設定することができます。
入力スキップ
設定値:「スキップ」/「-」
入力信号を切り替えるときに、使用しない入力信号をスキップすることができます。
参考
- すべての入力信号を「スキップ」にすることはできません。
モードスキップ
設定値:「スキップ」/「-」
モードを選択するときに、使用しないモードをスキップすることができます。表示するモードが限定されている場合や、表示状態をむやみに変更したくない場合にご利用ください。
参考
- すべてのモードを「スキップ」にすることはできません。
カスタムキー - [F1]
設定値:「オフ」/「輝度」/「カラーモードリターン」/「インフォメーション」
[F1]キーに割り当てる機能を設定することができます。
参考
- 初期設定では、「インフォメーション」機能が設定されています。
- カスタムキーについては、カスタムキーの設定を参照してください。
カスタムキー - [F2]
設定値:「オフ」/「輝度」/「カラーモードリターン」/「インフォメーション」
[F2]キーに割り当てる機能を設定することができます。
参考
- 初期設定では、「カラーモードリターン」機能が設定されています。
- カスタムキーについては、カスタムキーの設定を参照してください。
USB選択 – HDMI / DisplayPort / USB-C
設定値:「USB-1 (USB-C)」/「USB–2」
1台のモニターに2台の外部機器を接続している場合、入力信号とUSBアップストリームポートを関連づけることができます。これにより、入力信号の切り替えに連動して、USBポートが自動的に切り替わります。2台の外部機器で1台のモニターをキャリブレーションする場合でもUSBケーブルを接続し直す必要はありません。また、マウスやキーボードなどのUSB機器をモニターに接続して2台の外部機器で使用することができるようになります。
入力信号によって、初期設定値が異なります。
入力信号 | 初期設定値 |
---|---|
HDMI、DisplayPort | USB-2 |
USB-C | USB-1 (USB-C) |
参考
- 設定を変更する際は、モニターにUSBメモリーなどの記憶装置を接続している場合、記憶装置を取り外してから設定を変更してください。データの消失、破損の恐れがあります。
- USBダウンストリームポートは、表示中の外部機器で動作します。
オールリセット
「管理者設定」メニュー内の設定を除く、すべての設定内容を初期設定に戻します。
言語選択
設定値:「英語」/「ドイツ語」/「フランス語」/「スペイン語」/「イタリア語」/「スウェーデン語」/「日本語」/「簡体中国語」/「繁体中国語」
メニューやメッセージの表示言語を選択することができます。
インフォメーション
モニターの情報(製品名、製造番号(S/N)、ファームウェアバージョン、使用時間)と、入力信号の情報を確認することができます。
例: