第4章 画面調整/設定

デジタル信号入力の場合は、本機の設定データに基づいて画面が正しく表示されます。

4-1. 画面調整

アナログ信号入力の場合

液晶モニターの画面の調整とは、使用するシステムに合わせ、画面のちらつきを抑えたり画像の表示位置やサイズを正しく調整するためのものです。快適に使用していただくために、モニターを初めてセットアップしたときや使用しているシステムの設定を変更した場合には、ScreenManagerを使用して画面を調整していただくことをおすすめします。

 

調整はモニターの電源を入れて、30分以上経過してからおこなってください。(内部の電気部品の動作が安定するのに約30分かかります。)

調整手順

1.

コントロールパネルのオートボタンを押します。

「もう一度オートボタンを押すとオートアジャストが実行されます」のメッセージが5秒間表示されます。メッセージが表示されている間にもう一度オートボタンを押すと、自動調整機能が働き(実行中であることを示す画面が表示されます)、クロック、フェーズ、表示位置、解像度が調整されます。

この機能はMacintoshやWindowsなど画面の表示可能エリア全体に画像が表示されている場合に正しく動作します。コマンドプロンプトのような画面の一部にしか画像が表示されていない場合や、壁紙など背景を黒で使用している場合には正しく動作しません。
一部のグラフィックスボードで正しく動作しない場合があります。
オートボタンで調整しきれない場合は以降の手順にしたがって調整をおこなってください。正確に表示された場合は、手順5にお進みください。

2.

アナログ画面調整用のパターンを準備します。

Windowsの場合
(1) 「EIZO LCD ユーティリティディスク」をコンピュータにセットします。
(2) ディスクの起動メニューから「画面調整ユーティリティ」を起動します。起動できない場合は、画面調整パターン集を開きます。
 
Windows以外の場合
当社ホームページ(http://www.eizo.co.jp)から「画面調整パターン集」をダウンロードしてください。


画面調整パターン集の開き方および内容については、readmeja.txtあるいは「お読みください」ファイルを参照してください。

 

3.

アナログ画面調整用のパターンを表示して、再度自動サイズ調整をします。

画面のちらつき・表示位置・サイズを自動調整する

(1) 「画面調整ユーティリティ」または画面調整パターン集を使用して、パターン1 を全画面に表示します。
(2) オートボタンを押します。
「もう一度オートボタンを押すとオートアジャストが実行されます」のメッセージが5秒間表示されます。
(3) メッセージが表示されている間にもう一度オートボタンを押します。
自動調整機能が働き(動作中であることを示すアイコンが表示されます)、画面のちらつき・表示位置・サイズが正しく調整されます。

4.

ScreenManagerの<ピクチャー調整>メニューにより調整します。

(1)
縦縞が出ている場合
クロック>を調整します。
<クロック>を選択し、左・右のコントロールボタンを使用して縦縞が消えるように調整します。調整が合ったポイントを見逃しやすいので、コントロールボタンはゆっくり押して調整するようにしてください。

調整後、画面全体ににじみやちらつき、横線が出た場合は次の「(2)フェーズ調整」にすすみ調整をおこなってください。

 

(2)
ちらついたり、にじむようにみえる場合
フェーズ>を調整します。
<フェーズ>を選択し、左・右のコントロールボタンを使用して最もちらつきやにじみのない画面に調整します。

 

お使いのコンピュータやグラフィックスボードによっては、完全になくならないものがあります。

 

(3)
表示位置がずれている場合
<ポジション>を調整します。

液晶モニターは画素数および画素位置が固定であるため、画像の正しい表示位置は1箇所です。ポジション調整とは画像を正しい位置に移動させるための調整です。

<ポジション>を選択し、画像がモニターの表示エリアに適切に表示されるように上・下・左・右のコントロールボタンで調整します。

調整後、画面に縦縞が現れた場合は、「(1)クロック調整」に戻り、再度調整をおこなってください。(クロック→フェーズ→ポジション)

 

(4)
余分な画像が表示されていたり、画像が切れている場合
<解像度>を確認します。

<解像度>を選択し、調整メニューに表示されている解像度と、入力信号の解像度が同じになるように、上・下のコントロールボタンで垂直方向の、左・右のコントロールボタンで水平方向の解像度を調整します。

 

5.

信号の出力レンジ(レンジ調整)を調整します。

 <ピクチャー調整>メニューの<レンジ調整>で調整します。

信号の出力レベルを調整し、すべての色階調(0〜255)を表示できるように調整します。

[設定方法]
(1) 「画面調整ユーティリティ」または画面調整パターン集を使用して、パターン2 を全画面に表示します。
(2) <ピクチャー調整>メニューで<レンジ調整>を選択し、 オートボタンを押します。
「オートボタンを押すとオートレンジが実行されます」のメッセージが表示されます。
(3) メッセージが表示されている間にもう一度オートボタンを押します。
色階調が自動的に調整されます。
(4) パターン2を閉じます。「画面調整ユーティリティ」を起動している場合は終了します。

 

4-2. 低解像度の画面を表示した場合

VGA640×480などの低解像度は1600×1200に(画面いっぱいに)自動的に拡大されますが、<その他>メニューの<拡大モード>機能を使用して表示サイズを切り替えることができます。

1.

画像の表示サイズを変更する場合
拡大モードで切り替えます。

<その他>メニューより<拡大モード>を選択し、上・下のコントロールボタンでモード(拡大/ノーマル)を選択します。

メニュー
機能
フルスクリーン 画面いっぱいに画像を表示します。ただし、拡大比率は縦・横一定ではないため、表示画像に歪みが見られる場合があります。
拡大 画面いっぱいに画像を表示します。ただし、拡大比率を縦・横一定にするため、水平・垂直のどちらかの方向に画像が表示されない部分が残る場合があります。
ノーマル 設定した解像度のままの大きさで画像が表示されます。

例:1280×1024を表示した場合

2.

