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ヘルスケア

九州大学病院 様

「遠隔画像確認システム」で検査時間の短縮と業務効率の向上を実現
~MRI装置のコンソール画面を読影室にIP伝送、リアルタイムに一覧表示~
 

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2024年4月、九州大学病院が新たに導入した「遠隔画像確認システム」にEIZOのIPデコーディングボックス「DuraVision DX0212-IP」と、当社グループ会社であるカリーナシステム(株)のONVIF®トランスミッター「NVT-SDI」「NVT-DVI」が計6台採用されました。導入の経緯や導入効果を放射線科の日野 卓也先生と和田 達弘技師に伺いました。

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診療放射線技師 和田 達弘 氏(左) 放射線科医師 日野 卓也 氏(右)

「遠隔画像確認システム」導入のきっかけについて教えてください

和田技師:MRI検査は、複数のコントラスト画像および複数の撮像断面の取得を必要とする検査です。2D撮像では、撮像シーケンスや撮像断面が増すごとに検査時間が延長するため、診断に最低限必要なコントラスト画像と撮像断面の選定が必要となります。特に骨軟部腫瘍や四肢の検査では、追加シーケンスが必要となるケースが多々あります。また、先天性心疾患に対するフォンタン術後の心臓検査においては、複雑な構造を有する血管の血液量を測定する必要があり、測定対象とする血管の同定に苦慮することがあります。

 当院は骨軟部悪性腫瘍や先天性心疾患を含むさまざまな難病における地域医療を担っている側面もあり、九州各地や他地方から紹介で来院する患者さんが多くいます。これらの疾患に関しては当院で初回MRI検査となることも少なくないため、撮影時にいわゆるルーチン検査では不十分な場合があります。

 このようにMRI検査の内容によって適切な検査方法を選択するために、私たち技師は、放射線科医師、特に胸部グループの助言を得るようにしています。これまでは、フロア内に放射線科医師が不在の場合、フロア外の放射線科医師に電話で画像確認を依頼し、MRI検査室まで来てもらう必要がありました。移動距離や頻度が医師の負担となっており、技師側も何度も医師に依頼をすることにためらいがありました。

 「遠隔画像確認システム」は、医師のフロア外からの移動をなくすことで、業務負担を軽減する目的で導入しました。各MRI検査室の検査装置のモニターに表示している画面自体を、離れた読影室にIP伝送して大型モニターに一覧表示させ、即座に確認できるようにしました。

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「遠隔画像確認システム」導入後に感じたメリットや使用感をお聞かせください

和田技師:以前はフロアに読影担当の放射線科医師が不在の場合、放射線科医師の移動の負担を考えて画像確認依頼を行うかどうか迷うこともありましたが、本システムの導入により、依頼がしやすくなりました。電話で追加撮像の有無を聞けるため、検査時間の短縮や業務効率の向上に繋がりました。

日野医師:普段はMRI室とは離れたところで読影することが多く、依頼を受けてMRI室に向かうまでに時間がかかりますし、MRI室から連絡を受けた直後に他部署から電話連絡が来る場合もあり、結果としてMRI室の患者さんをお待たせすることがありました。導入後は、電話連絡から即座に対応、指示を行うことが可能になり、移動の手間がなくなったため、業務負担も軽減されました。また、患者さんをお待たせすることもありませんのでMRI検査の時間短縮と患者さんの満足度向上にもつながりました。
 

今回導入したシステムに対する要望や、今後の貴院の展望について教えてください

和田技師:今回のシステム導入で6室のMRI装置の画像をリアルタイムに読影室の大型モニターにIP伝送することが可能になりました。検査を統括するリーダー技師が常駐する部屋にもIP伝送し、全コンソールの画面を確認することができれば、より、検査の安全性や質の向上に繋がるのではないかと考えています。また、緊急の検査の際に、MRI検査室にいない先生方が救急処置室等で画像を確認できれば、診断・治療をより迅速に行うことが可能になると思います。
 

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■ご協力
九州大学病院
ホームページ:https://www.hosp.kyushu-u.ac.jp/

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 九州大学病院は、特定機能病院として、福岡県のみならず、九州地域医療の中核を担っています。また、外国人患者受入れ医療機関認証制度(JMIP)の認証を平成29年に取得し、外国人患者の受け入れも積極的に行っています。病院の理念には医療の質向上を目指し「患者さんに満足され、医療人も満足し、医療の発展に貢献する病院を目指します」を掲げています。

 

導入製品

  • IPデコーディングボックス DuraVision DX0212-IP
  • ONVIFトランスミッター NVT-SDI(カリーナシステムWebサイトへ)
  • ONVIFトランスミッター NVT-DVI(カリーナシステムWebサイトへ)

本事例の内容は取材当時のものであり、閲覧時点で変更されている可能性があります。ご了承ください。


導入事例
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