EIZOのタッチパネルモニターを活用した呼び出しシステムを構築、
薬局の待ち時間を可視化し、患者さまのストレスを軽減
日本調剤株式会社は、1980年の創業以来調剤薬局の出店を積極的に行っており、現在では全国に調剤薬局を展開し、約4,000名の薬剤師を有する日本を代表する調剤薬局企業です。同社では、2015年から継続してEIZOの15型タッチパネルモニターを採用しており、全国の日本調剤の薬局で計400台以上活用されています。
その導入効果や継続採用の理由などをシステム担当者の方に伺いました。
日本調剤株式会社 システム第一部 中山 高太郎 氏 |
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タッチパネルモニターの活用方法を教えてください。
当薬局ではご来訪患者さまに受付番号を割り当ててお薬の準備ができるまで待合室でお待ちいただきます。投薬ブースに設置したタッチパネルモニターに受付番号の一覧を表示し、お薬の準備が完了した患者さまの番号をタッチすると、待合室にあるサイネージ用モニターに番号が表示されるシステムを構築しています。
薬局は毎日多くの方が訪れ、調剤が完了するまで何十人と待っていただくことがあります。薬局の一番の課題が「待ち時間」です。今自分が何番目なのか、どれくらい待てばよいのかが分からないことが患者さまのストレスになります。そこで待合室にサイネージを設置し、お薬の準備ができた方の受付番号を表示させようという試みを行いました。投薬ブースのタッチパネルモニターに、発行した受付番号を一覧で表示させて、薬剤師がお薬の準備ができた患者さまの番号をタッチし「調剤済」のボタンを押すと、待合室のサイネージに番号が表示されます。それを見て患者さまがお薬を取りに来る、待っている方はあとどれくらいで呼び出されるのかが分かるようになりました。
また、処方の内容によって薬の準備にかかる時間が異なるので、呼び出し順番が前後することもあります。タッチパネルモニター上に番号が一覧になっていることで、薬剤師も直感的にどこまで薬の準備ができているか分かりやすいです。マウスやキーボードを使うことなく、タッチで直感的に操作できることや、待っている患者さまの人数把握ができて管理面での利便性が上がったこともメリットだと感じています。タッチパネルモニターを活用したシステムの導入は、業務の効率化、ひいては待ち時間の削減に寄与しました。
当社タッチパネルモニターの使用感を教えてください。
薬局によっては多いところで1日に200~300人の患者さまが来られますが、採用したEIZOのタッチパネルモニターは耐久性があり、故障などの問題が起きたことはありません。タッチする際にズレを感じることもなく、反応も良いのでストレスなく使用できています。毎月のように新店舗を出店していますが、導入・設置において問題が発生したことはなく、安心して導入できています。 15型のタッチパネルモニター「DuraVision FDX1501T」は9年以上使っており、最近同サイズの後継機種「DuraVision FDX1502T」に切替えました。コロナ禍で半導体不足の問題があり、業務PC用のモニターに関してはメーカーがバラバラになってしまいましたが、タッチパネルモニターに関してはほとんどEIZOモニターのみで構成できています。製品サイクルが安定しており、後継機種も安定して出していただけているので安心です。供給が止まったこともありません。当社は同じシステムを多店舗で長期的に使っているため、長期的に安定して供給いただけることは大きなメリットとなります。 |
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当社に対する要望などあれば教えてください。
大規模店舗になると患者さまへのお薬の受け渡し窓口が20~30個あります。薬局業界全体の長年の課題である「待ち時間」をなるべく減少させるために、導線上にうまくタッチモニターを設置できるよう常に意識しています。タッチパネルモニターが1台のみの場合、そこにタッチしにいくとなると導線的にあまり良くありません。ですので、モバイルモニターなどがあると嬉しいですね。利便性がさらに高まると思います。
貴社の今後の展望を教えて下さい。
2021年12月に調剤薬局事業者として初の「DX認定事業者」の認定を取得し、以下5つのDX戦略に基づく取組みを推進中です。
①スマート医療の提供
②新たな顧客体験の創出
③顧客満足度向上と治療効果の最大化
④付加価値情報の提供
⑤業務効率化及び対人業務時間の創出
・DX認定制度とは、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応する企業を国が認定する制度です。
医療業界、薬局業界ではデジタル化が進んでいます。病院やクリニックで処方箋を紙でもらい、紙の保険証を出して、という部分がすべてデジタル化・ペーパーレス化されていっています。当社はこのデジタル化よりかなり先行してタッチパネルモニターを含むシステムを導入しました。今後もさらなるデジタル化を推進できるように検討をしていきたいと思います。 |
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■取材協力店舗
日本調剤 本郷薬局
■ご協力
日本調剤株式会社
ホームページ:https://www.nicho.co.jp/corporate/
日本調剤株式会社は、1980年の創業以来、一貫して国の健康保険制度を支える調剤薬局のあるべき機能・役割を全うすべく「医薬分業」を追求し、調剤薬局展開を積極的に行っています。現在では、全都道府県に調剤薬局を展開し約4,000名の薬剤師を有する、日本を代表する調剤薬局企業として評価を得ています。また、ジェネリック医薬品の普及や在宅医療への取り組みだけでなく、早くからICT投資を積極的に進めており、超高齢社会に必要とされる良質で革新的な医療サービスの提供を行っています。
導入製品
15型タッチパネルモニター