映像作家江夏 由洋氏
江夏氏は、1998年東京放送(TBS)に入社後、スポーツ局のディレクターとしてドキュメンタリー番組を中心に数多くの中継を担当。2008年から、兄・正晃氏とともに株式会社マリモレコーズを設立して独立後、企画・撮影から編集・配信まで映像制作をトータルに行う映像クリエイターです。映像のプロであり、ColorEdgeを普段から愛用する江夏氏の目にCS2740はどう映ったか、率直な使用感を伺いました。
Q1.
CS2740を使用した印象を
教えてください。
動画の編集で私が一番力をいれているのが「色編集」と言ってもいいと思う。色をいじるときに作品の世界が決まる。特に最近のデジタルシネマのカメラの進化は著しく、人間の目では捉えることのできない色まで記録できるようになり、ポストプロダクションの段階で膨大な色の情報をパソコンの編集タイムラインで調整できるようになった。
だからこそ大切にしたいのが「正しい色を表示できる信頼のおけるモニター環境」なのである。
特に通常のPCモニターと、映画やテレビでは色域やガンマといった色や輝度を表現する規格はまったく違う。映像制作において、ノンリニア編集がメインストリームとなる今、PCモニターで、放送用やシネマ用の色を作っていく場面が圧倒的に増えてきた中で、なんとなく従来のPCモニターでそのまま編集を続けている人が多いのではないだろうか。一方で、いわゆるマスモニを別途用意するとなると、それなりの費用や知識が必要になってしまうことが大きな障壁にもなっている。
CS2740はそんな問題を一度に解決してくれると言っていいだろう。27インチ4Kという映像編集にはもってこいの表示解像度である。コストパフォーマンスも高く、キャリブレーションやプロファイルの管理も実に簡単に行える。色の管理は本当に難しいとされる中、これ一台で誰もが完璧な色編集の環境を整えられるようになった。これは画期的である。
特に写真の編集に加え、Web用のコンテンツ、YouTubeなどの動画、放送用のコンテンツなど多岐にわたる納品形態を扱うため、sRGBからRec.709、Adobe RGBなどの各種カラーモードをモニターのボタン一つで表示プロファイルごと切替えられるのはとても便利だ。
また、キャリブレーションセンサーEX4を使ったキャリブレーション時間も大幅に短縮されているだけでなく、専用のカラーマネージメントソフトウェアのColorNavigator 7の使い方も非常に簡単だ。またUSB Type-Cであればケーブル一本でモニターとノートPCのデータのやり取り、ノートPCの充電ができるというのも嬉しい。
従来の「表示するだけのモニター」から「PCと連動するカラーマネージメントモニター」として使用することができる。
これ一台で、通常の動画編集の作業がすべてカバーできると言っていいだろう。もちろん、ムラのない表示や、クリアで美しい階調表現、色変化の少ないアンチグレアのIPSパネルなどの品質は申し分なく、クリエイターの中でも大変支持されているEIZOブランドが更なる安心と信頼を与えてくれることは間違いない。
江夏氏の作品
Q2.
動画制作を楽しむ皆様に
お勧めのポイントを
教えてください。
動画編集をされる方は、CS2740に加え、別売のキャリブレーションセンサー「EX4」を購入することを強くお勧めする。これにより、Rec.709の色域表示を新たにプロファイルとして追加することができるからだ。
また定期的にキャリブレーションを行うことで、わずかなカラーシフトも補正を行えるので、万全な色編集環境を整えられる。キャリブレーションの作業はとても面倒という印象があるかもしれないが、新しいColorNavigator 7は誰でも簡単に操作ができるようになっているだけでなく、モニター調整にかかる時間も従来に比べ圧倒的に短縮されている。
なんとなくPCモニターで動画を編集していて、あまり色に関しての環境を整えていない方も多いと思うが、一度CS2740とともに新しい編集環境構築を検討みるのもいい機会だと思う。27インチで4Kという、作業には最高のスペックも持ち合わせているため、一度使用したら、元には戻れなくなるのでは?と感じている。ぜひお試しあれ!