ヒューマンドキュメント

経理部経営企画課 課長/松原彰人

数字の背景を読み解き、未来を描く
すべてのステークホルダーの最良な意思決定を導くために

松原彰人  

PROFILE
●松原彰人(まつばら あきひと)
2004年 入社。経理部経理課に勤務
2009年 EIZO Inc.(アメリカ)に出向
2015年 経理部経営企画課に異動
2021年 経営企画課長になり、現在に至る

経理は会社全体を俯瞰し、経営の参謀となる部門

これまで経理部門を中心にキャリアを重ねてきました。私が思うEIZOの経理は、「未来志向の会計」です。単に売り上げや利益をまとめるのではなく、さまざまな数字から見えてくる背景を読み取ることで、これからの経営判断に生かしていく役割が求められています。
具体的に言えば、役員会で今後の指針を決める上での参考となるよう、月次や四半期、年次ごとの業績から分析した状況を経営陣に伝えています。これらの情報をIRとして株主や投資家の皆さまにも発信しなければなりません。加えて、事業計画の策定も重要な仕事の一つです。役員とディスカッションし、経営陣の思い描くところを噛みくだき、それを中期経営計画や年度予算に落とし込んでいくのも私たちの仕事です。
このように経理は、数字を通して経営陣と社員、そして株主・投資家の皆さまをつなぎ、最良な意思決定ができるような指針を打ち出す部門です。会社全体の情報をつかみながら、その結果として表れる数字から新しいビジョンを描き、各部門のスタッフの仕事に貢献できることが、私にとって大きなやりがいと言えます。

海外出向の経験を糧にM&Aに取り組む

EIZOは現在、新たな事業へと踏み出しているところで、その一環としてM&Aにも積極的です。私も経理部門を代表し、2015年、16年と続けて2社の事業買収に携わりました。手がけた案件は、アメリカに本社を置く日本法人と、欧米を販売先とするメーカーで、契約をまとめる上で非常に役立ったのが海外出向の経験です。
私は、2009年11月から15年1月までアメリカにあるグループ会社「EIZO Inc.」に赴任していました。アメリカでは、経理だけでなく、総務や人事、物流、品質管理など多岐にわたる部門に携わりました。正直、学生のころから英語が苦手だったこともあり、最初はとまどうことばかり。日本との考え方の違いから同じように進まないことが少なくなく、もどかしく思うこともありました。もちろん、日本とアメリカどちらがいい悪いではありません。アメリカでは、論理的に丁寧に説明し理解してもらえれば、自分自身の受け持つ仕事に対して責任感を持って取り組んでくれることが多く、文化の違いを理解することでお互いに協調しながら仕事を進められます。 M&Aでも同じです。異なる文化を持つ企業が一緒になるわけですから、買収対象の企業や事業の調査をしっかりと行い、相手について深く理解し、一緒になった後の事業の進むべき方向性を明確にした上で、話をまとめていかなければ、買収後の事業運営は難しいでしょう。
経理部門だからといって、いつもデスクで数字とにらめっこしているわけではありません。受け身のままではできる仕事は限定されてしまいます。だからこそ、私は積極的で前向きな人と一緒に仕事をしたいと考えています。簿記や会計の知識は大切です。ただ、それに+αをできる人材が求められていると思います。