株式会社東芝 デザインセンター
カラーユニバーサルデザインの実践ツールとして
東芝デザインセンターが採用したFlexScan Uシリーズ その確かなクオリティとユーザビリティ
株式会社東芝のデザイン部門「デザインセンター」は、家電・携帯電話などの民生用機器から、発電所・鉄道などの社会インフラや官公庁用の各種システム、医用機器、産業機器に至るまで、同社が手がける幅広い分野のデザインを一手に手がけている。その中で、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)の開発を担当しているのが、コミュニケーションデザイングループ。人が直接見て操作するものを司る同グループにとって、"カラーユニバーサルデザイン"は、切り離して考えることができない重要な思想だ。
同グループでは、カラーユニバーサルデザインをより向上させるために、株式会社ナナオの色覚シミュレーションモニター「FlexScan Uシリーズ」を導入。不特定多数の人がGUIを操作する際に色による不具合が起きないよう、細心の注意を払ってデザイン作業を行っている。そうしたカラーユニバーサルデザインへの取り組みやFlexScan Uシリーズについて、同グループのチーフスペシャリストである中原道博氏にお話を伺った。
ハードウェアシミュレーションのメリット
Q1 FlexScan Uシリーズによって、従来はソフトウェアで行っていた色覚シミュレーションが、モニターつまりハードウェアで行えるようになりました。そのメリットを教えてください。
ソフトウェアのシミュレーション時間に比べ、ハードウェアによる色覚シミュレーションでは、かかる時間が大幅に短縮される
出典:「色覚バリアフリーのためのチェックモニターの開発」石川工業試験場 前川満良ほか。第31回感覚代行シンポジウム講演論文集
私どもの部署では、おもにGUIの開発を手がけておりますが、従来のソフトウェアによる色覚シミュレーション作業は、「1画面ずつキャプチャしたものを読み出してチェック
する」という非常に手間がかかる方法で、ひとつのデザインをチェックするのに10分程度は時間をとられていました。
それに比べ、 FlexScan Uシリーズのようにハードウェアを使った色覚シミュレーション作業は、その場で簡単に画面上のアイコンをクリックするか、F2・F3キーを押すだけで、 色弱者の見分けにくい色の組み合わせを瞬時に確認することができる画期的なものです。作業をしながら簡単にチェックが行え、圧倒的に作業効率がアップしたと実感しています。またおかげで当社スタッフのカラーユニバーサルデザインに関する意識も上がりました。
これまで、色覚チェックはデザインがほぼ完成してから数回行う方法だったのですが、FlexScan Uシリーズによって簡単にシミュレーションできるようになってからは、デザイン作業の途中でも非常にこまめに行っています。
高い色再現性
Q2 FlexScan Uシリーズで行う色覚シミュレーションは、これまでの方法とくらべてどんな点がよいのでしょうか。
FlexScan Uシリーズは、オリジナル(一般色覚)、P型(第1色弱)、D型(第2色弱)の3モードを瞬時に切り替えて、ほぼ正確にシミュレーション表示できるのが特長だ
デザイン作業時以外でも、Webページの閲覧中にあえてモードを切り替えてみることもあります。それにより「よい配色・悪い配色」の参考例がデザイナーの頭の中で体系化できるように思うんですね。これも、このモニターを使用するからこその利点ではないでしょうか。
これまで使用していた北米のソフトウェアによる色覚シミュレーション作業では、オレンジ色の明度と彩度が妙に高い気がしており、最終成果物のクオリティに一抹の不安を感じていたのです。また、国内で配布されている同様のソフトウェアでは、白色がピンクがかって見えるので違和感を覚えていました。そこで、まず最初に FlexScan Uシリーズの「L797-U」を試験的に1台導入し、性能を確かめるため、当社スタッフの中にいる色弱者に画像を見てもらいました。その際、モードを切り替えて色を変化させても、当人がその変化にまったく気がつかなかったのです。それで「この製品は信頼できる」と確信しました。
動画再生ができる
Q3 FlexScan Uシリーズでは、動画を再生しながらの色覚シミュレーションも可能となりました。御社の現場ではこの機能をどのように使っていますか。
ワンクリックで動画も瞬時にチェックができるのがハードウェアシミュレーションの魅力だ
最近は携帯電話の待ち受け画面などにも動画のアニメーションなどが多く採用されていますので、従来に比べ、動画についても色覚シミュレーションの必要性を感じる場面が多くなっています。最近増えてきている「デジタルサイネージ」と呼ばれる動きのある大型情報表示画面では、情報が動きながら色も変わっていくような表現も可能なので、一連の流れの中で問題がないかを簡単に確認できることが重要です。
雰囲気を楽しむような内容の動画であれば問題ありませんが、色の変化がわかりにくい事でリスクが発生するようなケースがないように、十分注意して作成する必要があります。今まで使用していたソフトウェアによる色覚シミュレーションでは、動画の1コマ1コマを静止画にし、それをひとつひとつ確認することしかできなかったので、大変手間も時間もかかりました。その点、FlexScan Uシリーズでは実際に動画を再生しながらモニター上で即座に確認できるため、非常に重宝しています。
■MdN
提供:株式会社ナナオ
企画・制作:株式会社エムディーエヌコーポレーション
掲載:MdN 2007年12月