文字や線がぼやけてみえる場合
<スムージング>の設定を切り替えます。

低解像度を<フルスクリーン>、<拡大>モードで表示した場合、表示された画像の文字や線がぼやけて見える場合があります。

<ピクチャー調整>メニューより<スムージング>を選択し、1〜5段階(ソフト〜シャープ)から好みに応じて選択します。

<スムージング>アイコンは、以下の解像度では選択できません。
  • 1600×1200の場合
  • <拡大モード>で解像度を2倍に拡大した場合
    (例:800×600を1600×1200に拡大設定)

3.

画像が表示されていない部分(ボーダー)の明るさを設定する場合
<ボーダー>で設定します。

「ノーマル」、「拡大」モード時には、画像の周囲にボーダー(画像が表示されていない暗い部分)が表示されます。
<その他>メニューより<ボーダー>を選択し、左・右のコントロールボタンで調整します。

4-3. カラー調整

ScreenManagerの<カラー>メニューで、ファインコントラストのモードごとに独立した、カラー調整の設定、保存ができます。

アナログ信号のカラー調整をおこなうときは、まず<レンジ調整>をおこなってください。
カラー調整中にファインコントラストのモード変更はできません。あらかじめ、ファインコントラストのモードをコントロールボタンで設定しておいてください。

調整項目

ファインコントラストモードにより、<カラー>メニューで調整/設定できる機能が異なります(表示メニューも異なります)。

 

○:調整/設定可 -:工場にて設定済み
アイコン
機能名
ファインコントラストモード
sRGB
Custom
CAL
ブライトネス*
-
色温度*
-
-
ガンマ*
-
-
色の濃さ
-
-
色合い
-
-
ゲイン
-
-
6色調整
-
-
リセット
-
-

 *これらの項目はファインコントラストメニューでも調整/設定ができます。

調整はモニターの電源を入れて、30分以上経過してからおこなってください。(内部の電気部品の動作が安定するのに約30分かかります。)
<カラー>メニューの<リセット>を選択すると、ファインコントラストで選択しているモードの色調は初期設定(工場出荷状態)に戻ります。
モニターにはそれぞれ個体差があるため、複数台を並べると同じ画像でも異なる色に見える場合があります。複数台の色を合わせるときは、視覚的に判断しながら微調整してください。

 

メニュー 内容 調整範囲
ブライトネス

画面全体の明るさを好みの状態に調整する 0〜100%
色温度

色温度を選択する 4000K〜10000Kまで500K単位で選択します。(9300K含む)初期設定は5000Kです。

「K」表示は調整値の目安としてご利用ください。

本設定は<ゲイン>を調整すると「オフ」になります。
4000Kより低く、あるいは10000Kより高くすると、設定が自動的に「オフ」になります。

 

ガンマ

ガンマ値を設定する 1.8〜2.6(0.2ごと)

ガンマ機能についてはデジタル信号入力でのご使用をおすすめします。
アナログ信号の場合は1.8〜2.2に設定してください。

 

色の濃さ

色を鮮やかにする -100〜100
最小値(-100)で白黒の画面となります。

本機能を使用することにより、すべての色階調を表示できないことがあります。

 

色合い

肌色などを好みの色合いにする -100〜100

本機能を使用することにより、すべての色階調を表示できないことがあります。

 

ゲイン

赤、緑、青をそれぞれ調整し、好みの色調にする 0〜100%

赤、緑、青のそれぞれの明度を調整することにより、任意の色調を作ります。背景が白またはグレーの画像を表示して調整してください。

「%」表示は調整値の目安としてご利用ください。

本設定は<色温度>の設定をすると無効になります。ゲインの設定は何も調整していない状態に変わります。

6色調整

<色合い>、<色の濃さ>をRed、 Yellow、 Green、 Cyan、Blue、Magentaそれぞれ個別に調整する 色合い:-100〜100
色の濃さ:-100〜100
リセット

選択しているファインコントラストモードのカラー調整状態をすべて初期状態に戻す <リセット>を実行します。

 

4-4. 節電設定について

ScreenManagerの<PowerManager>メニューで節電機能を設定できます。

 

完全な節電のためにはモニターの電源を切ることをおすすめします。また、電源プラグを抜くことで、確実にモニター本体への電源供給は停止します。
モニターが節電モードに入っても、USB機器が接続されている場合、USB機器は動作します。そのためモニターの消費電力は、節電モードであっても接続される機器によって変化します。

 

アナログ信号入力の場合

本機は「VESA DPMS」に準拠しています。

コンピュータの節電機能「VESA DPMS」を使用する場合
[設定方法]
(1)
コンピュータの節電機能を設定します。
(2)
<PowerManager>メニューより、「VESA DPMS」を選択します。
[節電の流れ]
コンピュータの状態
モニターの状態
電源ランプ
オン
オペレーションモード
節電モード スタンバイ
サスペンドオフ
節電モード
[復帰方法]

キーボードまたはマウスを操作します。

デジタル信号入力の場合

本機は「DVI DMPM」に準拠しています。

[設定方法]
(1)
コンピュータの節電機能を設定します。
(2)
<PowerManager>メニューより、「DVI DMPM」を選択します。
[節電の流れ]
コンピュータの状態
モニターの状態
電源ランプ
オン
オペレーションモード
節電モード
節電モード
[復帰方法]

コンピュータ/節電モードからの復帰:キーボードまたはマウスを操作します。
コンピュータ/オフモードからの復帰:コンピュータの電源を入れます。