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クリエイティブ

マーザ・アニメーションプラネット株式会社 様

ColorNavigator Network試用事例

 

マーザ・アニメーションプラネット株式会社 様

マーザ・アニメーションプラネット株式会社

  マーザ・アニメーションプラネット株式会社

導入でモニター管理にかかる時間は1/10に削減できる、
海外を含め複数拠点での稼働も視野に

<インタビュー>
システム管理 杉田 直弥 氏

マーザ・アニメーションプラネットの制作環境、チーム編成を教えてください。

 CG275Wを2011年に計55台導入して以来、精密な色を必要とするチームにはハードウェア・キャリブレーションできるモニターを導入するようになりました。メーカーとしては、EIZOを筆頭に、DELL、Wacom(液晶タブレット)を利用しています。
 弊社は映画製作を主体にしていますが、ゲーム・イベント・アトラクション映像など、幅広い制作物に携わっています。

 社内設備は、映画製作を主軸においている関係で、ポストプロダクションと同性能のプロジェクターを採用し、後行程となるポストプロダクションと同等の確認作業を社内で行える環境が整っています。同時進行で複数多彩なプロジェクトが動くことが多く、映画以外にもイベント・アトラクション映像の確認にも活用しています。プロジェクターについては、プロジェクターは輝度が変化しやすいため、3か月に1回キャリブレーションを行っています。プロジェクターの輝度変化を監視するために、後ろにColorEdgeを置いていて、画面とスクリーンに同じものを出力し見比べてずれが発生し始めた頃にプロジェクターの輝度調節をするようにしています。
  杉田 直弥 氏
システム管理
杉田 直弥

スクリーニングルーム
スクリーニングルーム
  スクリーニングルーム設置のColorEdge
スクリーニングルーム設置のColorEdge

 

ColorEdge導入の決め手を教えてください。

 当社のモニター選定条件は、ハードウェア・キャリブレーションであることでした。定期的に自動でキャリブレーションしてくれることがColorEdge導入の決め手となりました。

 他には10bit入力対応や、Windows、Macのみならず、Linuxにも対応しているところなどが導入を後押ししました。

 導入前は、自動で定期的な調整を行ってくれるなんて、なんて楽なのだろうと思いましたが、導入してみると、実施されていないモニターが出るトラブルが発生しました。原因を追究したところ、PCを変更したのにその連絡が届いていませんでした。PCを変更するとキャリブレーションができなくなることは導入時に伝えていましたが、やはり忘れてしまうのですよね。ColorEdgeを一気にスタッフに行き渡るように大量導入しましたので、導入期は少し混乱があったようです。

キャリブレーションのターゲットにしている規格を教えてください。

 DCI P3とsRGBとREC.709でそれぞれキャリブレーションし、使い分けています。いま製作している新作映画『Robodog』(原題)は、DCI規格を基準に管理することが決まっています。ただDCIカバー率がプロジェクターと違うので、まったく同じ色を出すことは不可能なのですが、その理解はまだ難しい状況ですね。制作時に同じ規格で見られることが重要で、DIで最終調整をかけるのが正しいフローと思っています。

  新作映画『Robodog』(原題)
新作映画『Robodog』(原題)

今回、ColorNavigator Networkをいち早く試用いただけた理由を教えていただけますか。また、その試用感を教えてください。

 以前からモニターの状態を一括確認・調整できる環境を求めていました。

 試用したのは3台です。Windowsが1台、Macが1台、Linuxが1台です。まず感じたことは、今までに比べて初期セットアップがとても早くできました。当社でカスタム設定したキャリブレーションターゲットは3つあり、今までのColorNavigator 6では、その初期設定をして3つのターゲットに対しそれぞれキャリブレーションが完了するというところまで30分、同時進行で進めるにしても、それを55台分もしなければいけませんでした。

 また、新規プロジェクトが始まる際は、制作用モニターのキャリブレーション設定変更を全数行っており、キャリブレーションセンサー内蔵のColorEdgeを使っていても5台ごとに30分ほど要していました。(さらに遡ると、ソフトウェア・キャリブレーションの頃は、1台1時間かかっていました…。)

 ColorNavigator NXは、ターゲットキャリブレーションが一度で済んでしまうので楽でしたね。さらにColorNavigator Networkを導入すると、一括で設定を流しこんで完了でき、本当に便利と感じました。たぶんColorNavigator NXでの初期設定は5台で3分ぐらいでしょう。当社の台数ですと約30分で全数終わりますね。一気に初期設定をしにいって、終わってからネットワーク上で指示を出す。そして、実行結果が返ってこないものがあれば、トラブルが起きている実物を確認するだけ。その場でキャリブレーションをして待たなくていいのがよかった点です。今後追加導入し100台に増えようとも初期設定後は、キャリブレーション実行にかかる時間が一律なのは魅力ですね。

 今、運用しているColorNavigator 6をColorNavigator NXに変更する際に手間がかかったとしても、複数プロジェクトを同時進行する上で必須のソリューションと感じています。

 同時進行する場合に、複数の色管理をしなくてはならなくなります。同じチームでも、日によって違う色で作業する環境になったとき、必要となることは「色設定の切替えが早く、すぐにできること」と思います。前面ボタンのカラーモードで切り替えできるColorNavigator NXの利便性は高いですね。ColorNavigator NXは、キャリブレーション設定がモニター前面のカラーモードと連動し、プロジェクトに合わせて名前の変更もできる仕組みがColorNavigator 6での運用よりも分かりやすかったです。また今導入しているCG275Wは、ハードの制約上、カラーモードに設定できるキャリブレーションターゲットが3つに限られるので、最新のCG277/247に替えないと少しつらくなるかもしれないですね。CG277ですと10まで登録できるから便利ですね。

 ColorNavigator 6と内蔵センサーによる定期的な自動キャリブレーションによって運用していても、前述のPC入替えのように、何かの要因で、調整されないものが出る可能性はあります。キャリブレーションに成功しているかどうかが一覧で分かるのは、ColorNavigator Network導入のメリットと言えますね。

ColorNavigator Networkで、制作者のモニターに操作ロックを行いますか?

 複数の仕事をする際に、各自切り替えが必須だと思いますので、ロックはしません。全部の設定を有効にし、仕事に合わせて、各自でしっかり管理してもらうというスタイルの方がいいと思います。

ColorNavigator Networkの管理権限についてはどのように捉えますか?

 設定は私がやります。ただ調整結果の閲覧については、グループ単位でチームリーダーへ権限を渡そうと考えています。各自が作品に責任もってやっていくのがデザイナーの仕事なので、適用状況が問題ないかどうかのチェックはやってもらうのが一番いいと思っています。キャリブレーション作業は今のところ私が行っていますが、将来的にはチームに任せて運用できればと考えています。

ColorNavigator Networkに対する要望はありますか?

 スマートフォンアプリで状況確認ができればと思います。パソコンなしでiPadなどで出先から、うまく調整できていないモニターを確認できると便利です。前述のように閲覧権限を利用者にも渡すとなると、やはり簡易的に簡単に閲覧できるものが必要になります。

 また、対象から外れたり、色が基準からずれたりしたら、何らかのアラート機能があるといいですね。

ColorNavigator Networkを使ったこの先の展望を教えていただけますか?

 Network環境を確立できたら、次は自社の設定を公開しようと思います。「うちの仕事は、ColorEdgeを使ってこういう設定をして管理された環境で制作しています。遠隔地でも同じものを見ながらチェックできます。」ということが各社の強みとなり、支店間や会社間のやりとりは、楽になる。遠隔になればなるだけその価値が上がりそうですよね。

 プロジェクトの名前を出すかどうか、機材の名前を公開するかどうか…という問題はあるにせよ、例えば当社が標準で使っている設定があって、それを流しこんでくださいという指示は出せるのではないかと思います。CG業界は社内、国内だけで完結せず、国を越えた協力体制で仕事を進めることが増えていますから、お互い管理された同じ色を見られたら、安心ですよね。

 会社間のやりとりを考えると、ColorEdgeを複数台導入している企業ではなくとも、ColorNavigator Network導入のメリットは大きいと思います。当社もアメリカに支店がありCG246が1台あります。アメリカに飛ばないとキャリブレーション設定できないかな(笑)と思っていたところでしたので、今後は海外を含め、複数拠点での稼働も視野に入れています。

■ご協力
マーザ・アニメーションプラネット株式会社
ホームページ : http://www.marza.com/

本事例の内容は取材当時のものであり、閲覧時点で変更されている可能性があります。ご了承ください。


導入事例
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